(住込み浪人[その30]の続き)
「はあ!?」
OK牧場大学の学生食堂で、ポーク・カレーを『こさげ』、前方席に、こちら向きに座った女子学生の美脚を『こさげる』ように舐めていた『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、学生食堂のカレー担当のあのオバチャンが自分の横に立っている状況を理解できないでいた。
「向こうから見てるとさあ」
オバチャンは、向こうから自分を見ていたのか?
「(どういうことだ?)」
と自らに疑問を呈しはしたが、その理由が分からなくもなかった。
「スミローちゃん、『んぐっ、んぐっ!』って喉を鳴らしてるし、コップの水はなくなってるから、カレーで喉が乾いたんだろ、ってさ」
オバチャンが、ウインクをした。
「(んぐっ、んぐっ!)」
「んもう!スミローちゃんったらあ」
「(いや、違う!違う、違うんだ!)」
「ふん!分ってるさ。スミローちゃん、さっきから前ばかり見てるもん!」
オバチャンは、少女のように拗ねた。
(続く)
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