(住込み浪人[その29]の続き)
「(んぐっ、んぐっ!)」
OK牧場大学の学生食堂で、ポーク・カレーを『こさげた』ように、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、前方席に、こちら向きに座った女子学生の美脚を『こさげる』ように舐めていた。
「(悔しいが、女子大生は、OK牧場大学の方がいい。んぐっ!)」
今年は、OK牧場大学で『住込み浪人』をしているものの、志望校はあくまでハンカチ大学のビエール・トンミー青年であったが、魅力的な女子大生の有無、多い少ない、で云うと、OK牧場大学に分があることは認めざるを得なかった。
「(んぐっ、んぐっ!)」
こちら向きに座った女子学生が、食事を終え、椅子を少し斜めに引くと、美脚を組んだのだ。
「(んぐっ、んぐっ!)」
太ももが、露わになった。
「はいよ!」
「え!?」
テーブルに置かれたトレイの上のコップに、水が注がれ、『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、声の方に顔を向けた。
「さっきから、『んぐっ、んぐっ!』って、カレーで喉が乾いたんだろ?」
学生食堂のカレー担当のあのオバチャンであった。
(続く)
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