2023年4月30日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その108)

 


「(だけど、『鎌倉殿の13人』では、登場人物は、普通に現代語というか標準語で喋っていたし、『ズラ』なんて方言は使っていなかったなあ。まあ、『北条義時』なんかが、『ズラ』って云っていたら妙だ)」


と、ビエール・トンミー氏が、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での言葉遣いを振り返っていたら、友人のエヴァンジェリスト氏がまた、『ズラ』なiMessageを送ってきた。



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「そりゃ、『冨士眞奈美』ズラ」

「はああ?『冨士眞奈美』?誰や、それ?」

「有名な女優じゃないねえズラ」

「ああ、なんか聞いたことあるよな、ないよな名前やな。アンサンから聞いたんかもしれへん。でも、ワテ、ゲーノー界のことよう知らん、云うてるやろ。で、その『冨士眞奈美』で、なんで伊豆の方言になんねん?」

「『冨士眞奈美』いうたら、牛乳瓶の底みたいな眼鏡をした『正子』で、『この旅館はおみゃーっちのもんじゃにゃーズラ!』とか云うとったズラ」




「『冨士眞奈美』か『正子』か知らへんが、なんで、伊豆の方言になんねや?」

「そりゃ、アンタが、『三千代』さんのことを持ち出してきたけえズラ」

「おお、そこも、分からへんで。『三千代』さん、云うて、アンサン、『三千代』はんの知りあいやとでも云うんかいな?」

「会うたことはないけど、『三千代』さんのことは、そりゃ、知っとるズラ」

「ええか、『三千代』はんは、西暦700年前後の人やで。普通は、歴史の授業なんかでも出てくる人でもあらへん。やのに、アンサン、『三千代』はんのこと、知ってたんか?」

「何、云うとるん?『冨士眞奈美』の『正子』が、『おみゃーの自由にゃさせねぇーズラ』とか云うていびった『細うで繁盛記』の『加代』こと『新珠三千代』さんは、2001年まで生きとってじゃったズラ」

「『何、云うとるん?』は、アンサンの方や。『新珠三千代』は、ワテかて知らんではあらへんが、『元明天皇』はんに仕えとったあ、思うんか?」


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「(アイツ、こちらの話から、なんでも自分の関心のあることに無理矢理持っていくんだ。まあ、それも一種の才能かもしれない)」


と、ビエール・トンミー氏は、呆れるのを通り越して、友人のエヴァンジェリスト氏の大ボケに感心してしまった。


(続く)






2023年4月29日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その107)

 


「(どうせ、今度は、アンタも『ズラ』をつけているんじゃないか、と反撃してくるつもりだろ)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人エヴァンジェリスト氏の失礼な言動を予想したものの、その予想は失礼なまでに裏切られるのであった。



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「アンタも、頭髪がワシと同じで薄うなっとるけど、『ズラ』はつけとらんズラ」

「そやさかい、『ズラ』のことを云うてんのとちゃうねん!」

「何、云うとるん!?アンタあ、さっき、『そのとってつけたような「ズラ」いうんは?』云うたじゃないねえ」

「せや。ワテが云うたんは、『そのとってつけたような「ズラ」いうんは?』や」

「ほうじゃろうズラ」

「やけどや、アンサンは、その『ズラ』から鬘(かつら)の話にずらしてきたんや」

「じゃけえ、ワシ、『ズラ」はつけとらんけえ、つけとらんもんをズラすも何もないズラ」

「あんな、鬘(かつら)を略すんなら『ヅラ』やで」

「おお、アンタともあろうもんがズラ!」

「ええか、鬘は、『かつら』で、古くは『かづら』やさかい、略すんなら『ヅラ』や」

「確かにのう、本来は、『ヅラ』じゃろうけど、現代仮名遣いじゃあ、『ズラ』になるズラ。能の鬘も、『かずら』云うらしいズラ」

「そこんとこは、文学修士はんに言われるとのお。せやけど、ワテは、『鬘(かつら)』のことを云うてへんのや。今も、アンサンが語尾に付けた『ズラ』は、鬘のことやないやろ。やから、それは、なんや、云うてんのや」

