2023年6月30日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その169)

 


(大学の入学式の時に、各サークルが集まって入部勧誘のデモンストレーションをやっていて、その中に民族衣装を着てフォークダンスをしている男女の一団がいたが、それを見て、『この人達とは友だちになれないなあ』と思った。大学生にもなってそんな格好をして人前で踊る人達がいることが信じられなかった)」


と、ビエール・トンミー氏の思いが、宇部市の『琴芝小学校』の校庭から『ハンカチ大学』のキャンパスへと飛んだ時、友人のエヴァンジェリスト氏から『マイムマイム』に話を戻すiMessageが届いた。



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「ほうなんよ。『マイムマイム』が、まさか、そういう意味の踊りじゃあ、思わんじゃろ?じゃけえ、ワシは、『♪マイマイマイムで、でっかんしょ』じゃあ、思うとったんよ」

「『でっかんしょ』はないやろ。バンカラな学生やあるまいし、『デカンショ』はないで」

「ほうじゃねえ。バンカラなんは、アンタの母校『ハンカチ大学』で、ワシの母校の『OK牧場大学』はハイカラな学校じゃけえね」

「でも、アンサン、そのハイカラな『OK牧場大学』に、下宿から下駄履いて通うてたんやろ?バンカラやで」

「ああ、ホンマもんのハイカラは、如何にもハイカラいう格好はせんもんじゃけえね」

「まあ、アンサン、『デカルト』にも『カント』、『ショーペンハウア』にも興味あらへんやろしな」

「ほうよねえ。でものお、『デカンショ』いうたら、デカンショデカンショで半年暮らして、後の半年寝て暮らす、いうことなんじゃろ?半年寝て暮らせるんなら、『デカルト』とか『カント』、『ショーペンハウア』のことを半年考えてもエエかもしれん」




「あんな、『デカンショデカンショで半年暮らしあとの半年寝て暮らす』いう『デカンショ節』は、学生歌で、そこからか『デカンショ』は、『デカルト』、『カント』、『ショーペンハウア』の略みたいにも云われとるけど、ホンマは、『デカルト』も『カント』、『ショーペンハウア』も関係あらへんのや。『デカンショ』はどうやら、『出稼ぎしょう』のことなんや。『デカンショ節』は、元々は、兵庫県の丹波篠山地区の盆踊りの民謡なんやと」

「ほうじゃったん!?アンタ、やっぱり博識じゃねえ。ほいじゃったら、『デカンショ』は、イスラエルの『マイムマイム』とは関係ないのお」

「当り前や。元々、『♪マイマイマイム、ベッサンソ』、いや、『♪マイマイマイム、ベッサンソン』かいな、で、『♪マイマイマイムで、でっかんしょ』やあらへんのや」

「でものお…ひょっとしたらひょっとするでえ」


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「(ふん!往生際の悪い奴だ。『丹波篠山』と『イスラエル』に繋がりがある訳ないのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、鼻を吹いて、その風圧で、ミニ・エヴァンジェリスト氏を飛ばすようにしてみせた。



(続く)






2023年6月29日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その168)

 


「(でも、『♪マイマイマイム、ベッサンソ』の『ベッサンソ』ってなんだったんだろう?あの頃は、気にも留めなかったが…)」


と、ビエール・トンミー氏が、宇部市の『琴芝小学校』の校庭でフォークダンスを踊る自身の姿を思い描いていると、その踊りの輪の中に友人のエヴァンジェリスト氏が入ってくるように、エヴァンジェリスト氏からのiMessageが届いた。



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「ほうなんよ。『ベッサンソ』らしいんよ。でも、『ベッサンソ』て意味不明じゃろ?いや、アンタのことじゃ。知っとるんじゃろうけど、どうやら、『ベッサンソ』は本当は『ベッサンソン』で、ヘブライ語で『喜んで』いうような意味らしいんよ」

