『少年』は、当時(1967-1969年頃)、『ザ・タイガース』と並んで猛烈な人気となっていたグループ・サウンズの『ザ・スパイダース』の『バン・バン・バン』という曲のどこがいいのか分らなかったが、、そんなことではハブテン少年ではあったのだ(そもそもハブテルことでもなかった)。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
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(ハブテン少年[その121]の続き)
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の音楽室の入り口前のスペースで、スキヤキ君にコブラ・ツイストをかけていた時であった。
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!え!え!え!)」
自分でも驚いた。
「うっ、うっ、うっー!」
スキヤキ君は、体を捻られたまま、唸っている。
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」
エヴァンジェリスト少年の眼は、窓の向こうの本校舎の教室の方に吸いつけられたままになっている。
「(誰だ!?)」
そこにいたのは、コブラ・ツイストをかけている少年の体に『異変』を生じさせていたのは、『妻』ではなかったのだ。
「う、うん?」
スキヤキ君は、コブラ・ツイストをかけられたまま、自分の背後から体を巻きつけている友人の顔の方を見た。技の締め付けが緩んだのだ。
「あ、カモーン!カモーン!」
気を取り直したような感じで、エヴァンジェリスト少年は、あらためてスキヤキ君を締め付けた。
「カモーン、ギブアップ!?」
しかし、技をかけながらも、視線はどうしても窓のこうにいくのであった。
「(誰だ!?誰なんだ!?)」
スキヤキ君に気取られないよう、コブラ・ツイストはしっかり締め続ける。
「カモーン!カモーン!」
だが、気になった。気なる以上に、体に『異変』が生じていた。
「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」
(続く)
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