2019年12月26日木曜日

ハブテン少年[その130]




『少年』は、当時(1967-1969年頃)、人気となっていたグループ・サウンズの一つである『ザ・ゴールデンカップス』のヒット曲『長い髪の少女』という曲のどこがいいのか分らなかったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ(そもそもハブテルことでもなかった)。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「(こんなこと有りなのかなあ….)」

と、疑問を持つエヴァンジェリスト少年は、そのクラスの男子生徒たちと、排水されて底も壁面も丸見えとなったプールの中にいた。

「(これじゃ、水がかかったら…..)」

『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)のプール開きに備えたプール掃除をしていた。

「(透けて見えるじゃないかあ)」

男子生徒たちは、パンツ一丁でブラシを持っていたのだ。しかし、それだけならまだしもであった。


「(まあ、ボクはいいけど…..)」

他の男子生徒たちの中には、体を捩るもの、猫背にして両手を股間に当てるようにするものが少なくなかった。

「(何故、女子と一緒なんだ!)」

同じクラスの女子生徒たちもプール掃除をしていた。プールサイドの掃除である。

「(何故、男子だけパンツなんだ!)」

さすがに、女子生徒たちは、パンツ姿、下着姿にはならず、水着でもなく、制服のままであった。

「(『パルファン』子さんやあの娘がいたら….)」

と思うと、『んぐっ!』しかけたので、頭を振り、2人の少女たちの姿を脳裏から消した。

「(それにしても、パンヤ先生はあ….)」

そうなのだ。女子生徒たちと一緒の場で、男子生徒たちをパンツ一丁で掃除するよう命じたのは、体育教師のパンヤ先生であった。

1年生の時には、1学期、2学期はずっと徒手体操ばかりさせ、3学期は、バスケットボールをする、と云って生徒たちを喜ばせたが、ルールの勉強ばかりで、1年生最後の体育の授業でようやく実技となったものの、ひたすらコートをドリブルして往復するだけで終らせたあの教師である。


(続く)




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