「お、おお、せやで」

「でも、『日本海庄や』じゃあ、多分、『マイムマイム』は踊っとらんと思うで」

「また、妙なこと云い出すんやなあ」

「居酒屋の『日本海庄や』に入ると、『よろこんでいらっしゃいませ~』と云われるじゃろ?」

「知るかいな」

「『よろこんでいらっしゃいませ~』て、『日本海庄や』にゃあ、悪いけど、変な日本語じゃあ思うんよ。『いらっしゃいませ』は、歓迎する言葉じゃろ?での、『歓迎』いう言葉で分るように、『いらっしゃいませ』には『よろこび』の気持ちは入っとるんよ。じゃけえ、『よろこんでいらっしゃいませ~』は、『よろこび』が重複しとると思うんよ。じゃけえ、『よろこんでいらっしゃいませ~』と云われると違和感を覚えるんよ」

「別にそないな解説してもらわんでもエエ。確かに、『よろこんでいらっしゃいませ~』は、ちと妙な感じがするが、まあ、丁寧でエエやないか」

「そうよねえ。まあ、どっちにしても、『日本海庄や』じゃあ、多分、『マイムマイム』は踊っとらんじゃろうけえねえ」

「ほなら、なんで、『日本海庄や』のこと持ち出すんや」

「兎に角、『ベッサンソ』は『喜んで』じゃろ。での、『マイム』は、『水』のことらしゅうて、『マイムマイム』は、井戸を掘り当てて水が出るようになった時の喜びを表す踊りらしいんよ」




「なんや、せやったら、ワテらは、校庭で井戸もないのに、『水が出て、嬉しいでえ!』と踊ってたんかいな?アホらし」


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「(考えてみたら、フォークダンスなんて、何も考えずに踊ってたなあ。まあ、小学生の時は、好きも嫌いも授業の種目の一つだったから踊っただけで、何も考えもしなかった。振り返ってみると、何も考えずに従うなんて、怖いものだ。今の世の中もそうかもしれない)」


と思うビエール・トンミー氏の顔は、世相を斬る評論家然としたものとなっていた。



(続く)






2023年6月28日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その167)




(最近、『あまちゃん』の再放送を見ているが、『宮藤官九郎』はやはりイイ。ストーリーや会話の端々にヒネリがある。それに比べて、アイツの発想は、ヒネリが全くない。ただただのオゲレツばかりだ)」


と思うビエール・トンミー氏の頭の中に、『あまちゃん』の主題曲が流れていると、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から変わらぬオゲレツiMessageが届いた。



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『玉』を握るんは、金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする女子選手かもしれんよ」

「オリンピックやで。ワテが入るチームは、日本やろ。そこに金髪女性おらへんで。あ、金髪に染めた日本のオナゴもアカンで。日本のオナゴはやっぱり黒髪やで。金髪に染めるようなオナゴはあかんねん」

「アンタあ、金髪に染めるようなオナゴはあかん、て堅物の爺さんじゃねえ。でも、心配しんさんな。本物の金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする女子選手じゃけえ。元は、外国人じゃろうけど、アンタが『玉入れ』に参加すると知ったら、帰化するんよ」

「おお、そういうことかいな。それなら『玉入れ』もアリかもしれへんな。一緒のチームになるんは、本物の金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする女子選手じゃのうても、黒髪の若い日本のエエ匂いのするオナゴ選手でもかまへんで」

「アンタも好きじゃねえ。そんなアンタの為には、オリンピックの新しい種目に、『フォークダンス』も必須じゃろうでえ」

「おお、『フォークダンス』は、間違いのうエエで。ただ、曲を間違えんのやないで」

「心配しんさんな。『♪マイマイマイムで、でっかんしょ』にゃあせんけえ」




「はああん?アンサン、何、云うてんねん?『ベッサンソ』やで」


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「(ああ、『♪マイマイマイム、ベッサンソ』で間違いはないはずだが…)」


と思うビエール・トンミー氏の脳内には、何十年かぶりに『マイマイマイム』の曲が響いていた。



(続く)






2023年6月27日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その166)

 


