「『みさを』ちゃん、金に苦労していたみたいだ」
スターバックス鎌倉店で、友人のエヴァンジェリスト氏と向いあって座るビエール・トンミー氏は、窓の外を走るクルマのライトに目を閉じ、大学の同期の男の言葉を思い出していた。『店』で『みさを』の『サービス』を受けたと云う男だった。
「カード地獄だったみたいだ」
と、男は云ったが、後に、貧しい実家に仕送りをする為だった、という噂も聞いたが、真相は分らない。
「それで、あの『店』で働くようになったんだろう。でさあ、『みさを』って『店』での源氏名なんだぜ」
そう男に聞いて、初めて、ビエール・トンミー氏は、『みさを』が『みさを』ではないことを知った。だが、『みさを』が誰であるのか、本当の名前が何であるのは分らなかった。
「(だって、あの男から、『みさを』の『サービス』を受けたと聞いた後から、『みさを』とは連絡が取れなくなったんだ…)」
と、思った時、一つの疑問が浮かんだ。
「(あ…?ボクは、『みさを』とどうやって連絡を取っていたんだっただろう?まだ、携帯のない時代だった。でも、『みさを』の固定電話の番号もボクは知らなかった。いや、どこに住んでいるのかも知らなかった…)」
とにかく、あの男に『店』で『サービス』をして以来、『みさを』は、ビーエル・トンミー氏の前から姿を消したのだ。
「(『店』に行ってみようかと思ったけど、出来なかった。行ったら、『みさを』にショックを与えていただろう…)」
と思いながらも、『店』で『みさを』から『サービス』と受ける自分を想像した股間が、強く『反応』した。
「(んぐっ!)」
(続く)
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