「そりゃ、伊豆地方なんかの方言ズラ」

「伊豆はエエとこやけど、なんで伊豆の方言を使うんや?」


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「(伊豆といえば、『鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館』だ。もう閉館したはずだが…)」


と、ビエール・トンミー氏は、前年(2022年)の10月9日に妻と行った『大河ドラマ館』を、大好きであった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』と共に、懐かしく思い出した。




(続く)






2023年4月28日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その106)

 


「(話を茶化して、どんどん関係ない方向に持って行ったのはアイツの方ななのに、そのアイツに、話を遡ってみせられるなんて!)」


と思うビエール・トンミー氏の頭の中に、川を遡上する魚となった友人のエヴァンジェリスト氏が不敵な笑みを自分の方に向けている姿が浮かんだ時に届いたその不敵な笑みの主からの次のiMessageで、ようやくビエール・トンミー氏は、自らの志向の原点に戻れることになるのであった。



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「アンタ、なんで、和菓子の元祖が、『橘』じゃあ、云うてきたん?」

「あ、そうや!そうなんや!『橘』いう『氏』は、女帝から女官に賜下されたもんなんや」

「女の子同士で、お菓子のやり取りしたんじゃね」

「またそうやって同じこと云うて、話を混ぜ返そうとしても、そうはいかへんで。ええか、『元明天皇』はんいうオナゴの天皇と、『三千代』ちゅう、ようできた女官がおったんや。『三千代』はんは、美人で頭もええ女官やったさかい、『元明天皇』は、『三千代』はんに『橘』の『氏』を賜下したんや」

「ああ、『三千代』さんは、美人でようできた人じゃったズラ」

「なんや、そのとってつけたような『ズラ』いうんは?」

「なんねえ!なんぼ友だちじゃあ云うても、失礼じゃないねえ!」

「なんが失礼なんや?」

「ワシ、確かに頭髪は薄うなっとるが、『ズラ』はつけとらんズラ」

「せやさかい、なんや、そのとってつけたような『ズラ』いうんは?」

「じゃけえ、ワシ、『ズラ』はつけとらんズラ」





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「(ああ、アイツ、またボケをかましてきたな。ホント、疲れる奴だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、鼻から溜息を漏らした。


(続く)






2023年4月27日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その105)

 


「(だが、ボクの『アレ』は確かに…)」


と、ビエール・トンミー氏が、自らの股間に視線を落とした時、それを見透かしたかのようないMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から届いた。



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「ありゃりゃ?アンタの『アレ』、『巨砲』じゃないん?」

「個人の個別の事項については、言及を控えさせて頂きます」

「ああ、そうかあ。そうじゃったんじゃね」

「な、なんや?何が、そうやった、云うねん?」

「個別の事案については、言及を控えさせて頂きます」

「そこは、控えんでええ。遠慮のう、云うたれ」

「ほいじゃったら、云うたるけえ。そう、嘗ては、大いなる威力を持った『巨砲』も今や、爆発力を持たん『虚砲』なんじゃないんかのお?」

「な、な、な、なんや。ま、ま、また言葉遊びかいな。もうくだらんオゲレツは止めれ。他人の話を茶菓すんやないで」

「茶菓?ワシ、アンタの話を『お茶の共』にはしとらんで」




「ただの変換ミスやないか、けど、せやった。お菓子のこと、話してたんや。『橘』は、『果物』やけど和菓子の元祖、いうことなんや」

「それがどしたん?」

「え?」

「古代の『菓子』は、今の『菓子』のように加工しとるもんじゃのうて、自然に存在する『木の実』やら『果物』やったけえじゃろ」

「おお、せやで。よう分っとるやないか」

「で、それがどしたん?」

「え?」

「要するに、『お菓子』いうても、昔の『お菓子』と今の『お菓子』とは違うて、要するに言葉の定義の問題じゃあ、いうことなんじゃろ?」

「お、お、そや、そん通りや」

「ワシとフランス人とで『Vacation』いう言葉の定義が違うとったいうことで、ワシが『Vacationの問題』云うたんと同じようなことなっじゃろ?」

「ま、ま、全くそん通りや」

「で、それがどしたん?」

「え?」


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「(ち、ち、畜生!どうして、ボクがアイツに問い詰められないといけないんだ!)」