(ああ、『アンカーボール』の他に何か特別なボールがあってもなくてもどうでもいいんだ。そもそも、何故、『玉入れ』の話なんかしているんだったか…?)」


と、ビエール・トンミー氏が、運動会で『玉入れ』をする小学生たちの中に佇む爺さんな自分の姿を想像していると、友人のエヴァンジェリスト氏から謎解きを始めるiMessageが入ってきた。



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「いやの、特別なボールが用意されるんじゃあないんよ。特別なボールを持った人間が『玉入れ』に参加するんよ」

「はああん?なんや、『アジャタ』( AJATA)の『玉入れ』にゃ、特別なプレーヤーが入るんか?」

「いやの、ルール上は、特別なプレーヤーじゃないんじゃけど、特別なボールを持った人間は、そりゃ、特別なプレーヤーにゃあなるでえ」

「なんかよう分らへんなあ。特別なボールちゅうんは、『アンカーボール』ではないんやろ?やったら、『ジョーカー』みたいなボールで、そのボールを入れた方が、無条件で勝ちになったりするんやろか?」




「いや、そうようなルールはないと思うで。それに、特別なボールをネットに入れられたら、アンタ、困るじゃろうがねえ」

「はあ?」

「もぎり取られて、投げられたりしたら、アンタ、痛うて堪らんじゃろう?いくら、1個のうなっても、もう1個あるいうてものお」

「え?!アンサン、もしかしてえ!」

「もしかもエゾシカもないじゃろうがあ。握られるだけなら、望むところじゃろうし、エエ意味で『悶絶』じゃろうけど、玉をもぎり取られたら、アンタ、『悶絶』じゃあ済まんじゃろう。気絶してしまうで」

「オゲレツもエエ加減にせえよ!オリンピックに新しい種目入れるいうても、『玉入れ』は、やっぱりアカンで。『借り物競争』のような楽しみもあらへんし」

「心配しんさんなや。握られるだけで、もぎり取られたりはせんよおねえ」

「いや、握られるだけでも嫌や」


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「(真面目に反応して時間の無駄だった。オゲレツにしても、『玉入れ』なんてくだらない。『玉入れ』の『玉』とこっちが持っている『玉』とを無理矢理結びつけただけじゃないか!)」


と、ビエール・トンミー氏は、夢から覚めたように、頭を軽く左右に振った。



(続く)






2023年6月26日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その165)

 


「(あ、いかん、いかん。アイツ並みの駄洒落だ。アイツが云っているのは、『玉入れ』の、いや、正確には、『全日本玉入れ』いうらしい競技の『アンカーボール』の『アンカー』であって、iPhone用の充電器なんかを作っている『Anker』ではないのに)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏とのiMessaeに向かう姿勢を改めるように、背筋を伸ばして、自らの肉体そのものの姿勢を改めて見せた時、エヴァンジェリスト氏から、駄洒落を見透かし方のようなiMessageが届いた。



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「アンタ、ひょっとして、携帯の充電器なんかを作っている会社の『Anker』のことを思うとったんじゃあないかあ思うんじゃけど、『アンカーボール』は、英語じゃと、『ball-anchor』じゃけえね」

「いや、別に『Anker』のこと考えたんとちゃうけど、『Anker』と『アンカーボール』の『アンカー』(anchor)は…)」

「そうなんよ。同じなんよ」

「え?お、おお…」

「アンタあ、SNCFの大家で、『ハンカチ大学』商学部のフランス語経済学で『優』をとったこともあるフランス通じゃけど、基本は、「ベンツァー』じゃけえ、ドイツなんじゃろ」

「その「ベンツァー』いう云い方は、ちょっと汚らしいけど、そやで、『ベンツ』をこよなう愛するワテは、どちらかと云うたら、フランス系やのうてドイツ系や」

「じゃけえ、『錨』を意味する英語の『アンカー』(anchor)がドイツ語じゃと『Anker』じゃあいうことを知っとったんじゃね」

「お、おお、おお、その通りやで」

「でもの、『アンカーボール』は1個しかないんよ」

「そりゃ、そやろ、『アンカー』の、つまり、最後の玉なんやから。リレーの『アンカー』と同じやな」




「じゃろ。じゃけえ、『アンカーボール』は、間違うて握ってしまう玉じゃないんよ」

「なんや、『アンカーボール』の他に特別なボールでもあんのかいな、『アジャタ』( AJATA)の『玉入れ』では?」


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「(ああ、またアイツの術中に嵌ってしまってるう)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に翻弄されるづける自身の顔が部屋の壁に掛けられた鏡の中で歪んでいるのが眼の端には入ってきていたが、見ようとはしなかった。



