「(大学にも『青木さん』って同級生も先生もいなかったと思うし…あ!『みさを』!?いやいや、アイツは、友だちか知合いなのか、って云ったんだ...)」
と、ビエール・トンミー氏が、ある女性を思い出し、思い出すと共に、胸にある痛みのようなものを感じた時、それを察したかのようなiMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から届いた。
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「あ、勘違いとか心配とかしんさんなよ。『青木さん』は男じゃけえ」
「え?な、な、な~んも、心配なんかしてへんて!結婚前だったんだ…」
「結婚前?なんで、結婚前とか云うん?まあ、『青木さん』の裁判の判決が出たんは、1990年の3月じゃけえ。そりゃ、アンタの結婚する前じゃ」
「裁判?いや、『みさを』とは裁判沙汰にはなってないぞ!『みさを』の方から、いつの間にか、ボクの前から消え…」
「はあ?『みさを』?」
「あ!....いや…」
「アンタあ、『功(いさお)』のことじゃあ、思うとるん?」
「あ?ああ…せや、ワテ、『いさお』云うたんや」
「ほうかいねえ。ワシんとこに届いたアンタからのiMessageにゃあ、『みさを』となっとるがのお」
「アンサン、もう一年もせん内に、70歳や。老眼が進んでんのや。か、ひょっとしたら、ワテが打ち間違えたんかもしれんけど」
「ほうなん?まあ、エエけど、アンタあ、ゴルフも殆どせんのに、『青木功』と知合いじゃったん?」
「え?『青木功』?ああ、ゴルフの『青木功』かいな?」
「ゴルフの『青木功』かいなもなんもないじゃろうがあ。アンタが、『功(いさお)』云うてきたんじゃないねえ。『功(いさお)』とは裁判沙汰にはなってない、云うて」
「ああ、そや。そう云うたで。ワテ、『青木功』とは知合いじゃないさかい、裁判沙汰にもなってへんねん」
「なんか誤魔化しとらん?ワシ、アンタに、『青木さん』の友だちか知合いなん、いうて訊いたのに、なんで知合いじゃない『青木功』の話するん?それに、『青木功』さんは、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の会長じゃけど、最近、『青木派』と『反青木派』とに別れて内紛になっとると聞いたことがあるけど、裁判沙汰にはなっとらんと思うんよ」
「あんなあ、アンサンから、関係ない話なんでするんや、と訊かれとうないで」
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「(そうだ!いつも話を関係ない方向に持って行くのはアイツの方なんだ!)」
と、ビエール・トンミー氏は、久しぶりに攻めに転じることができ、座ったまま、背を伸ばし、胸を張った。
(続く)
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