<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[サインはVクラス?(続き5)]
「それは、先生が、いや、一応、『怪人が』」としておきましょ」
生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義の最中に、『Vクラス』に関連して、ベンツ製マスクというものがあり、『怪人』が付けているマスクがまさにそれである、と云い出していた。しかし、ビエール・トンミー先生は、そのマスクには、『スリーポインテッド・スター』が付いていない、と指摘していた。
「ええ、『怪人』が、弁えているからですよ」
「確かに、あの『怪人』には品の良さを感じるが、何を弁えとるんや?」
「これ見よがしなことはしないんですよ。『怪人』が付けているマスクには、実はちゃんと、『スリーポインテッド・スター』が付いているんです。だって、ベンツ製ですからね」
「え、付いとったかなあ?いや、付いとるんかいな?」
「付いているんです。先生ご自身、いえ、『怪人』自身、気が付かなかったかもしれませんが、マスクの裏側に『スリーポインテッド・スター』が付いているんです。ベンツがそうしたのです。だから、『怪人』はベンツ製のマスクを付けているんです」
「はっ、そうだったのかあ!」
「それが『粋』というものなんです。『田舎者』なら『スリーポインテッド・スター』がマスクの表に付いていないと、ベンツ製のマスクを使わないでしょう」
「おいおい、『田舎者』という表現はまずいのとちゃうか。地方の方、地方出身の方に失礼でやで。あんさんだって、地方出身者やろうに。ま、ワテもそやけどな」
「私が申し上げている『田舎者』は、『山口瞳』的『田舎者』です」
「なんで、ここで直木賞作家の『山口瞳』が出てくんねん?」
「山口さんが仰る『田舎者』地方在住者や地方出身者のことを指しているではありません」
「あんさん、アントニオ猪木のことを『猪木さん』と云い、山口瞳のことを『山口さん』と云い、まるで有名人を知合いみたいに云いよるやないけ」
「ええ、猪木さんとは会釈を交わす仲ですし」
「なんや、その会釈交わす仲ちゅうんは?」
「山口さんとは生前、月に一度はお会いしていましたからね」
「ホンマかいな。ま、ええわ。で、その山口さんが仰る『田舎者』ってなんや」
「例えばですね。先生、『エクシブ箱根離宮』はご存じですよね?」
「ああ、知っとるわいな。リゾートホテルやな。ええホテルや」
「『エクシブ箱根離宮』のエントランスに到着すると、直ぐにホテルの人二人が走ってきてドアを開けて荷物を運んでくれます。そこで、『なんかなんかワテVIPやで』と勘違いする輩がいるんです。そんな輩は、『ワテVIPやで。VIPやで。はよ写真撮らんとアカン、早よ、早よ』と舞い上がって慌てて自分のベンツ『Eクラス』の前に行って、奥さんに写真を撮らせるんですよ」
「な、な、なんやて…なんで、それを…」
「こんな輩は、周りから『この成り上がりのゲス客』と、見られるんですよ。これが、『山口瞳』的『田舎者』です」
「うっ……」
(続く)
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