(続く)






2023年6月25日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その164)

 


「(でも、『アジャパー』って、誰のギャグだったか…?...ああ!)」


と、ビエール・トンミー氏は、何十年ぶりかに、口の端にホクロを持つ喜劇俳優の顔を思い出し、その俳優について、友人のエヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。



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「ワテが、『伴淳三郎』のことかいな、とでも云うと思うたんか?誰が、そう思うかいな。『伴淳三郎』が、『玉入れ』で有名やったなんて聞いたことあらへんさかいな」

「アンタあ、何云いよるん?まさか、『アジャタ』を『アジャパー』と勘違いしたんじゃないじゃろうねえ」

「やから、そないな勘違いはせえへんちゅうてんのや」

「ほうなん。『アジャタ』は、『アジャンタ』でもないけえね」

「何や、『アジャンタ』て?」

「『アジャンタ』は、アンタじゃ」

「何をごちゃごちゃ抜かしてんのや。詰まらん駄洒落は、止めれ」

「駄洒落じゃないんよ。アンタが本物のダンディな男であるように、『アジャンタ』は本物のインド料理の美味しいレストランなんよ。麹町の日本テレビの近くにあって、ワシ、昔、時々、食べに行っとったんよ」

「ああ、『アジャンタ』て、インドやな。インドの古代石窟寺院や。正確には、その寺院の遺構のある小さい村のことやで」




「おお、さすが、博識じゃねえ。やっぱり『アジャンタ』は、アンタじゃ。でものお、『アジャタ』は、『アジャンタ』じゃないんよ」

「そやから、何なんや、『アジャタ』て?」

「『All Japan Tamara Association』、つまり、『全日本玉入れ協会』(AJATA)のことよおね」

「へ?『玉入れ』に組織があるんかいな?」

『全日本玉入れ』いう競技の協会なんじゃと。『全日本玉入れ』いうんは、4~6人の選手が、『合計100個(アジャタボール × 99 + アンカーボール × 1)のボールをバスケットに入れるまでの時間を競うタイムトライアルスポーツ』なんじゃと。『アジャタ』( AJATA)のHPにそう書いてあるけえ」

「アンサン、さすがネット師やな。そないなん、よう見つけて来んなあ」

「での、アジャタボールを99個、ネットに入れて、最後に、アンカーボールをネットに入れんといけんみたいなんよ」

「ああ、最後やから、『アンカーボール』なんやな」


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「(『アンカー』は、『中華』だけど認める…良い製品を作ってる)」


と、ビエール・トンミー氏は、自らが非右手で持つiPhone14 Proを凝視めた。



(続く)






2023年6月24日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その163)

 


「(『チュー』だけで済むんだろうか?お姫様抱っこして走ったのだから、汗をかいただろう、と金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手に、一緒にホテルに入って汗を流そう、と誘われるかもしれない!んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」


と、ビエール・トンミー氏が、未だ忘我どころか、オゲレツな妄想の渦に吸い込まれていっていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、更にオゲレツを誘発するようなiMessageが届いた。