と、ビエール・トンミー氏は、屈辱感から、膝の上に置いた自らの両の拳を強く握りしめた。


(続く)






2023年4月26日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その104)

 


「(でも、アイツ、ようやく、話を戻してきたのに、また、まさに『チャカ』してきやがった)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏に、今更ながらに呆れていると、更に呆れさせるiMessageが送られてきた。



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「そりゃ、アンタあ、立派な『チャカ』を持っとるんじゃろうけどのお」

「オゲレツはやめれ、云うとるやろ」

「あ、すまん、すまん。ワシ、間違うとったのお」

「お、ようよう分ったんやな」

「そうよね。ワシ、アンタの友だちじゃけど、『アレ』は直接見たことないけえね」

「『アレ』?」

「『オオヅツ』よおね。『オオヅツ』いうても、相撲取りじゃあないけえね」

「ワテ、相撲にも興味あらへんさかい、『オオヅツ』ちゅうお相撲さんも知らへんがな」

「『お相撲さん』云うん、止めてえや。気持ち悪いけえ」

「は?何が、気持ち悪いねん?」

「アンタ、野球選手のことを『お野球さん』云うん?」

「云わんな」

「プロレスラーのことを『おプロレスさん』云う?」

「そりゃ、云わんし、プロレスのこと自体、云うことあらへん」

「じゃろ。じゃけえ、『相撲取り』のことは、『お相撲さん』と云わんでえや」

「そないなん、どうでもエエやろ。アンサン、どうでもエエこと云いよって、また、オゲレツなこと隠そうとしてるんやろ。『オオヅツ』いうんは、どうせ、『巨砲』とでも書くんやろが、『巨砲』ちゅう、『お相撲さん』でもおるんかいな?」

「じゃけえ、『お相撲さん』は止めてえや。それに、『巨砲』いう『相撲取り』はおらんけえ」

「ほな、『巨砲』やのうて違う漢字なんか?『大筒』か?どっちにしても、アンタ好みなオゲレツな感じ(漢字)やがな」

「いやの、『巨砲』いう『相撲取り』は、今はおらんが、昔、おったんよ。大関になるかも、いう時もあったんじゃが、結局、関脇止まりじゃったんじゃけど」

「アンサン、相変らず、言葉尻捕まえて屁理屈云いよるなあ。要するに、ワテの『アレ』のことを『巨砲』やと云いたんやろ。止めれ、そないなオゲレツは」




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「(ようやく話が、『果物』が『お菓子』だったことに戻ったと思ったのに、アイツめ、また…)」


と、ビエール・トンミー氏は、虚空に浮かぶ友人エヴァンジェリスト氏の像を睨みつけた。


(続く)






2023年4月25日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その103)

 


「(若い頃は、ボクも仕事でかなり無理して、深夜残業も随分、したもんだ。でも、そんな中でも、家内との『コト』は疎かにせず、頑張れたものだった…)」


と、何故か、ビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏が『急性肝炎』で疑われた『遊び』のことから、妻との『コト』を思い出し、誰に心中を見られている訳でもないのに、独り赤面したが、さすがのエヴァンジェリスト氏もビエール・トンミー氏のその赤面には気付かず、『休暇』に関するiMessageを続けてきた。



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「ようは、ワシ、その『サイトメガロ』の肝炎で1ヶ月、自宅療養することになって、『長期傷病休暇』をとるかあ、いう話に会社の上司となったんよ」

