<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[サインはVクラス?(続き15)]
「ワテが『SNCF』で、大学のフランス語経済学の『優』を取ったんは確かやが、そのワテでも何が理解できひんかった云うんや?」
ビエール・トンミー先生は、生徒エヴァンジェリスト氏の言の意味をはかりかね、エヴァンジェリスト氏に問い質した。『恥を知る男』談義、『ワイシャツ』談義、『アベック』談義、『シミーズ』談義、『ズロース』談義と脱線していっていたビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義は、ようやく『Vクラス』の元になっている商用車『Vito』が、スペインの『バスク地方』の州都の『Vitoria-Gasteiz』(ビトリア=ガステイス)で作られたものという、本来の講義に戻っていたが、先生が『Vクラス』を好きでない理由に関して、エヴァンジェリスト氏は、先生がバスクの女性との『ふか~い』お付合いがあったことに触れてきていたのである。
「言葉です。バスク語です」
「バスク語がどうや云うんや?」
「バスク語は、世界一難しい言語と云われています」
「そうなんかいな」
「またお惚けを。ご存じのくせに。バスク語は、他のヨーロッパの言語とは全く違っており、語順を見ると、むしろ日本語に似ているそうです。でも、勿論、日本語とも全く違います」
「やから何や、ちゅうねん?」
「『ふか~い』お付合いのあったバスクの女性とは、普段は、先生は、スペイン語かフランス語、或いは英語で会話をされていたのでしょう」
「え?ワテ、スペイン語もできたんかいな?」
「しかし、そのバスクの女性は、『興奮の極み』に達すると、バスク語で叫だのでしょう。しかし、先生には、女性が何と云っているのか理解できなかったのでしょう。バスク語は、その習得をさせられることが刑罰になっていたとさえ云われる程に難解なようですからね」
「あんさんの妄想もそこまでいくと、小松政夫やないけど、『表彰状!』もんやで。やけどな、『興奮の極み』いうんが何か知らんが、ソン時は言葉なんかもうのうでもエエんちゃうか」
「問題は、言葉だけではなかったんです」
「今度は何や?」
「料理です。先生は、料理されますか?」
「は?料理は全然駄目や。ワテが料理するとしたら『実験室料理』やな。
「『実験室料理』?」
「ああ、『実験室料理』ちゅうのは、何でも料理のレシピ通り厳格にやる料理や。レシピに塩5gと書いてあったらキッチリ5g測って入れる。塩ひとつまみ、なんて表現ではアカン。鍋が泡立ったらは駄目。何分何秒でないとアカン。料理ちゅうのは、この『ひとつまみ』とか『ひとカケラ』とか「少々」なんて表現が多いやろ。これでは絶対料理デケンのが『実験室料理』や。せやから、ワテ、料理は全然アカンで」
「でしょう。だから、『ふか~い』お付合いのあったバスクの女性から、『何か美味しい料理つくてえ~ん』とオネダリされた時、先生は、『デケン』とお断りになった」
「アンタ、見てきたようなこと云うなあ。『何か美味しい料理つくてえ~ん』とオネダリなんかされてひんけど、普通は、男の方が女に『何か美味いもん作って食わしてんかあ』云うんとちゃうんか」
「先生、相手は、バスクの女性ですよ」
「だから、何やちゅうねん」
(続く)
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