2021年5月30日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その104]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[サインはVクラス?(続き25)]



「おお、先生!さすがな疑問です」


生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生を持ち上げる。脱線を重ねていたようにも見えたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたようであったものの、すぐに脱線していき、更に、話は今、神戸のメリケン・パークにある巨大な鯉のオブジェである『フィッシュ・ダンス』談義となっていた。


「鯉と云えば『カープ』です。神戸の巨大な鯉のオブジェの『フィッシュ・ダンス』は、広島出身で『カープ』ファンにして、神戸にもルーツを持ち(母親が、神戸出身ですからね)、広島と神戸とのハーフとも云われる私への『フランク・ゲーリー』のオマージュだとお思いですか?」

「しもたあ。また、あんさんの罠に引っかかってもうた。『広島と神戸とのハーフ』なんて聞いたこともないわ。それに、『フランク・ゲーリー』ちゅう奴のことはよう知らんが、その『下痢』はんが、あんさんのことなんか知る訳ないやろ。また、そないな『クダラナイ(下痢ない)』話に持って行くつもりやったんやな」

「おお、先生、またノッてらっしゃいましたね。『フィッシュ・ダンス』が、神戸のメリケン・パークにあるのに、何故、淡水魚の鯉なのかと申しますと、実は、『フィッシュ・ダンス』が『鯉川』の川尻にあるからなのです。『鯉川』は今は、暗渠になっているそうですが」

「それがなんや云うねん。ワテは、『フランク・ゲーリー』にも神戸にも興味あらへん」

「『ユーハイム』はお好きではないのですか?」

「はあ?『ユーハイム』は知っとるが、なんで訊くんや?」

「『ユーハイム』は、神戸の会社ですよ」

「『ユーハイム』が神戸とは知らなんだ。『ユーハイム』とバウムクーヘンとが、どうチャウかよう分らんで。全然チャウかもしらんな」




「ああ、先生…『ユーハイム』は、会社、ブランドの名前で、バウムクーヘンを日本に持込み、有名にした会社ですよ(バウムクーヘンは、本場ドイツよりも日本での方が食べられていると聞きます)。やっぱり『ユーハイム』のバウムクーヘンは美味しいと思います」

「『ユーハイム』がバウムクーヘンなんか、バウムクーヘンが『ユーハイム』なんか知らへんが、そんなんどうでもエエやん。『ユーハイム』は、ベンツとどう関係あんねんな!」

「ああ、『ユーハイム』の創業者のカール・ユーハイムは、ドイツ人ですから、ベンツとはドイツつながりですし、『ユーハイム』は、非売品のベンツのバーククーヘンを作ったこともあるようです。2015年のことだと思います」

「アンタの『デジタル・ハンター』としての怪しげな力は認めたるが、ベンツの『Vクラス』の話が、どうしてバウムクーヘンの話になんねん。アンタ、真面目にワテのベンツの講義聞く気あらへんやろ」

「だって、先生が、『Vクラス』は、『バスク』で作られた『Vito』という商用車が元になっていることにご不満の様子だったので、どうしてお気に召さないのかを探っていったのです。『サインはV』も、『尾藤イサオ』も、『ワイシャツ』、『恥を知る男』、『アベック』、『シミーズ』、『ズロース』、『マスク』、『美食倶楽部』、『ビルバオ』、『フランク・ゲーリー』の何もかもが、先生が『Vクラス』をお気に召さない理由の探求だったのです」

「アンタ、ホンマ暇人やなあ」

「『高等遊民』の先生に云われたくはありません」

「で、結局、アンタのその探求で、ワテが『Vクラス』を気に入らん理由が解ったんかいな?」

「それが解ったら、今頃、私は、『V(ブイ)V(ブイ)』云わせてますよ」

「アンタ、ホンマ、クダランで。ええか、ワテは、そうや、『Vクラス』は最初から今まで全く理解デケン。なんでもない商用バンを豪華にしたクルマやで。『スリーポインテッドスター』のマークがついとらんかったらベンツとさえ思ってもらえんクルマや。なんでコナイナ豪華版商用バンを買ったのか、乗ってる人に訊いてみたいで、ちゅうことなんや」

「だったら、最初からそう云ってくだされば、こんな回り道しなくても良かったのですが」




(続く)




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