2019年12月23日月曜日

ハブテン少年[その127]




『少年』は、当時(1967-1969年頃)、『ザ・タイガース』と並んで猛烈な人気となっていたグループ・サウンズの『ザ・スパイダース』のメンバーである『井上順』は、唄も歌うものの、楽器はタンバリンを叩くだけで楽な仕事だと思ったが、そんなことではハブテン少年ではあったのだ(そもそもハブテルことでもなかった)。

だって、ハブテルと、

「あんたあ、ハブテンさんな」

と母親に叱られるのだ。


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「んん?」

『ミドリチュー』(広島市立翠町中学)の音楽室の入り口前のスペースで、友人で同じブラスバンド部(吹奏楽部)のエヴァンジェリスト少年にコブラ・ツイストをかけられたジャスティス君は、思わず、背後から自分の体を締めている友人の方に顔を向けようとしたが、

「んんん?」

眼は、宙を泳いだ。臀部により強い違和感を感じた。しかし、臀部に視線を向けることはできず、眼は、宙を泳ぐしかなかったのだ。

「(んぐっ!んぐっ!)」

股間だけではなく、エヴァンジェリスト少年の心にも『異変』が生じていた。

「(あ、ああ、あああ!)」

恥じた。自分を恥じた。

「(ごめんね)」

少年は、『妻』に謝った。



「(ごめんね、『パルファン』子!)」

少年の視線が捉えたのは、期待していた『肉感的』な少女ではなく、『パルファン』子さんであった。

「(あなた…..)」

『パルファン』子さんも確かに、エヴァンジェリスト少年を凝視めていた。

「(どうして?)」

その眼は、疑問を抱いていた。その疑問は、

「ボクと付き合ってくれないか?!」

と告白してきたものの、その後、何も云って来ないことに対する疑問であったであろうが、エヴァンジェリスト少年には、少女の視線は、疑問ではなく、詰問となっていた。


(続く)



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