2021年5月31日月曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その105]



<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サイボーグなAMG]



「なんやて!アンタが、ワテの講義のあげ足取るようにして、話をどうでもええようなことに持っていってるだけやろが」


ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏に講義ではなく講義する。しかし、ビエール・トンミー先生の生徒エヴァンジェリスト氏に対するiMessageによるベンツの講義は、ようやく『Vクラス』を終えたようであった。


「だって先生が、『Aクラス』・『Bクラス』について、『セダンでないベンツはベンツと認めん』とか、『Mクラス』のことを『ありゃ、ベンツやないで』と仰ったり、『Vクラス』のことを『理解デケン』とも仰ったではないですか」

「やから、なんやねん?」

「そんなにベンツってつまらないクルマなのは、どうしてなのか疑問なので、色々と詮索してしまうようなことになったんです」

「なんかとってつけたような説明やな。でもま、確かに、このところ、ベンツのアカンことばかり云うてもうたかもしれへんな。それは、批判するのも、それだけの価値を認めとるからなんやが、聞いとる方にとっては、ツマランかったかもしれんな。じゃ、ちょっとまた、ベンツの凄いとこ講義したろか」

「よっ、待ってました、バイデン!」

「は?何が、バイデンや?」

「あ、失礼、『よっ、待ってました、大統領!』、でした」




「アンタ、まだ真面目に聞く気いないんとちゃうか?まあ、エエわ。アンタ、覚えとるか、『アーマーゲー』?」

「へ?『アーマーゲー』?」

「せや、『AMG』のことや」

「ああ、『Gクラス』を『ゲレンデ』と呼ぶのと同じように、『AMG』のことを『アーマーゲー』と読むのは時代錯誤だ、と仰いましたね」



(参照:【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その87]



「おお、よう覚えとるやんけ。『AMG』のことは、その内、説明したる、云うたやろ」

「ええ、そうでした、そうでした。『AMG』って、『アーメーマー』ではないんですよね?」




(続く)




2021年5月30日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その104]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き25)]



「おお、先生!さすがな疑問です」


生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生を持ち上げる。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったものの、すぐに脱線していき、更に、話は今、神戸のメリケン・パークにある巨大な鯉のオブジェである『フィッシュ・ダンス』談義となっていた。


「鯉と云えば『カープ』です。神戸の巨大な鯉のオブジェの『フィッシュ・ダンス』は、広島出身で『カープ』ファンにして、神戸にもルーツを持ち(母親が、神戸出身ですからね)、広島と神戸とのハーフとも云われる私への『フランク・ゲーリー』のオマージュだとお思いですか?」

「しもたあ。また、あんさんの罠に引っかかってもうた。『広島と神戸とのハーフ』なんて聞いたこともないわ。それに、『フランク・ゲーリー』ちゅう奴のことはよう知らんが、その『下痢』はんが、あんさんのことなんか知る訳ないやろ。また、そないな『クダラナイ(下痢ない)』話に持って行くつもりやったんやな」

「おお、先生、またノッてらっしゃいましたね。『フィッシュ・ダンス』が、神戸のメリケン・パークにあるのに、何故、淡水魚の鯉なのかと申しますと、実は、『フィッシュ・ダンス』が『鯉川』の川尻にあるからなのです。『鯉川』は今は、暗渠になっているそうですが」

「それがなんや云うねん。ワテは、『フランク・ゲーリー』にも神戸にも興味あらへん」

「『ユーハイム』はお好きではないのですか?」

「はあ?『ユーハイム』は知っとるが、なんで訊くんや?」

「『ユーハイム』は、神戸の会社ですよ」

「『ユーハイム』が神戸とは知らなんだ。『ユーハイム』とバウムクーヘンとが、どうチャウかよう分らんで。全然チャウかもしらんな」




「ああ、先生…『ユーハイム』は、会社、ブランドの名前で、バウムクーヘンを日本に持込み、有名にした会社ですよ(バウムクーヘンは、本場ドイツよりも日本での方が食べられていると聞きます)。やっぱり『ユーハイム』のバウムクーヘンは美味しいと思います」

