「要するに、『プロの旅人』氏に酷似した風貌を持つ、名ばかりの世捨て人の『雅号』が、『運沈入穴』だから…で」
と、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、なかなか核心に触れてこないエヴァンジェリスト氏に対して苛立ちながらも、慎重にiMessageを送った。
「あの方の世捨て人としての『雅号』は、何なんですか?アナタは、あの方に対して、どんな『雅号』を用意しているのですか?」
「おお、聞きたいか?」
「聞きたくはありません。でも、聞かない訳にもいかないでしょう、ここまで来たら、聞かないと気持ち悪いし、まあ、でも、聞いたら聞いたで気持ち悪くなることも目に見えてはいますけれど」
「なんか、グダグダと面倒臭い奴だなあ。だが、まあ、聞かせてやろう。君は、アイツのことを『トイレでせず、出先の駐車場でシタということだけで、甲冑を着たまま戦場でシタ戦国時代の武将並みだ』と云ったな」
「ええ、申しましたが」
「それは言い換えれば、『ゴーケツ』ということだろう?」
「まあ、『豪傑』と云って差し支えないでしょう」
「だろう。そこでだ、名付けて『運沈豪穴』だ!」
「うげっ!」
(続く)
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