「ああ、とりゃあエエやないか。まさに、そないな時の為の休暇やないか」

「でものお、上司が、会社の制度をよう調べたら、『長期傷病休暇』をとるにゃあ、その前に『有給休暇』を全部消化してからじゃないととれんことが判ったんよ」

「ああ、そうなんかいな。ワテの会社は、どやったんやろ?」

「ワシ、『有給休暇』は毎年毎年、20日繰越しとって、の頃がまだようけえあって、結局、『有給休暇』で自宅療養は済んだけえ、『長期傷病休暇』は使わんかったんよ」

「そりゃ、よかったやんか」

「アンタあ、何云うとるん!ワシは、要するに、『サイトメガロ』肝炎で1ヶ月、『有給休暇』をとったんよ」

「ああ、そういうことやな」

「一緒に団体作ったフランス企業のフランス本国の連中は、ようも知らんで、『届』だけ見て、ワシが、『Vacation』をようとる奴だと思うたんよ」

「そりゃ、大いなる誤解やな。二階でも三階でも四階でもあらへん、全くの『ゴカイ』やな」

「アンタあ!ワシ、怒るで。ワシが肝炎でようけえ苦しんだあ、いうのに!」

「おお、すまへなんだ。要するに、『Vacation』の取り違えやな」

「そうなんよ。これが、『Vacation』の問題なんよ」

「『Vacation』の問題?なんや、それ?」

「何、云うとるん!?『Vacation』の問題を持ち出してきたんは、アンタじゃないねえ!」

「ワテ、『Vacation』の問題なんか云うたか?」

「『Vacation』の問題という言葉は云わんかったけど、『果物』が『お菓子』じゃあ、云うてきたんじゃないねえ」

「おお、せや、せや!昔は、『果物』が『お菓子』やったんや。ワテ、その説明しとったんや。なのに、アンタがまた茶化して、話を変な方向に持っていったんや」

「ワシ、『チャカ』なんか、持ってとらんで」




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「(ホント、アイツと話していると疲れる。自分が何を話していたか、分らなくなってしまう。折角、為になる話をしてやろうとしているのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に翻弄される自分に、まさに忸怩たる思いを抱いた。


(続く)






2023年4月24日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その102)

 


(まあ、会社から云われなくても、家内との旅行を大事にしていたから、『有給休暇』はちゃんと消化していたんだが…ああ)」


と、ビエール・トンミー氏が、まだ若い頃、夏休み等で、妻と国内外の旅行に出掛け、旅先のホテルでも『奮闘』していた頃のことを思い出していると、友人のエヴァンジェリスト氏から不満をぶつけるiMessageが送られてきた。



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「じゃってのお。会社の云う通り、年度途中で『有給休暇』を消化しとったってよお、年度末近うなって、病気になったら、どうするん!?」

「そりゃ、困るわななあ」

「『長期傷病休暇』いう、フランスの休暇制度に近いようにも見える制度もあったんよ。病気や怪我で長い間、仕事に出られんようになっても、給料が出て休める制度よ」

「ああ、ワテの勤めてた会社にも、そないな休暇あったように思うで」

「ワシ、まさにフランスの企業と団体作った時に、その『長期傷病休暇』をとるかあ、いう話も出たんよ。その団体でビジネス・プランをワシと『Jean-François』とで、徹夜なんかしながら、書き上げようとしとった時、ワシ、高熱が続いて、体が滅茶苦茶だるううて、食欲も全くのうなってのお、でも、ワシ、頑張って、『Jean-François』とビジネス・プランを完成させたと同時に倒れこんで、大きい病院で検査してもろうたら、『急性肝炎』じゃけえ、即入院するか、自宅療養して、とにかく安静にせんといけんよ、と医者に云われて、ワシ、1ヶ月くらい自宅療養したんよ」

「アンサン、そないなことあったんやな。それ、ワテもアンサンも働き盛りで、殆ど会うとらへんかんった時期やろ。アンサンの肝炎は、『B型』やったんか?それやったら、申請すりゃ、国からr給付金がもらえたんやないか?」

