【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪！［その15］

 

「いや、『中に突っ込んだ』んだ」

というエヴァンジェリスト氏からのiMessgeは、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員に大きな刺激を与えるものであった。

エヴァンジェリスト氏は、高速道路でオシッコを我慢できなくなったビエール・トンミー氏が、クルマ（ベンツの『Eクラス』である）を走らせながら、香港の高級ホテルの『ペニンシュラ』から持ってきたビニールの傘袋の中にオシッコをしたという噂があると云い、特派員は、『ペニンシュラ方式』というそのオシッコの仕方ができるのは、凄いテクニックだとは思うものの、車中に少しこぼしたのではないか、と訊いたところ、エヴァンジェリスト氏から、想像もしなかった言葉が返ってきたのだ。

「へ！？『中に突っ込んだ』！？？」

「『ペニンシュラ方式』は、使うのは傘入れだから、『中に突っ込む』と漏れないらしい」

「はあ～、『中に突っ込む』ですかあ？！それって、デージー『カイカ～ン』なんでしょうねえ」

「は？何が、快感なんだ？まあ、オシッコは、特に我慢に我慢を重ねた末のオシッコは、確かに一種の強い快感をもたらしはするがな」

「ふん！そんな安っぽい快感ではありませんよ、もっとふか～い『カイカ～ン』だったんですよ。何しろ、香港で入手したものの『中に突っ込んだ』ですからね、ふふ」

「傘袋の『中に突っ込んだ』のが、どこが『カイカ～ン』なんだ？確かに、『ザ・ペニンシュラ香港』の傘袋だから、その辺のスーパーのものとは違って高級で、その高級なものにオシッコを入れるという行為には、一種の背徳感があって、『カイカ～ン』に通じるものかもしれんが」

「奥様を裏切るという背徳感もあったでしょうし、何しろ、『中に突っ込んだ』のが、想い出の密会の宿『ザ・ペニンシュラ香港』の傘袋だったんですから….」

（続く）