「『ユーハイム』がバウムクーヘンなんか、バウムクーヘンが『ユーハイム』なんか知らへんが、そんなんどうでもエエやん。『ユーハイム』は、ベンツとどう関係あんねんな!」

「ああ、『ユーハイム』の創業者のカール・ユーハイムは、ドイツ人ですから、ベンツとはドイツつながりですし、『ユーハイム』は、非売品のベンツのバーククーヘンを作ったこともあるようです。2015年のことだと思います」

「アンタの『デジタル・ハンター』としての怪しげな力は認めたるが、ベンツの『Vクラス』の話が、どうしてバウムクーヘンの話になんねん。アンタ、真面目にワテのベンツの講義聞く気あらへんやろ」

「だって、先生が、『Vクラス』は、『バスク』で作られた『Vito』という商用車が元になっていることにご不満の様子だったので、どうしてお気に召さないのかを探っていったのです。『サインはV』も、『尾藤イサオ』も、『ワイシャツ』、『恥を知る男』、『アベック』、『シミーズ』、『ズロース』、『マスク』、『美食倶楽部』、『ビルバオ』、『フランク・ゲーリー』の何もかもが、先生が『Vクラス』をお気に召さない理由の探求だったのです」

「アンタ、ホンマ暇人やなあ」

「『高等遊民』の先生に云われたくはありません」

「で、結局、アンタのその探求で、ワテが『Vクラス』を気に入らん理由が解ったんかいな?」

「それが解ったら、今頃、私は、『V(ブイ)V(ブイ)』云わせてますよ」

「アンタ、ホンマ、クダランで。ええか、ワテは、そうや、『Vクラス』は最初から今まで全く理解デケン。なんでもない商用バンを豪華にしたクルマやで。『スリーポインテッドスター』のマークがついとらんかったらベンツとさえ思ってもらえんクルマや。なんでコナイナ豪華版商用バンを買ったのか、乗ってる人に訊いてみたいで、ちゅうことなんや」

「だったら、最初からそう云ってくだされば、こんな回り道しなくても良かったのですが」




(続く)




2021年5月29日土曜日

【緊急提言】東京オリンピック・パラリンピックを問題なく開催する方法!



「はあ?」


ビエール・トンミー氏は、机の上でiPhone X が鳴動する方に視線を向けた。


「(アイツか、またどうせオゲレツなことやろ。こっちは今、忙しいんや)」


とは思いつつも、ビエール・トンミー氏は、今日買ったばかりの『AirTag』を手にしたまま、iPhone X のロックを解除し、エヴァンジェリスト氏からのiMessageを読んだ。


「君は、オリンピック・パラリンピック開催反対なんだろ?」


『AirTag』には、Appleの他の製品同様、マニュアルがない。そこで、たまたま今月号のMacFanにあった『AirTag』の記事をマニュアルにしていた。iPhoneアプリの『メモ』の『写真をスキャン』機能を使って、その記事をマニュアルにしいていたところであった。




