<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[サインはVクラス?(続き11)]
「おお、おお、『シミーズ』、『ズロース』ですかあ!いい響きです!」
生徒エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生の口から(本当はiMessageから)出た『シミーズ』、『ズロース』という懐かしい言葉に反応した。ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『Vクラス』に関する講義の最中であったが、何故か、『恥を知る男』談義から、『ワイシャツ』談義、『アベック』談義へ、そして今度は、『シミーズ』、『ズロース』談義となってきていた。
「しもうたあ!『シミーズ』とか云うと、オゲレツなアンタは喰いついてきよるわなあ」
「オゲレツではありませんよ、先生。『アベック』もそうでしたが、『シミーズ』、『ズロース』も、極めて日本的な感じが、却って好ましく感じるんです」
「は?どないな意味やねん?ただ古臭い感じしかないんやないか」
「『SNCF』の大家のアンタじゃけえ、知っとるじゃろうが、『アベック』(avec)は、英語なら『with』で、前置詞ですから、完全な和製フランス語です」
「おお、おお、アンタ、ワテはフランス語経済学(優)取得者やで。『avec』は知っとるが、文法の様な些細な事は超越しとるんやで」
「そりゃそうですよねえ。フランス人もフランス語の文法のことなんか、普段、気にしてませんからね」
「おお、そやで。よう分っとるやんか」
「先生は、さすがです。フランソワーズさんと『ふか~い』付合いがあっただけのことはありますね」
「また、その『ふか~い』付合いかいなあ。ワンパターンやで」
「フランソワーズさんが、『シミーズ』を脱ぐところを幾度もご覧になったんでしょ?」
「な、何、云い出すねん」
「あ、失礼しました。『シュミーズ』でしたね」
「は?」
「またまだ態とお惚けなんですね。ええ、『シミーズ』は、元々、フランス語で、そう『chemise』(シュミーズ)ですからね。『シミーズ』は、『simulation』が、本来、『シミュレーション』なのに『シュミレーション』と云われるようになったのと同じで、日本的誤謬というか日本的訛りですものね。だから、『シミーズ』の方が、とても日本的でいい感じです」
「おお、分っとるやんけ」
「更に申せば、『シミーズ』は、『chemise』(シュミーズ)ですから、決して今で云う『スリップ』のことではなく、『シャツ」のことですものね。『スリップ』のことを云うなら、やはり『シミーズ』ですね」
「え?せやったんか….いや、せや、せや」
「『ズロース』もいいですね」
「せやで。『ズロース』もホンマもんのフランス語では、ちと違うとるさかいにな」
「おお、先生!どこまでも『恥を知る男』でいらっしゃる」
(続く)
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