「アンタ、やっぱし『詐欺師』じゃねえ。ワシ、嘘の肝炎で給付金もらうようなことはせんよおね」




「嘘つけ、云うとらへんで。ある期間に集団予防接種て、同じ注射針で接種されとって、それで『B型肝炎』になったら、給付金もらえるんやなかったかのお」

「でも、ワシ、『B型肝炎』じゃなかたっけえ」

「ほな、『C型肝炎』やったんか?」

「『非ABC肝炎』で、『サイトメガロ』ウイルスによる肝炎じゃったんよ」

「ああ?なんか、どっかで聞いたことあるような気がするで。なんかロボットみたいな名前のウイルスやないか」



(参照:うつり病に導かれ[その3]



「ビジネス・プランを書くんで、無理したんがいけんかったみたいなんよ」

「アンサン、その頃から『仕事依存症』やったんやな。オゲレツやけど、仕事は真面目にする男やさかいな」

「それなのに、医者いうたら、ひどかったんよ。ワシに、『海外に行って、遊んだことはないかあ』いうて訊いてきたんよ」

「ああ、あっちの『遊び』やな」

「ワシ、アンタと違うて、女房一筋じゃけえ、『先生、そうようなことはせんけえ』と云うたったんよ」


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「(どうも、よく分らないが、アイツ、あんなにオゲレツなのに、どうして仕事は真面目なんだろう?)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の二面性に今更ながら、首を捻った。


(続く)






2023年4月23日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その101)

 


「(だけど、屈辱だ。いつもクダランことばかり云うアイツに、こっちのクダラナさを指摘されるなんて。でも、アイツ、態と『congés payés』(コンジェ・ペイエ)なんてこっちが分らない言葉を持ち出して、混乱させようとしたんだ!)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏の罠にまんまとかかってしまったことに忸怩たる思いを抱いていると、そのエヴァンジェリスト氏から、更に侮辱するようなiMessageが届いた。



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「問題は、『Vacation』のことなんじゃけえ、ちゃんと聞きんさいや。ええね。フランスでは、病気では『有給休暇』をとらんのよ」

「ほな、病気になったら、どないすんのや?」

「そりゃ、熱が高うたり、体がきつかったりしたら、会社を休むんよおね」

「『有給休暇』をとらんで休むんは、欠勤で『無給休暇』になるんか?」

「フランスじゃと、病気で休むんを『有給休暇』に当てるんは、法律で禁止されとるんじゃと。その意味では『無給休暇』になるんじゃろうけど、病気で会社を休む時は、医者から証明書を出してもろうて、それを会社と社会保険事務所に提出すると、給与保証があるんじゃと」

「え!なんじゃと!それ、エエやないか」

「アンタ、仮病使うて、なんぼでも会社を休もう思うたんじゃろ?アンタ、『詐欺師』じゃけえね。これまで、オナゴをようけえ騙してきとるじゃろ?」

「何、云うねん。勝手にワテに惚れたオナゴはぎょうさんおったんは事実やけどな」

「アンタ、奥様も騙しとるじゃないね。奥様、アンタが『変態』なんは知らんのんじゃろ?」

「家内は確かに、ワテが『変態』なんは知らへん。けど、騙し取りはせんのや。ワテは、『変態』やけど、一方、紳士でもあるねん。家内は、ワテの紳士な面だけ知ってんのや」

「ああ、『あの時』も『変態』な面は出さないんですね」

「やめれ、『あの時』やなんて、オゲレツなこと云うやないで」

『あの時』は、『変態』ではなく『野獣』にはなるんでしょう!?そう、『野獣紳士』なんですね!」




「やめれ、云うてるやろ!」

「でも、結果として、アンタあ、奥様を騙しとるじゃないねえ。病欠で『有給休暇』使わんでよかったら、アンタ、仮病使い放題じゃったんじゃろう」

「あんな、病気をきちっと直すんには、そりゃ、一定期間しっかり休まんといけんやろ。せやないと、病気がぶり返して、また休むことになって、会社いうか部下や同僚に迷惑かけるさかいなあ」

