「アイツ、って?あの方ですか?」
と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、エヴァンジェリスト氏へのiMessageで、自らが口をあんぐりしている様子を見せた。
「あの方は、イスラムだったのですか?」
「君が教えてくれたんじゃないか」
「え、私が?」
「イスラムの作法を教えてくれたじゃないか、『大』の後の」
「へひっ?あの方は、駐車場で『野糞』をした後、シャワーでお尻を流したのですか?」
「それは、ワシだろ。駐車場で『野糞』はしてないが」
「アナタ、やはり『エンバシー スイーツ バイ ヒルトン ワイキキ ビーチウォーク』のバスタブでお尻を流したのですね。そして、あの方も、シャワーでお尻を洗ったのですね!?」
「君は、アホか。駐車場に普通、シャワーなんかあるもんか」
「ああ、ホースだったんですね。ホースの水でお尻を洗ったんですね。ホースだって、水道だって、ウチの駐車場にもありますからね」
「一般の民家の駐車場じゃないんだ。時間貸しの駐車場だ。そんなところに、都合よく水道とホースとがある訳ないだろう」
「でも、まさか『野糞』の後、お尻を拭かずに、そのまま帰宅する訳ないでしょうし」
「何故、そうする訳ない、となるんだ」
「え…え、え、ええー!?まさかやあ」
「まさかやあ、じゃあないだろう。君じゃないか、イスラムでは、ケツを拭かず、そのままパンツ、スボンを履く、と云ったのは」
「いえ、ですから、それは、あくまでネットでそう書いてあるのを見たような気がするだけですし、それも、仮に窮したとしても、コーランでケツを拭いたりはしない、ということだったのだと思います」
「見苦しいぞ、今更。男なら、一旦、自分が口にしたことを引っ込めるんじゃない!」
「『男なら』って、今時、『セクハラ』になっちゃいますよ。でも、いえ、今、問題は、そんなことじゃありませんよ」
(続く)
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