『少年』は、当時(1967-1969年頃)、『ザ・タイガース』と並んで猛烈な人気となっていたグループ・サウンズの『ザ・スパイダース』のメンバーである『井上順』は、唄も歌うものの、楽器はタンバリンを叩くだけで楽な仕事だと思ったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ(そもそもハブテルことでもなかった)。
だって、ハブテルと、
「あんたあ、ハブテンさんな」
と母親に叱られるのだ。
************************
(ハブテン少年[その126]の続き)
「んん?」
『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の音楽室の入り口前のスペースで、友人で同じブラスバンド部(吹奏楽部)のエヴァンジェリスト少年にコブラ・ツイストをかけられたジャスティス君は、思わず、背後から自分の体を締めている友人の方に顔を向けようとしたが、
「んんん?」
眼は、宙を泳いだ。臀部により強い違和感を感じた。しかし、臀部に視線を向けることはできず、眼は、宙を泳ぐしかなかったのだ。
「(んぐっ!んぐっ!)」
股間だけではなく、エヴァンジェリスト少年の心にも『異変』が生じていた。
「(あ、ああ、あああ!)」
恥じた。自分を恥じた。
「(ごめんね)」
少年は、『妻』に謝った。
「(ごめんね、『パルファン』子!)」
少年の視線が捉えたのは、期待していた『肉感的』な少女ではなく、『パルファン』子さんであった。
「(あなた…..)」
『パルファン』子さんも確かに、エヴァンジェリスト少年を凝視めていた。
「(どうして?)」
その眼は、疑問を抱いていた。その疑問は、
「ボクと付き合ってくれないか?!」
と告白してきたものの、その後、何も云って来ないことに対する疑問であったであろうが、エヴァンジェリスト少年には、少女の視線は、疑問ではなく、詰問となっていた。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