「でものお、給与保証があるんは、病欠の4日目以降らしいんよ。それに、全額じゃあないそうなんじゃ」

「はああ?病欠の4日目以降なんか?じゃたら、風邪で1日、2日、休む時は、給料が出んで困るやないか!」

「企業によっちゃあ、給与保証のない3日間分は、給料を出すところもあるみたいなんじゃが、問題は、そこじゃないんよ。フランスじゃあ、病気では『有給休暇』をとらんいうか、とっちゃいけん、いうことなんよ。ワシ、サラリーマン時代の最後の方、会社が政府から、有給取得率を上げるように云われて、半強制的に、指定の期間にある日数の『有給休暇』とれ、云われてハブテたんよ」


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「(そう云えば、会社から『有給休暇』の消化をしつこく云われていたなあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、もう10年も前に退職した会社のことを思い出した。


(続く)






2023年4月22日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その100)

 


「(だけど、ああ、ボクは、『興奮』してしまったんだ。あのフリーアナウンサーが、朝っぱらからテレビで、自らの妊娠を笑みを浮かべながら報告した時、ボクは、妊娠に至る様を想像してしまったんだ。ああ、いかん、いかん!)」


と、ビエール・トンミー氏が、自らの頭を掻きむしった時、友人のエヴァが、更に非難するいMessageを送ってきた。



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「それにしても、アンタ、ワシのことを強引過ぎる、云うとったが、『サウダーデ』の話から、オゲレツ話に持っていくんじゃけえね。『サウダーデ』は、オゲレツとはかけ離れた、哀愁いうか、郷愁いうか、憧憬いうか、なんかしみじみとした感情のことじゃろうに」

「そりゃ、アンサンが、『サウダーデ』いう言葉から、『サウナでファドを聴く』いう、また詰まらん駄洒落にもならんことを云うてきたからやないか!」

「いや、ワシは、『サウナでファドを聴きたいん?』とでも訊いてくるう思うたんじゃないじゃろうねえ、と云うただけじゃけえ。それをアンタが、『サウナ』からドイツの『混浴』、ドイツの『11PM』みたいな番組、更に、『ありゃ、いいなっ』ちゅう感じのフリーアナウンサー妊娠の話に持って行って、独りで勝手に『興奮』し始めたんじゃないねえ。まあ、『回春』せんといけんアンタじゃけえ、『新しい命が…』いう言葉で、『興奮』するんはエエことじゃけどのお。でも、『興奮』したんは、頭の方だけなんじゃろ?」

「余計な質問せんでエエ」

「どっちにしても、アンタ、オゲレツが過ぎるで」

「でもや、元はと云うたら、アンサンが、ポルトガルの『ファド』歌手の女(人)とも『ふか~い』お付合いをしとったんか、とクダラン質問してきたからやないか!ワテが真面目に『金平糖』の名前の由来が、ポルトガルにあるいう説明しとったのにや」

「ほうじゃ!アンタ、『金平糖』の話しとったんじゃ!」

「せやで。ワテが真面目に『金平糖』の名前の由来を説明してんやさかい、アンタも真面目にその話を聞かにゃあかんで」

「ワシ、『金平糖』は好きじゃけど、別に『金平糖』の名前の由来のことなんか興味ないのに、なんで、アンタ、『金平糖』の話ししてきたん?」

「へ?.....あ、それは...」

「ワシ、『congés payés』(コンジェ・ペイエ)いう言葉を出しただけじゃのに、アンタいうたら、そこから無理矢理、『金平糖』のこと云い出したんじゃ。『congés payés』(コンジェ・ペイエ)から『金平糖』は、駄洒落にもなっとらんけえ」

