「(アイツが『事業者』で、でも、『消費税』を収めていない限りは、『ネコババ』という表現が妥当かどうかは別として、そこに『益税』があることは確かなんだが…)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏の罠とも云える言への対応に逡巡していると、そのエヴァンジェリスト氏から、『ネコババ』という言葉から離れたようにも見えるiMessageが届いた。
====================================
「アンタあ、『応能負担原則』いうん知っとるじゃろ?」
「は?」
「間違えんさんなよ、『ノーノーノー』云うて、凶器隠したり、反則を誤魔化す悪役レスラーのことじゃあないけえね」
「このアホンダラあ!」
「アンタの場合、アンタ自身の『凶器』、ああ、『原宿の凶器』いうんじゃったかいねえ?その『凶器』を、『偉大』過ぎて隠せんように、アンタは、アンタの偉大な知性も隠せんけえ、『応能負担原則』のことは勿論、知っとるんは分っとるんよ」
「ああ、分っとるで。分っとるけど、アンタが理解できとるか試したる。『応能負担原則』が何か、説明してみい」
「税金は、『人の所得や能力に応じた負担にする』、『所得の低い者には軽くして、高い者には重い負担にする』いうことじゃろ?」
「おお、よう分っとるやないか。そういうことやで」
「じゃったら、アンタも、『免税業者』いうんがあるんは、『応能負担原則』に依るもんで、『免税業者』がイケン存在じゃあないことは分っとるんじゃろ?」
「ああ、まあ、そういうことになるやろなあ」
「ほいじゃったら、ワシが、『消費税』を払うとらんことは、別に悪いことしとるんじゃあない、いうことじゃの?」
「ああ、アンタあ、オゲレツやし、他人の顔を使うて、妙ちくりんなアイコラを作るんはどうかあ、思うけど、悪やあらへんで」
「でも、『免税事業者』のとこに『益税』が発生するんは、納得いかん、のんじゃろ?」
「おお、そやで。アンタは悪うないけど、ワテら健全な『消費者』の払うた『消費税』がちゃんと国に収められんのは、アカンことやで」
「アンタあ、『青木さん』の友だちか知合いなん?」
「は?『青木さん』?」
====================================
「(会社にいたかなあ、『青木さん』って……?)」
と、ビエール・トンミー氏は、もう10年前に退職した会社のオフィスとそこで一緒に働いていた同僚たちの顔を思い出し巡らした。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