「ああ、オリンピック・パラリンピック開催大反対や。こんな状況でデケル訳ないやろ」

「オリンピックの女子新体操のチケットはどうなっているんだ?」


ビエール・トンミー夫妻は、オリンピックの女子新体操のチケットが当選し、購入していたのだ。


「まだチケット払い戻しせんで持っとるで」

「IOCは、日本が中止と云っても開催だ、と云ってるらしいが、これは、女子新体操を見たい君の差し金なのか?」

「新体操を見たいのは家内の希望や。他にも応募したんやが(馬術とか)、唯一当選したのが新体操なんや」

「君は、新体操のチケットが当った時、奥様の前で、新体操の真似して戯けてみせたんじゃあないんだろうね?」

「アホか。ワテはアンタとチャウ常識人やで」

「おお、君は、本当にボクのこと知っているなあ。おお、ボクは、新体操のチケットが当ったら、直ぐ女房の前で新体操の真似するぞ。どやしつけられるのは判っていてもな」




「勝手にせえな。もうええか?ワテ、今、忙しいねん」

「オリンピック・パラリンピックを無事、開催させる方法を考えついたんだ」

「はああ?君は、オリンピック開催賛成なのか?」

「いや、元々、オリンピックには興味はない。君もそうだろうが、1964年に『東京オリンピック』は経験しているしな」

「まあ、確かに、日本がこれから高度成長期に入ろうとする頃の、そう、ボクたちが小学4年の時の『東京オリンピック』の方が、ずっとインパクトがあったものな」

「君は、オリンピックが開催されたら、女子新体操は観に行くのか?」

「ああ、この状況での開催は大大大反対やが、…とはいえ.せっかく開催されたら、コレは観に行きたいわなあ。せやからチケットまだ持っとんねん」

「ああ、そだろう。だから、そんな君の為に、オリンピック・パラリンピックを無事、開催させる方法を考えたんだ」

「そんな方法、あんのかいな」

「ああ、あるとも。『無観客試合』かも、とも云われているが、そうではなくて、『無選手・無観客・無関係者試合』にしたらいいではないか。どうかね?」

「おお、アンタ天才や。『無選手試合』なんて常人では思い浮かばんで」

「なかなかのアイデアだろ?」

「ああ、ただの下劣漢とチャウな」

「おお、それは、まずい。オゲレツ漢としては、これもなんとかオゲレツ話に持っって行かないとなあ。でも、たまには、寸止めにしておこうか」

「ああ、止めとき」

「IOC、日本のオリンピック・パラリンピックの組織委員会は、ちゃんと試合スケジュールは組まないといけない。世界のテレビ局も、ちゃんと放送スケジュールを組まないといけない。で、そのスケジュールに沿って、選手も、観客も、関係者も、試合を妄想するんだ。テレビもちゃんと瞑想というか妄想用の音楽とイメージ映像を流さないといけない。で、試合は、個々の頭の中で行われるので、結果も色々と存在することになる。同じ試合の結果が、幾つもあるのは、画期的だろ?」

「アンタの得意な妄想やな」

「海外の選手は、日本に来ないんだ。だけど、選手村で生活することも妄想しないといけない。ほら、段々、オゲレツ・モードに入りそうだ」

「そこまでやで」

「選手村に、酒持ち込みオッケーらしいし、選手たちには、アレも配られるらしい」

「止めえな」

「だけど、ソレするのも妄想で…」

「ああもうええ、そこまでや。妄想は、アンタ一人でしときいな」


と、ビエール・トンミー氏は、iMessageアプリを終了させた。




(おしまい)



【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その103]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き24)]



「だって、先生の方が、バスクのこと、バスクのビルバオで理解できないものがあるとして、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』を持ち出して来られたのではありませんか」


生徒エヴァンジェリスト氏は、自分に向けられた非難をビエール・トンミー先生にそのまま返した。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったものの、生徒エヴァンジェリスト氏によって、『バスク』の『ビルバオ』談義へと脱線し、更に、話は『亀屋万年堂』、そして、『石田国松』へと逸らされた、とビエール・トンミー先生が非難してきていたのだ。


「ああ、ワテが、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』のことを理解できひんのは、その通りや。もう云うたように、金属の『ドンガラ』の光沢が目立つケッタイな建物や。でもエエか、『ドンガー、ドンガラガッター』の『ハリスの旋風』の『石田国松』とは何の関係もあらへんで」

「『ナボナ』の『亀屋万年堂』の『国松彰』さんとも関係ないんですよね」

「もうその話はやめんかい。ええか、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』は、ホンマもんのニューヨークの『グッゲンハイム美術館』(正式には、『ソロモン・R・グッゲンハイム美術館』)とはえらい違いや。ニューヨークの『グッゲンハイム美術館』は、フランク・ロイド・ライトの傑作やな。昔からこの形よー知っとった。ワテ、一度行ったことあるで。最上階からスロープを降りてくる壁面全部が展示スペースやったな」



アップロード中: 195756 / 195756 バイトをアップロードしました。

「先生、フランク・ロイド・ライトの建築が素晴らしいことは確かですが、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』を設計した『フランク・ゲーリー』も優れた建築家ではないのですか?」