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「オリンピックにも、『玉入れ』が欲しいのお」

「はああんん?何や、『借り物競争』と比べたら、普通やないか。『玉入れ』は、小学校低学年がやるもんやで」




「いや、小学校低学年では、小さ過ぎて間違いが起こらんじゃろう」

「間違い?『玉入れ』で間違いて、意味判らへん」

「オリンピックの『玉入れ』は、唯一の男女混合の競技なんよ」

「オリンピックでは、まだ男女混合競技は少ないと思うが、他にもあるやろ。卓球のダブルスとか水泳や陸上のリレーとか」

「いや、男女が同じコートいうか同じ場所の中でゴチャゴチャで競うんじゃけえ、他の男女混合の競技とは違うんよ」

「まあ、そういうたらそうかもしれへんけど…」

「ゴチャゴチャで競うとるとのお、玉を間違うて握ってしまうかもしれんのんよ」

「ああ、紅白同時に『玉入れ』すんのやな。それなら、赤の玉が白の陣地いうんかコートいうんか知らんが、敵の所に転がっていって、間違うてとってまうかもしれんわな」

「いや、その間違いじゃないんよ。味方の中で間違うてしまうかもしれんのんよ」

「赤が赤の玉、白が白の玉を拾うても間違いやあらへんで」

「いやの、2つしかない玉を間違うて握ってしまうかもしれんのんよ」

「何や、『玉入れ』に特別な玉を用意するんか?」

「ああ、確かに『アジャタ』では『アンカーボール』いう特別な玉がるらしいけど、でも『アンカーボール』は1つしかないけえね」

「ふん!その手には乗らへんで」


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「(そうだ。アイツ、『アジャタ』なのに、僕が、それを『アジャパー』とでも勘違いすると想定し、そこから、また話をあらぬ方向に持っていくつもりなんだろう)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏への警戒心を強めたことを、口をキリッと閉めたことで表した。



(続く)






2023年6月23日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その162)

 


「(オリンピックに『借り物競争』は面白いが、問題は、『借り物』のお題をかいた紙の言語だ。世界中から選手は来ているから、出場選手に理解できる言語で書いてないといけないだろう。英語なら大体、判りそうだが、英語のできない選手もいるだろうし、『借り物』によっては、その英語表現を理解できない場合もあるだろう。そうだ!iPhoneを一緒につけておいて、翻訳アプリを起動しておき、直ぐに翻訳できるようにしておけばいいかもしれない!)」


と、ビエール・トンミー氏が、ついつい、友人のエヴァンジェリスト氏のオリンピックに『借り物競争』を、というくだらない発想に自らの思考を付き合わせて、自身もくだらない想像を巡らしていると、エヴァンジェリスト氏から、その想像を超えるiMessageが届いた。



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「アンタも借りられるかもしれんで」

「え?」

「『借り物競争』で、アンタも『借り物』にされるかもしれんけえ、覚悟しときんさいよ」

「?…ああ…」

「ほうよねえ。『借り物』が、『SNCFの大家』とか『インモー研究家』いうて書いてあるかもしれんけえ」

「ほなアホな」

「『広島皆実高校出身のハンサムでダンディーなお爺様』とあるかもしれんで」

「確かに、『ハンサムでダンディーなお爺様』ならワテになるかもしれへんが、『広島皆実高校出身』はちゃうで。ワテ、『カイジツ高校』なんて知らへんから、選手がワテを借りに来ても、『ちゃいますで』と断りまんがな」

「その選手が、金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手でも断るん?」

「お!その場合は…」

「金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手が、アンタの手を引いて、一緒に新国立競技場のトラックを走るんよ。『一緒にいらして』と何語か分らんけど、アンタに云うて、アンタの体を自分の体の方に引き寄せるんよ。そしたら、その金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手の胸の辺りにアンタの腕が当たるんよ。なんか、柔らかいんよ!」

「おお、柔らかいんか!?」

「そしたら、金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手が、『んまっ!』と云うて、アンタにウインクするかもしれんよ」

「おお、ウインクするんか!?」

「で、『アタシをお姫様抱っこして走ってもらった方が早くゴールできるかも』云うてくるかもしれんよ」

「ええ!ワテ、金髪でスタイル抜群のエエ匂いのする選手をお姫様抱っこするんか!?」




「で、ゴールした後、勿論、感謝の『チュー』されるんよ」

「ウオーっ!『チュー』されるんか!?」


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「(んぐっ!んぐっ!んぐっ!)」


と、忘我のビエール・トンミー氏は、iPhone14 Proを持たない左手で股間を強く抑えた。



(続く)






