「ええ、『ザ・ペニンシュラ香港』の傘袋は、あの人に、想い出の密会の宿『ザ・ペニンシュラ香港』での『ソノ時』のことを想起させたんですよ!」
と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、ビエール・トンミー氏が高速道路で『走りション』をした時、つまり、ベンツを走らせながら、『ザ・ペニンシュラ香港』の傘袋にオシッコをした時のビエール・トンミー氏の『状態』について、想像を逞しくしたiMessageをエヴァンジェリスト氏に送ってきたのであった。
「え?『ソノ時』って?」
「『中に突っ込んだ』のでしょ?ふふ」
「ああ、『中に突っ込んだ』そうだ….え!あきさみよー!『ソノ時』って、『ソノ時』のことなのか?ま、まさか、アグネスと」
「やはりアグネスと香港で密会したのですね?」
「いや、そうじゃないのか?君がそう云ったんじゃないか」
「他人のせいにするのは、男らしくありませんぞ。私は、『あの方はお忍びでアグネス・チャンに会いに香港にいらしたのですね』と申し上げた、というかお訊きしただけですよ」
「君は狡猾な奴だなあ。まあ、そのくらいでないと、アイツの特派員は務まらんだろう。実際のところ、アイツは、『ザ・ペニンシュラ香港』の傘袋のことを語った時、『傘入れの無料のビニール袋かて、そんぞじょそこらの安物の袋とチャウで。思わずお土産に持ち帰ってしまうくらい上等のビニール袋やったんやで。ビニール袋で王宮貴族の気分や』と、ご満悦ではあったが、アグネスの『ア』の字も口にはしていなかったらしいんだが…」
「で、問題は、要するに、『ペニンシュラ方式』で車中に少しこぼしたりすることはなかったか、ということなんですが」
「『何しろ上等のビニール袋やから丈夫やし、コトを済ませて、口を結べば、漏れることはあらへんかった』、とアイツは誇らしげであった、と噂には聞いた」
「ああ、そうして、持ち帰って、自宅のトイレで流したのですね?」
「いや、そうではなかったらしい」
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