「ほお、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』を設計したんは、『フランク・ゲーリー』ちゅうんか。また『デジタル・ハンター』したんやな。今度は、『下痢』話に持って行こうと考えてんやないやろな」




「おお、なんと『下痢』(クダル)なのに、『クダラナイ』発想でしょう。『フィッシュ・ダンス』ですよ」」

「アンタから『クダラナイ』云われたら、人間やめとうなるわ。で、何や、その『フィッシュ・ダンス』っちゅうんは?」

「神戸のメリケン・パークにある巨大な鯉のオブジェですよ。『フィッシュ・ダンス』も『フランク・ゲーリー』作なんですね。ななかな見事だと思いますが」

「神戸には何度も行ったことあるが、『フィッシュ・ダンス』っちゅうんは見たことないで。でも、なんで、メリケン・パークで鯉なんや?メリケン・パークちゅうんは、海辺やろが。鯉は、淡水魚やで」




(続く)



2021年5月28日金曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その102]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き23)]



「『石田国松』ではないのですか?」


脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったものの、『バスク』の『ビルバオ』談義へと脱線してしまっていたが、エヴァによって、更に、話は『亀屋万年堂』、そして、今、『石田国松』へと大きく外れて行っている。


「はああ?誰や、その『石田国松』ちゅうんは?」

「またまたオトボケですね。『ハリス』ですよ」

「なんや、『カマラ・ハリス』かいな。米国の副大統領が、どう『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』と関係してんのや?彼女のルーツに、ジャマイカとインドがあんのは知っとるけど、スペイン、バスクとどないな関係あんのや?」

「おっと、その手には乗りませんよ。『カマラ』という名前を出して、私に、インドで発見された『狼少女』とも云われた『アマラとカマラ』の話に脱線させようとしているのでしょうが、『石田国松』は、『カマラ』とも『狼少女』とも関係ありません。『ボバンババンボン、ブンボバンバババ』の『狼少年ケン』でもありません」




「おお!そやそや、それや!『ボバンババンボン』ちゅう歌やった。『歌えよ、ケーン!叫べよ、ケーン!』や」

「ですから、先生。『石田国松』は『狼少年ケン』ではありません。だって、名前は『国松』ですよ。『歌えよ、クニマツー!叫べよ、クニマツー!』では、様になりません。『石田国松』は、『狼少年ケン』とは同時代ではありますが、『ハリスの旋風』ですよ」

「おお、『ハリスの旋風』かいな。知っとるで。『ドンガー、ドンガラガッター』やろ。どないなアニメか忘れたが、『ハリスの旋風』と聞いただけでこの部分の歌が湧いてきたで」

「せんせーい!それです、それですよ!だから、『石田国松』が『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』を造ったのですか、とお訊きしたんです」

「はあ?何が、ソレや?」

「『石田国松』といえば、『ドンガー、ドンガラガッター』です」

「やから、なんやちゅうねん?」

「『ドンガー、ドンガラガッター』でしょ。先生は、私に、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』は、金属の『ドンガラ』の光沢が目立つケッタイな建物だと仰ったではありませんか」

「な、な、なんやてえー!あんさん、ソレ、本気で云うとんのかあ!?『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』の金属の『ドンガラ』ちゅうこと、ただその言葉だけから、『ドンガー、ドンガラガッター』の『ハリスの旋風』の『石田国松』、『石田国松』から『国松彰』で『亀屋万年堂』、『ナボナ』と話を逸れさせたんかあ!エエ加減にさらせよ!」




(続く)



2021年5月27日木曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その101]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き22)]



「ああ、先生!『国松』をお菓子だとお思いですか!」


生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生に対し、如何にも嘆かわしいといった云い方をした。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったものの、『バスク』の『ビルバオ』談義へと脱線してしまっていたが、更に、話は『亀屋万年堂』へと大きく外れて行っているようである。