2023年6月22日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その161)

 


「(『ブレイキングダンス』でも『ブレイキン』でも、どっちにしても、あんなん、どこが面白いんだ!?いや、面白くなくてもいいが、スポーツなら、あんなダボダボの服ではなく、体操のように、白のランニングと白の短パンかロングパンツにすべきじゃないか!)」


と怒り心頭のビエール・トンミー氏は、その怒りそのままに、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageを続けた。



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「IOCは若者(特に、アメリカの不良)に媚びてこんな不良のモンを競技に加えてやがるんや」

「個人の感想です」

「オリンピックは、正式な学校教育で教えとる種目に限らんとアカンやないか!スケボー、スノボー、ビーチバレー、マウンテンバイク、BMX。皆んな不良のやることや」

「個人の感想です」

「ゴルフは別の意味でオリンピックに相応しくないで」

「ワシも、ゴルフはオリンピックに相応しゅうない思うで。金持ちのやるモンじゃけえ」

「そりゃ、個人の感想やな」

「その意味ではテニスもダメじゃあ思うとる」

「それも、個人の感想やな。テニスが金持ちのスポーツやなんて、アンサン、ちょっと古いで。確かに昔は、皇族なんかがしてたスポーツやさかい、そないに思われてたかもしれへんが、今や誰でも手軽にするスポーツやで。アンサンかて、会社のテニス部やったんやろ?そう云うたやないか」

「ああ、そう云うたし、部費もちゃんと一回は払うたけえ、ワシ自身はテニス部員じゃったと思うとるんじゃけど、ワシ、部員名簿に名前載せてもろうとらんかったんよ。ありゃ、多分、ワシが貧乏人で、金持ちのスポーツのテニスの部員に相応しゅうない、とされたんじゃあないかあ思うんよ」

「それはやなあ、アンタが、オナゴ目当ての不純な動機で入ったからやないんか?それに、ラケットも持ってなかったんやろ。そりゃ、部員としては認められへんで」

「ワシ、どうせオリンピックに新しい種目入れるんじゃったら、『パン食い競争』を入れたらエエ思うんよ」




「ああ、世界各国の選手らが、口を大きゅう開けて、ぶら下がったあんぱんに必死でくらいつく姿、平和で、なかなかエエかもしれんな」

「『借り物競争』もエエ思うんよ」

「おお、観客席には世界中から来た色んな国の人がおって、選手は、そういった観客から何か借りるんも、世界平和にもなるエエ競技やで」


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「(アイツの発想は、馬鹿げているが、ある意味、的を射た提案だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、新国立競技場で、世界中の選手たちが『パン食い競争』や『借り物競争』をする様を想像し、微笑んだ。



(続く)






2023年6月21日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その160)

 


「(オリンピック開催に反対だったのは本当だが、開催されるからには、なんとかチケットが当った女子新体操を見に行きたかったんだ。なのに無観客にしよって!それを、観客がおらんから『オランピック』だとか、アイツ、巫山戯てきやがって!)」


と、ビエール・トンミー氏が、脳裡に、オリンピックとは関係ないのに、白髪の鬘を被った高名な作曲家の肖像画が浮かばせながら、怒りに拳を握った時、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、ビエール・トンミー氏の心中を見透かしたのか、敢えて媚びるようなiMessageが送られてきた。



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「無観客じゃけえ『オランピック』、と云うと、フランス語の堪能なアンタは、オリンピックは、フランス語では元々、『オランピック』じゃあ、云うじゃろうねえ」

