2020年10月27日火曜日

疑惑と誘惑の結膜炎[その3]

 


疑惑と誘惑の結膜炎[その2]の続き)



「.......きっと、深夜、ネットでエロ画像かエロ動画を見過ぎてるからなのよ」


眼科の看護師アグネスは、受付をしている同僚のシゲ代に、そう云ったが、それは、どこか自分自身に向けての言葉のようでもあった。


「ええーっ、うそお!あの紳士がそんなことを」


今、治療を終えて帰って行った老人のことである。


「さかりのついた中学生と同じなのよ」

「ま、フケツだこと!さかりのついた中学生がナニをどうするのか知らないけれど」

「ここに通院してるのだって、院長か私が目当てなのよ」

「そうなの!?」

「院長って、美人眼科医で有名でしょ」

「ええ、トシ江先生って、ホントお美しいわ」

「私の太ももを見に通う患者さんも結構いるのよ」




「アグネスさんの太ももって、女の私から見ても素敵ですものね」

「まあ、それほどでもないけど。でも、あの爺さんは、本当に舐めるように私の太ももを見るのよ。きっと、家に帰って思い出しては何かしているのよ」

「何かって、何?」

「知らないわよ、変態のすることなんか。あの爺さん、治療中から変態なんですもの」



(続く)




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