「まあ、お菓子にしてはケッタイな名前やな。まあ、和菓子の名前なん?と思うたんやが、違うんやな」

「『国松彰』さんですよ」

「え?人の名前かいな」

「まあ、先生は、プロ野球のことは全然、ご存じありませんものね」

「ますます分らんで。亀屋万年堂が、野球に関連しとるんは知っとる。『お菓子のホームラン王』で『王貞治』がCMしとったやろ。でも、『国松』の何がプロ野球なんや?『国松彰』いうんは、プロ野球選手なん?」

「ええ、『国松彰』さんは、讀賣ジャイアンツの選手でした。王、長嶋の頃に活躍した人です。その『国松彰』さんは、亀屋万年堂の創業者のお嬢さんと結婚したんです。で、『王貞治』にCMで出てもらい、ご自身がプロ野球引退後、2002年から2011年まで亀屋万年堂の社長もされていたんですよ」

「ほうそうなんかあ。でも、ワテにはぜーんぜん興味ないことや。その『国松』はんが、どう『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』に関係しとんねんな?『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』の売店で『ナボナ』売っとんのか?」

「『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』の売店で『ナボナ』販売ですか。なかなか面白い発想です。先生、スペインにも野球のリーグはあるようですし、中南米出身の選手が多く、それなりのレベルにはあるようです」

「ほな、スペインでも『お菓子のホームラン王』でいけるんやないか」




「しかし、スペインといえば、やはりサッカーでしょう。その国で『お菓子のホームラン王』と云ってもピンと来ないと思います」

「やったら、サッカーのなんちゃらにしたらエエんやないか」

「おお、さすが、先生!では、『ナボナ』は、スペインでは『お菓子のメッシ』がいいと思います」

「お菓子なのに『メシ(飯)』いうんが、ワテには理解できひんが、皆がそれや、云うんならエエんとちゃうか」

「先生、ノリノリですね。しかし、残念ながら、亀屋万年堂の『国松彰』さんと『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』には、多分、接点はないと思います」

「なら、どこの『国松』はんが、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』と関係あんねん?」




(続く)




2021年5月26日水曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その100]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き21)]



「『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』や!」


ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏に対して、吐き捨てるように云った。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったが、今は、『バスク』の『ビルバオ』談義へと脱線してしまっていた。


「おお、『ビルバオ効果』ですね!」

「な、な、なんや、アンタ、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』知ってんのか?」

『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』等の建造物によって、衰退していたビルバオの街が再生された、なんてことを知ってるとお思いですか?」

「質問に質問で答えんのはやめえな。相手に失礼やで」

「ああ、私、どうやら、中学・高校も卒業していない非常識者のようですので」

「ああ、アンタは、どうしょうもない非常識なやっちゃ。せやけど、云うか、せやから、云うか、アンタは、世界でもトップクラスの『デジタル・ハンター』や。おっそろしい程に、いろんなモンをネットで即座に調べよる。ワテとのiMessageのやり取りの間に、バスクについて、ビルバオについて、ネットで調べたんやな」




「はああ?私、『デジタル・アンタ』ですかあ?」

「また、すっトボけんのか。もう調べたんなら知っとるやろが、『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』は、金属のドンガラの光沢が目立つケッタイな建物や」




「え!?『ビルバオ・グッゲンハイム美術館』は、『国松』が造ったんですかあ?」

「おいおい、また妙なこと云い出しよるなあ。なんや、『国松』て?」

「『国松』といっても、亀屋万年堂の『国松』ではありませんよ」

「訳の分らんことに、更に訳の分らんこと重ねんなや。亀屋万年堂は、よう知っとるで。ワテが一時期、自由が丘に(正確には、世田谷の等々力やけど)住んどったんは、アンタかて知っとるやろ」

「ああ、自由が丘女子をメロメロにしていた時期ですね」

「まあ、それは否定でけんな。で、自由が丘ゆうたら亀屋万年堂や。『ナボナ』やろ。『お菓子のホームラン王』やでえ」

「おお、先生、ノッていらっしゃいましたね!」

「おっとお…ノッてへんでえ。間違えんなや。ワテ、『ナボナ』は食べたことないで。けど、亀屋万年堂の『国松』って何や?亀屋万年堂は、そないなお菓子も作っとたんか?」




(続く)





