2019年12月17日火曜日

ハブテン少年[その124]




『少年』は、当時(1967-1969年頃)、『ザ・タイガース』と並んで猛烈な人気となっていたグループ・サウンズの『ザ・スパイダース』の『なんとなくなんとなく』という曲のどこがいいのか分らなかったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ(そもそもハブテルことでもなかった)。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「ナーイス!」

スパイクを決めた少女が、ジャンプから着地し、胸で大きく息をすると、胸が上下に揺れる。

「(んぐっ!......)」

エヴァンジェリスト少年は、なんとか『自分』を抑える。

「いいよ、いいよ、いいよ!」

再び、自らのポジションにつく少女に、バレーボール部の他の選手たちが、声を掛ける。

「(んぐっ!)」

前傾姿勢でネットに向かう少女の太ももの張りが、エヴァンジェリスト少年の視線を襲う。

「そーれ!」

掛け声と共にサーブが打たれ、少しラリーがあった後、再び、少女はジャンプする。

「ナーイス、ナーイス!」

スパイクを決めた少女が、ジャンプから着地し、胸で大きく息をすると、胸が上下に揺れる。

「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」

もっと見ていたかっったが、その場を離れる。それ以上、見ていると、『爆発』しそうであったのだ。

「(バレーボール部だったんだ)」

3年生になり、ブラスバンドの顧問だけではなく、担任にもなったムジカ先生に頼まれ、『クラスのお知らせ』をガリ版刷りした後、校庭を通って音楽室に向い、バレーボールのコート横を通ったのであった。

「(んぐっ!)」

『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の音楽室の入り口前のスペース横の窓の向こう、本校舎の教室に見かけた『肉感的』な少女は、バレーボール部のアタッカーであった。

「ナーイス!」

バレーボールのコートを背にしており、もう見てはいないのに、エヴァンジェリスト少年の眼には、少女の胸の揺れ、浅黒い太ももの張りが、はっきり見えていた。



「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」


(続く)



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