『少年』は、その年(1967年)に、森永製菓が発売開始した、鳥をモチーフとしたパッケージの『チョコレートボール』は美味しく好きであったものの、決して裕福ではない家庭の子であったので、たまにしか買えないものであったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その66]の続き)
「ピンポーン~~~~」
門のチャイムが鳴った。広島市翠町のエヴァンジェリスト少年の自宅である。
「は?誰だろう?」
エヴァンジェリスト少年は、そびに来ていた『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の1年で同じクラスの友人であるエトワール君と子ども部屋にいた。
「ちょっと見てくるね」
その日、自宅には、両親も兄たちもいなかった。
「はーい!」
エヴァンジェリスト少年は、友人を子ども部屋に置き、玄関に向った。そして、玄関を開け、数歩先にある門の鉄格子の向こうにいる人を見て、思わず唾を飲んだ。
「あ!....ちょっと待って!」
とその訪問者に云うなり、家の中に戻り、エトワール君を呼んだ。
「エト君!」
「なに?」
「あの子だよ」
「え?あの子?」
「ほら、君の」
「えっ、えっ、ええー!」
事態を察したエトワール君も玄関まで来た。そして、二人揃って、玄関を出た。
「やあ……あ!」
門の鉄格子の前に立つには、申すまでもなく、エトワール君の好きな女の子であったが………
(続く)
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