「え?詰まりはしなかった?」
というiMessageをエヴァンジェリスト氏に送りながら、ビエール・トンミー氏を取材対象とする特派員は、小首を傾げた。
「何が、詰まりはしなかったのですか?」
「まだまだ修行が必要なようだな。その質問は、不十分だぞ」
「あ!『詰まりはしなかった』のではなく、『詰まった』のですね。『緩かったのなら、詰まりはしなかっただろうから』ということは、そう、『緩くはなかったから、詰まった』ということですものね!」
「自慢げだなあ。まあ、その解釈は間違ってはいないが、根本的な点が抜けているぞ。どこに詰まったのか。ということだ」
「ああ、洗濯の時のことでしたね。そうかあ、洗濯機に詰まらせてしまったんですね!」
「いやあ、それはないだろう。洗濯機の構造はよく知らんが、洗濯機に詰まるような箇所はあるのか?それ以前に、さすがのアイツも、その後も、自分の下着や服、奥様の下着や服やタオルやらを洗う洗濯機にアレのついたジーンズを入れはしないだろう」
「え?じゃあ、手洗いをされたのですか、あの方は?」
「ああ、そのようだ。奥様がいないことを幸いに、帰宅してそのまま風呂場に直行し、パンツとジーンズを手洗いしたらしい」
「ということは、詰まったのは、風呂場の排水口ですかあ?」
「卓球!」
「は?」
「いや、ピンポン、ピンポン、ピンポーン!」
「風呂場の排水口に詰まるなんて、あの方がお出しになった『身』は一体…」
(続く)
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