2021年5月29日土曜日

【緊急提言】東京オリンピック・パラリンピックを問題なく開催する方法!



「はあ?」


ビエール・トンミー氏は、机の上でiPhone X が鳴動する方に視線を向けた。


「(アイツか、またどうせオゲレツなことやろ。こっちは今、忙しいんや)」


とは思いつつも、ビエール・トンミー氏は、今日買ったばかりの『AirTag』を手にしたまま、iPhone X のロックを解除し、エヴァンジェリスト氏からのiMessageを読んだ。


「君は、オリンピック・パラリンピック開催反対なんだろ?」


『AirTag』には、Appleの他の製品同様、マニュアルがない。そこで、たまたま今月号のMacFanにあった『AirTag』の記事をマニュアルにしていた。iPhoneアプリの『メモ』の『写真をスキャン』機能を使って、その記事をマニュアルにしいていたところであった。




「ああ、オリンピック・パラリンピック開催大反対や。こんな状況でデケル訳ないやろ」

「オリンピックの女子新体操のチケットはどうなっているんだ?」


ビエール・トンミー夫妻は、オリンピックの女子新体操のチケットが当選し、購入していたのだ。


「まだチケット払い戻しせんで持っとるで」

「IOCは、日本が中止と云っても開催だ、と云ってるらしいが、これは、女子新体操を見たい君の差し金なのか?」

「新体操を見たいのは家内の希望や。他にも応募したんやが(馬術とか)、唯一当選したのが新体操なんや」

「君は、新体操のチケットが当った時、奥様の前で、新体操の真似して戯けてみせたんじゃあないんだろうね?」

「アホか。ワテはアンタとチャウ常識人やで」

「おお、君は、本当にボクのこと知っているなあ。おお、ボクは、新体操のチケットが当ったら、直ぐ女房の前で新体操の真似するぞ。どやしつけられるのは判っていてもな」




「勝手にせえな。もうええか?ワテ、今、忙しいねん」

「オリンピック・パラリンピックを無事、開催させる方法を考えついたんだ」

「はああ?君は、オリンピック開催賛成なのか?」

「いや、元々、オリンピックには興味はない。君もそうだろうが、1964年に『東京オリンピック』は経験しているしな」

「まあ、確かに、日本がこれから高度成長期に入ろうとする頃の、そう、ボクたちが小学4年の時の『東京オリンピック』の方が、ずっとインパクトがあったものな」

「君は、オリンピックが開催されたら、女子新体操は観に行くのか?」

「ああ、この状況での開催は大大大反対やが、…とはいえ.せっかく開催されたら、コレは観に行きたいわなあ。せやからチケットまだ持っとんねん」

「ああ、そだろう。だから、そんな君の為に、オリンピック・パラリンピックを無事、開催させる方法を考えたんだ」

「そんな方法、あんのかいな」

「ああ、あるとも。『無観客試合』かも、とも云われているが、そうではなくて、『無選手・無観客・無関係者試合』にしたらいいではないか。どうかね?」

「おお、アンタ天才や。『無選手試合』なんて常人では思い浮かばんで」

「なかなかのアイデアだろ?」

「ああ、ただの下劣漢とチャウな」

「おお、それは、まずい。オゲレツ漢としては、これもなんとかオゲレツ話に持っって行かないとなあ。でも、たまには、寸止めにしておこうか」

「ああ、止めとき」

「IOC、日本のオリンピック・パラリンピックの組織委員会は、ちゃんと試合スケジュールは組まないといけない。世界のテレビ局も、ちゃんと放送スケジュールを組まないといけない。で、そのスケジュールに沿って、選手も、観客も、関係者も、試合を妄想するんだ。テレビもちゃんと瞑想というか妄想用の音楽とイメージ映像を流さないといけない。で、試合は、個々の頭の中で行われるので、結果も色々と存在することになる。同じ試合の結果が、幾つもあるのは、画期的だろ?」

「アンタの得意な妄想やな」

「海外の選手は、日本に来ないんだ。だけど、選手村で生活することも妄想しないといけない。ほら、段々、オゲレツ・モードに入りそうだ」

「そこまでやで」

「選手村に、酒持ち込みオッケーらしいし、選手たちには、アレも配られるらしい」

「止めえな」

「だけど、ソレするのも妄想で…」

「ああもうええ、そこまでや。妄想は、アンタ一人でしときいな」


と、ビエール・トンミー氏は、iMessageアプリを終了させた。




(おしまい)



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