2021年5月25日火曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その99]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き20)]



「ビルバオのことでワテが理解できひんもんがあるとしても、それはやな、ワテが高所恐怖症やからといって、ビルバオにあるあの橋のことやない。勘違いするんやないで」


ビエール・トンミー先生のその言葉は、生徒エヴァンジェリスト氏への警戒心を露わにしていた。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったが、今また、ビエール先生が『Vクラス』をお気に召さない理由を、エヴァンジェリスト氏は、『バスク』の『ビルバオ』にあり、と、『ビルバオ』談義へと脱線して行っていた。


「橋、ですか?」

「せや、『ビスカヤ橋』や。運搬橋や。橋いうてもな、ゴンドラで人やクルマを運ぶんやで。この橋や」




「ああ、下を船が通れるようにしたんですね」

「せや。下を船が通れるようにと、橋を高い所に造ると、昔は、馬車や自動車は馬力があらへんかったさかい、登れんやろ。そこで、運搬橋の登場、ちゅうことや。で、あんさんは、高所恐怖症のワテには、そないな橋は理解でけんはずや、と云いたいんやろ?」

「まあ、そう云いたいのではありませんが、そんなゴンドラに、先生は、乗れるんですか?」

「あんなあ、ワテ、こう見えても、会社のスキー部の部長やってたんやで。今はもうスキーはしてへんけどな」

「ええ!?先生、それ、初耳です。部長なんて、そんな高い地位に就くことに不安はなかったんですか?」

「また、それか。アホか。会社には部長はそもそも少ないポストでそこに到達でけん人が大部分やが、ワテはその中の最年少の部長やったで」

「何歳の時に部長になられたんですか?」

「29歳位の頃やな」

「おお、まさしく青年部長!」

「おちょくっとんかいな」

「でも、スキーって、リフトというのかゴンドラというのか知りませんが、それに乗って山に登るんではありませんか?」

「あんなあ、スキーをするちゅうことは、リフトに乗るちゅうことやで。当り前やんか」

「私は、草津のスキー場の低い所でしか滑ったことがないもので」

「知ってるがな。『プロの旅人』の『曲がったことが嫌いな男』シリーズに書いてあったがな」

「先生が、スキーでリフトに乗れたのは、当時、まだ若く、高所不安はそんなに強くなかったからなんですか?....いや、あ、そうかあ!女の子と一緒にリフトに乗ったんですね!そうかああ、高所不安に『欲望』が勝ったんでしょう」




「エエ加減にせえよ。アンタもうすぐ70歳やで。もう、そないな中高生みたいなんは、卒業したらドヤ」

「私、文学研究科フランス文学専攻修士課程を修了しているんですが、まだ、中学・高校を卒業していなかったんでしたっけ?あれえ、飛び級で大学院に行ったのかなあ?確か、先生と一緒に、広島皆実高校を卒業したような気がしますが…」

「勝手にさらせ!」

「では、勝手に推測させて頂きますと、『ビスカヤ橋』が怖くないのは、『ふか~い』お付合いのあったバスクの女性と一緒にゴンドラに乗ったら、また高所不安に『欲望』が勝つからなんですね!」

「アンタ、もうサカリのついた中高生以下やで。いつか逮捕されるで。何度も云うけどな、『ふか~い』お付合いのあったバスクの女性なんていーへんて。ワテが、ビルバオのことで理解できひんもんがあるとしても、それは別のもんや」




(続く)




2021年5月24日月曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その98]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き19)]



「へ?先生、高所恐怖症なんですか?」


生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生の突然の告白に口を閉じるのを忘れた。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであった。しかし、今、ビエール先生が『Vクラス』をお気に召さない理由を、エヴァンジェリスト氏は、『バスク』の『ビルバオ』にあり、としたのだ。


「動悸がするねん」

「高い所に登ると、ですか?」

「個人情報やさかい、詳しいことは云えへんが...」

「先生ともなれば、公人ですよ」

「そないなこと云うと、また動悸がするやんか!」

え!?先生は、本当に高所恐怖症だったんですか!?




