「(だけど、『鎌倉殿の13人』では、登場人物は、普通に現代語というか標準語で喋っていたし、『ズラ』なんて方言は使っていなかったなあ。まあ、『北条義時』なんかが、『ズラ』って云っていたら妙だ)」
と、ビエール・トンミー氏が、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での言葉遣いを振り返っていたら、友人のエヴァンジェリスト氏がまた、『ズラ』なiMessageを送ってきた。
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「そりゃ、『冨士眞奈美』ズラ」
「はああ?『冨士眞奈美』?誰や、それ?」
「有名な女優じゃないねえズラ」
「ああ、なんか聞いたことあるよな、ないよな名前やな。アンサンから聞いたんかもしれへん。でも、ワテ、ゲーノー界のことよう知らん、云うてるやろ。で、その『冨士眞奈美』で、なんで伊豆の方言になんねん?」
「『冨士眞奈美』いうたら、牛乳瓶の底みたいな眼鏡をした『正子』で、『この旅館はおみゃーっちのもんじゃにゃーズラ!』とか云うとったズラ」
「『冨士眞奈美』か『正子』か知らへんが、なんで、伊豆の方言になんねや?」
「そりゃ、アンタが、『三千代』さんのことを持ち出してきたけえズラ」
「おお、そこも、分からへんで。『三千代』さん、云うて、アンサン、『三千代』はんの知りあいやとでも云うんかいな?」
「会うたことはないけど、『三千代』さんのことは、そりゃ、知っとるズラ」
「ええか、『三千代』はんは、西暦700年前後の人やで。普通は、歴史の授業なんかでも出てくる人でもあらへん。やのに、アンサン、『三千代』はんのこと、知ってたんか?」
「何、云うとるん?『冨士眞奈美』の『正子』が、『おみゃーの自由にゃさせねぇーズラ』とか云うていびった『細うで繁盛記』の『加代』こと『新珠三千代』さんは、2001年まで生きとってじゃったズラ」
「『何、云うとるん?』は、アンサンの方や。『新珠三千代』は、ワテかて知らんではあらへんが、『元明天皇』はんに仕えとったあ、思うんか?」
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「(アイツ、こちらの話から、なんでも自分の関心のあることに無理矢理持っていくんだ。まあ、それも一種の才能かもしれない)」
と、ビエール・トンミー氏は、呆れるのを通り越して、友人のエヴァンジェリスト氏の大ボケに感心してしまった。
(続く)