「おお、すまん、すまん。アンタのクダラン『聞き違い』が伝染ってもうたんやな」




「しかもじゃ、ワシ、『congés payés』、つまり、『有給休暇』そのもののことを話とったんじゃのうて、『Vacation』の問題のことを云うとったんよ」

「おお、せやった。『congés payés』は、『有給休暇』や。でも、問題は、そのことやなかったな」


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「『congés payés』(コンジェ・ペイエ)って、『有給休暇』のことだったのか。『congés payés』(コンジェ・ペイエ)が何か分らなくって、ついつい『金平糖』の話を持ち出して誤魔化そうとしたんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、自らも分らなくなっていた話の脈絡を思い出した。


(続く)






2023年4月21日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その99)

 


「(でも、アイツ、『サウダーデ』で、また何かボケをかましてくるんだろう)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人エヴァンジェリスト氏のおふざけを予想していたところ、その予想通りのようでありながら、そうではないiMessageが届いた。



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「アンタあ、ワシが、『サウナでファドを聴きたいん?』とでも訊いてくるう思うたんじゃないじゃろうねえ?」

「ああ、そう思うたで。一応、先に答えといてやるわな。サウナでファドを聴きたいとは、特に思わへんが、サウナは好きやで。スポーツクラブでも〆に入っとったな」




「フィンランドに行ってサウナに入ったことはあるん?」

「フィンランドでは、あらへんな。ドイツのホテルのサウナは混浴と聞いて入ろうかと思うたんやけど、場所がよー分からんかったさかい,残念ながら行けなんだ」

「混浴!おお、そりゃ、残念じゃったのお。アンタの『凶器』を『メルセデス』さんなんかに披露するチャンスじゃったのにのお」

「でもや、そのドイツのテレビには、びっくりしたで。『11PM』みたいな番組で『今やっとる』カップルに対して、当り前で平気な感じでインタビューしとぅたんや」

「え!『今やっとる』ところを映しとったん!?」

「そやで。びっくりやろ。それも、『こんなことは、当り前や」ちゅう感じや」

「びっくりじゃけど、エエねえ。『プロの旅人』よりもオゲレツじゃね」

「それがお下劣感、全くないんや。『たまたま”やっとる”カップルにインタビューしました』ちゅう感じで、嫌らしさは全くないんや」

「イヤラシがなかったら、『んぐっ!』にならんじゃないね。そりゃ、いけんねえ」

「ワテは、『やっとる』いうことより、『当り前』いうことにびっくりしたんや」

「その内,アンタが『やっとる』最中にインタビューに行ったげるけえ」

「おお、『やっとる』時にインタビューを受けたってもエエで。但しや。『相手』をちゃんと用意したもらわんとあかんで」

「どうような『相手』がエエん?」

「うふっ…….そりゃ、『ありゃ、いいなっ』ちゅう感じのフリーアナウンサーみたいなんがエエなあ。うふっ」

「ええーっ!アンタ、あの『彼女』はいけんよ。もう人妻じゃけえ。それに、妊娠しとるんよ。この前、自分の出演する朝のテレビ番組で、『新しい命が…』云うとったけえ」

「妊娠しとるいうんは、『やった』からやろ。テレビで、シラーっと、『新しい命が…』云うんは、公開の場で『やりました』云うとることになるんや。それやったら、ワテと一緒に『やっとる』最中に、アンタのインタビューを受けたってもエエやないか」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ちんさい!アンタ、オゲレツが過ぎるで」


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「(ああ、そうだ。ボクは今、猛烈にオゲレツになってる)」


と、ビエール・トンミー氏は、自らの鼻腔が北島三郎ばりに大きく拡がるのを制御できなくなっていた。


(続く)






2023年4月20日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その98)

 


「(それにしても、『当り屋』に『さん』付けするなんて、『当り屋』被害に遭った人にとっては、腹立たしいことなのに)」


と、ビエール・トンミー氏が、自らのことではないものの、友人のエヴァンジェリスト氏の物言いに腹立たしさを感じていると、エヴァンジェリスト氏から、まだ『さん』付けしたiMessageが届いた。