「めまいなんかもあんねん。就職、昇進、結婚、長期休暇、退職などのイベントの度に……ああ、高所不安だけやないんやけどな……地下鉄『新お茶の水』駅の長いエスカレーターが高くて乗れん。ビルの14階の外廊下が怖くて手摺りの反対側しか歩けん。テレビでの高い場所のシーンが怖くれよう見れん。10階にある事務所の床の下に9階分の高さを感じて不安なんて感じや。ソファーで、床からの高さが怖いちゅうのもあったで」

「ああ、だから先生は、私の提案を拒否なさるのですね!」

「は?何の提案や?」

「首相になって頂きたい、そして、この国を救って頂きたい、という提案です」

「アホ抜かすな!やけどまあ、確かに、この国は今、未曾有(『みぞうゆう』やないで)の大危機にあるのに、記者会見では根暗で自信無さそうなくせに、裏では官僚を恐怖政治で黙らせるようなリーダーしかおらんさかいになあ」

「だから、先生に首相になって頂きたいのです。私が特別補佐官を務めさせて頂きます」

「あんさん、そうやって利権で美味しい汁でも吸おう思うてんのやろが、そうはいかんで。ワテは、前から云うとる通り、『高等遊民』なんや。首相なんてもんはせえへんで」

「ええ、ええ、もう分ってますよ。『高等遊民』だから、とういうのは方便ですね。本当は、高所恐怖症だからだったんですね」

「また意味分らへんこと云うとるで」

「首相なんていう高い地位に就くのが、高所恐怖症の先生には耐えられないですね」

「あんさん、ワテのことを心配しとるんやのうて、面白うもないシャレ云いたいだけやろ」




(続く)



2021年5月23日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その97]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き18)]



「知らんがな。『ふか~い』お付合いのあったバスクの女性なんて、元々、いてへんし、仮にいたとしても、それと秘密結社のバスクの『美食倶楽部』と何の関係があんねんなあ」


ビエール・トンミー先生は、あくまで『ふか~い』付合いのあったバスクの女性の存在を、もしくは、その女性との関係を否定する。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったが、今、ビエール先生が『Vクラス』をお気に召さない理由を、エヴァンジェリスト氏は、『バスク』にあり、としているのだ。


「ほほー、ついにバスクの女性と『ふか~い』お付合いがあったことをお認めになるんですね」

「そんな付合い、あらへんって!でも、バスクの『美食倶楽部』って、そもそも何や?」

「ご存じのくせにい。私をお試しなのですね。ええ、いいでしょう。説明します。料理好きのバスクの男性たちが、会員制で集って料理を作り、食べる倶楽部ですよ。これで合っていますか?」





「合うとるも合うてないも、ワテは、そんなもん知らんがな。やけどな、それに、バスクには行ったこともないワテが、そんな倶楽部入っとる訳あれへんし、そんなワテにバスクの女性が、『何か美味しい料理つくてえ~ん』とオネダリすることもあれへんやろ」

「いえいえ、だからこそ、先生は理解できなかったのでしょう。『美食倶楽部』が有名なバスク出身の女性は、男性は料理好き、料理上手と思い込んでいるのでしょう。なので、先生に『何か美味しい料理つくてえ~ん』とオネダリしたものの、先生は、『美食倶楽部』なるものを知らない。バスクの男性が料理好き、料理上手であることも知らない。だから、先生は、バスクの女性から『何か美味しい料理つくてえ~ん』とオネダリされても、その意味が理解できなかったのではありませんか?それで、バスクがお嫌いになり、そのバスクで作られる『Vクラス』もお気に召さないんでしょう」

「理解でけんのは、あんさんの妄想やで」

「ああ、では、あっちの方ですか?」

「なんやまた、どっちの方やねん?」

「ビルバオですよ」

「ああ、ビルバオのことなら、知らんではないで」

「やはりそっちの方でしたか」

先に云うとくけどな、高所恐怖症のことで妙なことを云うんやないで」




(続く)