(住込み浪人[その33]の続き)
「(んぐっ!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年に水を持ってきたのか、媚を売りに来たのか分らな買ったOK牧場大学の学生食堂のカレー担当のオバチャンが、同僚に呼ばれて自分の持ち場に戻りながら、振り向き、投げ掛けたウインクに、ビエール・トンミー青年は、またもや自身の意志に反して『反応』してしまった。
「ふん、下品だ!」
近くから、男子学生の憤懣遣る方無いといった声が届いた。
「(いや、違う!違うんだ!)」
「直ぐに反応すればいいってもんじゃないんだ」
「(だから、違うんだ!...あんなオバチャンなんかに…)」
「アイツら、自分の下品さを分っていない」
別の男子学生が、同調の言葉を吐いた。
「(ん?アイツら?......ボクのことでは….)」
「知識をひけらかすなんて、ふん、下品の極みだ」
「(ん?知識?)」
「それも、芸能人相手にな」
「(芸能人?)」
「必死で早押しボタンを押すなんて、みっともないったらありゃしない」
「(早押しボタン?....え?クイズ?)」
「だから、『カンリツ』の奴らは嫌いなんだ」
「(『カンリツ』???)」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