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「ああ、『当り屋』さんが、大きい砂糖のお菓子をなんかにぶつけて作ったんじゃのうて、『当り屋』さんが、なんかから、大きい砂糖のお菓子をぶつけられて作られたんが、『金平糖』なんじゃね!」

「もっと訳分らんこと云いよんなあ。なんで、『当り屋』が出てくんのや?」

「じゃってのお、アンタ、『金平糖』は、『当て字』じゃあ云うたじゃないね」

「アンサン、ホンマ、強引にも程ちゅうもんがあるで。『当て字』の『当て』だけで、『当り屋』持ち出してくんとはのお。あんな、『金平糖』は、ドラいうんか釜いうんか分らへんが、斜めにした鍋みたいなモンに、核になるザラメなんかを入れて、そこに糖蜜をかけて、何日もかき混ぜて作るもんなんや。なんかにぶつけて作るもんやあらひんのや」

「ほうなんねえ。その作り方は、ポルトガルの人に教えてもろたん?」

「おお、ようよう、話をそこに戻してきたな。せやねん。『金平糖』は、ポルトガルのお菓子からきたもんなんや。ポルトガルの砂糖菓子『Confeito』(コンフェイト)からきたもんやさかい、『コンフェイト』を漢字に当てて、『金平糖』となったんや。『カステラ』とか『キャラメル』なんかと同じでポルトガル語由来なんや」

「ああ、英語やフランス語の『confection』と同じ語源なんじゃろうねえ。『con』が『共に』云うことで、『fect』が『作る』じゃけえ、なんかとなんかを混ぜて作る、いうような感じなんじゃろうねえ」

「え?ああ、せやな。よう分っとうやないか」

「それにしても、アンタ、ポルトガル語にも詳しいのお。ポルトガルの女(ひと)とも『ふか~い』お付合いをしとったんじゃね」

「そのオゲレツな発想はもうやめへんか」

「その女(ひと)は、『ファド』歌手でもしとった美人さんなん?『アマリア』さんなん?『ベチナ』さんなん?」




「『アマリア』さんとか『ベチナ』さんとかは知らへんが、『ファド』のことは知っとるで。『サウダーデ』やな」


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「(『ファド』は、本当に現地ポルトガルに行って聴いて見たいもんだと思っているんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、テレビでは見たことのあるリスボンの路面電車を思い描いた。


(続く)






2023年4月19日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その97)

 


「(『金太郎』の息子は、『坂田金平』(さかたのきんぴら)だからなあ…)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人エヴァンジェリスト氏が、『金平糖』で今度は、『坂田金平』でボケをかましてくるものと思い、先回りのiMessageを送った。



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「あんな、『金太郎』(坂田金時)の息子の『坂田金平』(さかたのきんぴら)からきた食べもんは、『金平牛蒡』(きんぴらごぼう)や。『坂田金平』は、お父さんと同じで、力持ちで強うかったさかい、歯ごたえが強うて精がつくいうことから、『金平牛蒡』になったんや」

「おお、アンタ、さすが博識じゃねえ」

「でもな、『金平糖』も確かに硬いんやが、『坂田金平』から名前をもろうたお菓子やあらへんのや。『坂田金平』から名前をもろうたいう説もなくはないみたいじゃが、ワテはせやないと思うで」

「ぶつけられて作られるんじゃろ?」

「へ?へ?へへ???」

「『当り屋』さんが、大きい砂糖のお菓子をなんかにぶつけて作ったもんなんじゃろ?」

「へは?『当り屋』さん?アンサン、自分が何云うとるんか分ってんのか?『当り屋』いうんは、態とクルマにぶつかって金を騙し取るモンのことやで」




「ああ、そうじゃった。すまん、すまん」

「自分がどんだけ妙ちくりんなこと云うたか、分ったかいな」

「ああ、逆じゃったんじゃね!」

「逆?」


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「(アイツ、今度は、何を云いたいんだ?分ったふりをしておいて、その間に次のボケを考えてたんだな)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏の所業の裏を読んだ。


(続く)