「何でフランス語で『オランビック』か説明する機会を与えるで」

「アンタにゃあ、俗に云う釈迦に説法じゃろうが、『in』とか『im』は、フランス語では、カタカナで云うと『アン』じゃろ」

「ああ、せやで」

「で、『ym』は、『im』に近いもんじゃけえ、『Olympic』は、フランス語じゃと、『オランピック』という発音になるんよね。これで説明合うとる?」

「そうや、その通りや。よくデケタで。けどやな、観客のおらん『オランピック』に何の意味があんのやろ?」

「米国のテレビ放映料が入ったらええんじゃないんかねえ。巷間云われとるように、あ、股間でも睾丸でもないけえね」

「アホか!?」

「その巷間、オリンピックはもうだいぶ前から、商業主義に走っとる、と云われとるけえね。コマーシャリズムが全部ダメじゃないんやろうが、行き過ぎ、それも米国を重視し過ぎらしいけえ。真夏の開催、各競技の(特に、米国民の関心の強い競技の)時間は、米国タイムらしいけえ。猪木さんは、まだ参議院議員じゃった頃に、国会で、7月の東京でオリンピックやるのは馬鹿げとる云うとったんよ」

「アホか、思うたら、今度は急に真面目なこと云うやんけ。なんか気色悪いで」

「昔、ソ連なんかの選手は、ステート・アマチュアで一種のプロじゃったし、その意味では不公平じゃけえ、プロ参加を認めるようになったこと自体は、必ずしも責められるものじゃないんかもしれんが、やはりコマーシャリズムの行き過ぎなんじゃろうねえ」

「せやで。1964年の東京オリンピックの頃のオリンピックは、もっと純粋なスポーツの祭やったが、最近は、スポーツかなんか分らん、ちゅうか、スポーツとは思えへん競技が増えてきてんのや。スケートボードがオリンピック種目に加わってのを憤慨しとったんやが、次のバリ大会からは『ブレイキングダンス』が追加されるんやてな。あの不良が路上でクルクル回って踊っとる奴やで」




「個人の感想です。尚、正しくは、多分、『ブレイキン』です」


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「(何が、『個人の感想です』だ!アイツ、どうせ、ボクとのiMessageのやり取りをBlogで使うつもりで、どこからかクレームが入るのを警戒しているんだろうが、アイツのオゲレツBlogなんて読む奴なんていやしない)」


と、ビエール・トンミー氏は、意外と弱腰な友人エヴァンジェリスト氏への批判を心中に思った。



(続く)






2023年6月20日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その159)

 


「(だけど、なんだか懐かしい感じがする。『第1のコ~ス!』って、なんだったか….ああ!)」


と、ビエール・トンミー氏は、何かを思い出し、ベッドサイドのテーブルに置いたばかりのiPhone14 Proを再び手にし、友人のエヴァンジェリスト氏にiMessageを送った。



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「『第1のコ~ス!』って、水泳やな?オリンピックか?」

「ほうよねえ。『ドン・ショランダー』よねえ」

「おお、『ドン・ショランダー』て、水泳で金メダル4個とった人や。『東京オリンピック』やな。でも、この前の(2021年の)やあらへんで。1964年の『東京オリンピック』や。水泳で、確かに、『第1のコ~ス!』て妙な選手の呼び出し方をしとったな。オリンピックだけやあらへんかったかもしれんが」

「ワシら、当時、小学4年生で、1964年の『東京オリンピック』は初めて生で見るオリンピックで(云うても、テレビを通してじゃけど)、感慨深かったじゃろう?」

「ああ、『第1のコ~ス!』だけやのうて、『一着はショランダーくーん』とか『じかーん⚪︎⚪︎秒』ちゅうオカシナ場内アナウンスも思い出したで。聖火ランナーの最終走者は坂井義則で聖火台までの階段は163段や。NHKの実況で絶唱しとったからよー覚えとるで」

「アンタ、さすがじゃ!いや、さすが以上じゃ!」

「100m走で、アメリカのヘイズ選手が『10秒0』ちゅう世界タイ記録を出したんは、特に、忘れられへん」

「知っとるで。『10秒0』は、アンタと同じ記録じゃったんじゃろう?」



(参照:ヘイズ(世界記録)に並んだ(後編)[B-Files No.1 ]



「あの頃のオリンピックは、エカッタ。純粋やった。聖火リレー見るだけでも感動したもんや。でもなんや今のオリンピックは!金儲けやで。今時の聖火リレーは、聖火ランナーの前後にスポンサーの大宣伝カーの車列が大音量で囲んで走って、大変なことになってんや。Youtubeで見て、ワテ、呆れたで」




