2022年7月26日火曜日

【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その40]

 


「え?詰まりはしなかった?」


というiMessageをエヴァンジェリスト氏に送りながら、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、小首を傾げた。


「何が、詰まりはしなかったのですか?」

「まだまだ修行が必要なようだな。その質問は、不十分だぞ」

「あ!『詰まりはしなかった』のではなく、『詰まった』のですね。『緩かったのなら、詰まりはしなかっただろうから』ということは、そう、『緩くはなかったから、詰まった』ということですものね!」

「自慢げだなあ。まあ、その解釈は間違ってはいないが、根本的な点が抜けているぞ。どこに詰まったのか。ということだ」

「ああ、洗濯の時のことでしたね。そうかあ、洗濯機に詰まらせてしまったんですね!」




「いやあ、それはないだろう。洗濯機の構造はよく知らんが、洗濯機に詰まるような箇所はあるのか?それ以前に、さすがのアイツも、その後も、自分の下着や服、奥様の下着や服やタオルやらを洗う洗濯機にアレのついたジーンズを入れはしないだろう」

「え?じゃあ、手洗いをされたのですか、あの方は?」

「ああ、そのようだ。奥様がいないことを幸いに、帰宅してそのまま風呂場に直行し、パンツとジーンズを手洗いしたらしい」

「ということは、詰まったのは、風呂場の排水口ですかあ?」

「卓球!」

「は?」

「いや、ピンポン、ピンポン、ピンポーン!」

「風呂場の排水口に詰まるなんて、あの方がお出しになった『身』は一体…」



(続く)




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