2023年8月3日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その203)

 


(ああ、いかん、いかん!まただ。アイツと話していると、直ぐにアッチの話に持って行かれてしまう。ボクは、『ディスコースマーカー』のことを、英語の長文解読のテクニックのことを、真っ当なテクニックのことを話そうとしていたんだ)」



と、ビエール・トンミー氏が、気を取り直し、しかし、彼の体の別の部分は項垂れたままではあったが、友人のエヴァンジェリスト氏に話の方向性を正すiMessageを送った。



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「まあ、アッチの『テクニック』はエエとして、問題は、『ディスコースマーカー』や。ワシも受験の時、『ディスコースマーカー』を知っとったら、もうちと楽に大学合格できたんやろな」

「ワシも『ディスコースマーカー』いう言葉は知らんかったで。今、知ったけど、さっきも言うたように、知る必要も感じんがのお。じゃけど、こんなん、テクニックでもなんでもないでえ。普通の言語の話じゃ。論理展開する時には、アンタかて普通に使うとるじゃないねえ」

「あ、ほうかあ?」

「むしろ、この『ディスコースマーカー』いう奴を多用すると、場合によっては、稚拙になるし、『ディスコースマーカー』を使わん論理展開もあるけえね」

「おお、さすがは『OK牧場大学』大学院文学研究科フランス文学専攻の修士様や。ワテみたいな学士とは、ラベルが違うで」

「今、調べたら、『ディスコースマーカー』は、論理自体の話ではなく、受験に於ける英文読解のテクニック(時間の節約)のことみたいじゃね。少なくとも『伊沢』が書いとるんはそうじゃろう?じゃが、そんなんは、ワシらが受験生の頃から云われとったで。つまり、50年前じゃ」



「ああ、受験の頃のことは、思い出しとうないで」

「受験に於ける英文読解のテクニック(時間の節約)のことなんか、開成高校に限らず、一般に云われとったで。じゃけど、ワシ、そんなんあんまり意識せんかった。普通に英文をさっと読めばええ思うんじゃけどのお」

「そないに簡単なもんかいなあ」

「『ディスコースマーカー』なんちゅう言葉、誰が作ったんか知らんけど、そうような当り前のもんを殊更に取り上げて有難がったり、他の人間に教えたりするんは、恥ずかしいことじゃあ、思うけどのお」

「アンサンに『恥』ちゅう概念があったとはのお」


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「(ボクは、『伊沢』の本で『ディスコースマーカー』を知って、有難たがったんだ。アイツは、それを恥ずかしいことだと云うのか)」


と、ビエール・トンミー氏は、屈辱感を味わい、更に、それを味合わせてきたのが、『恥』をいうものを知らないオゲレツ男であったことに、重ねてt屈辱感を覚え、どこを見ている訳でもない自らの視線を固まらせてしまった。



(続く)






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