「それって、逆効果な宣伝じゃね」

「この前の『東京オリンピック』は、開催費用が兆やったんやで。兆やで!こんだけ使うたらコロナ対策や補償がどれだけデケたちゅうねん」

「ワシのように恵まれない貧困老人に金回したりんさいやあ!じゃね」

「ワテ、オリンピック開催大反対やったんや。コロナで酷い状況で、デケル訳なかったんや。『ガースー』は、オリンピック中止にすべきやったのに、自分の政治生命のためにオリンピックを無理矢理開催するんやないで」

「無観客にするんじゃったら、『オランピック』いう名前にしたら良かったんよねえ」

「はあ?!」


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「(ああ、それにしてもムカつく。東京オリンピックの女子新体操のチケットが当っていたのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、脳裡にレオタードの太ももがマット上で回転していく様が浮かび、思わず、股間を抑えた。



(続く)






2023年6月19日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その158)

 


「(『金日成』のことを『ナル』ちゃんと呼ぶのは、両方の側のある種の勢力から標的されるかもしれないのに…)」


と、ビエール・トンミー氏が、怖れを知らない友人エヴァンジェリスト氏のことを心配しているのをよそに、そのエヴァンジェリスト氏は、呑気なiMessageを送ってきた。



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「アンタあ、『ビーちゃん』と呼ばれとったんじゃろ、『みさを』いう女に」

「へ?知らん、知らん。そないなん、『プロの旅人』の妄想やあ!」



(参照:治療の旅【江ノ島/鎌倉・編】[その14]



「ほうかねえ。要するに、『前田日明』も名前から『日』をとられるん嫌じゃったんじゃろう。名前研究家のアンタじゃったら、その辺のことはよう分りんさるじゃろうけど」

「お、せやった!名前の説明や。名前に地名が使われるようになった結果、『平氏』の中で区別つける必要のうなって、『の』を付けん呼び方になったんや。やから、『源平合戦』は、実は『平平合戦』で、東軍、つまり、『源氏』側の『千葉常胤』、『三浦義澄』、『北条義時』は、実は全員、『平氏』やったんや」

「アンタもくどいのお。その説明、もう聞いたで」

「アンサンが、直ぐに話をそらすさかい、も一回、説明し直さなあかんのやないか。エエか、『足利尊氏』かて『源氏』の一族やからホンマは『源尊氏(みなもと の たかうじ)』やけど足利が本拠地やったから『足利尊氏』や」

「『アシカ』が好きじゃったけえ『足利尊氏』、いうことじゃないんじゃね」




「アホか。また、アイコラ対策か?エエか、『足利』は、地名からきてんのや」

「『長州力』が、本当は、『吉田光雄』、いや、2016年より前は、『郭 光雄(かく こうゆう、クァク・クァンウン)』じゃったけど、山口県出身、つまり、『長州』出身じゃけえ、『長州力』になったんと同じじゃね」

「同じやあらへん」

「もう分っとると思うけど、『長州力』も『前田日明』と同じで、在日韓国人なんよ。2016年に帰化したけど、それまでは韓国籍じゃったけえ、アマレスの全日本学生選手権で優勝しても、オリンピック日本代表になれんで、韓国代表としてミュンヘン・オリンピックに出たんよ。でも、日本で生まれ育ってきたけえ、日本代表になれんのは、悔しかったんじゃろうと思うんよ」

「あんなあ、『長州力』のことはどうでもエエんや」

「何、冷たいこと云うんねえ。『長州力』もあの頃、あそこで、聞いとったんじゃろう思うんよ。『第1のコ~ス!ビエール・トンミーくん!』云うんを」

「はあ?」


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「(あ~あ!アイツと話していると、っていうか、アイツとiMessageのやり取りをしていると、頭が痒くなる)」


と、ビエール・トンミー氏は、iPhone14 Proをベッドサイドのテーブルに置き、両手で頭を掻き毟った。



(続く)