「(でも、そういえば、『マクドナルド』は、昔はよく食べていたが、ここ10年位は食べてないなあ。食べるとすれば、ビックマック、照焼きバーガー、フィレオ・フィッシュだな)」
と、ビエール・トンミー氏が、歯で噛んでいた唇を開け、シュルっと、物欲しげな舌を唇の間からのぞかせた時、誘い水のようなiMessageが友人のエヴァンジェリスト氏から届いた。
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「他の国の『マクドナルド』は知らんけど、日本の『マクドナルド』は、持ち帰りも店内飲食も同じ値段なんよ」
「ああ、他の国の『マクドナルド』かあ…そういうたら、ホノルル、ワシントン、ベネティア、パリ、マドリードなんかでも『マクドナルド』で食べたでえ」
「奥様と行ったん?世界のマクドナルドは、味は日本と同じじゃったん?」
「モチのロン、同じ味や。それがマックやろ。ぜーんぶマニュアルの世界や」
「特殊なメニュー(商品)はなかったん?店の雰囲気も、日本と同じなん?どの国でもSmileは、¥0なん?」
「そー。ぜーんぶ同じ。でも、照り焼きはなかったで」
「ああ、そりゃ、『照り焼き』は、日本のもんじゃけえね。ワシが注文するんは、だいたい『てりやきマックバーガー』じゃけえ、海外に行ったら(行かんけど)困るのお。で、ホノルル、ワシントン、ベネティア、パリ、マドリードのマックは、奥様と行ったん?アンタ、マクドナルドで飲み物は何にするん?コーラ?」
「そーや。マックでの飲み物はコークが定番や」
「シェイクは飲まんのん?ワシは、シェイクも好きじゃけど。他のハンバーガーシェーンは行かんのん?『モスバーガー』とか」
「マック専門で、飲むんは、必ずコークや」
「『モスバーガー』も美味しいけどのお」
「『サブウェイ』も美味しいで。最近は見かけんが、『ロッテリア』は、エビバーガーがエエな」
「ああ、『サブウエイ』は、今、ワシんちの直ぐ側にあるんじゃけど(ワシの部屋から見えるんじゃけど)、行かんのお。サンドイッチは、頼むん面倒臭うないん?」
「それがエエんや」
「ワシ、カナダか米国に出張した時、サンドイッチ屋に連れて行かれたけど、な~んか全然、どれ注文してええかわからず、連れて行ってもろうた外国人に多分、全部、対処してもろうた。で、ホノルル、ワシントン、ベネティア、パリ、マドリードのマックは、奥様と行ったん?それとも、現地美女と行ったん?」
「マックは言葉が喋れんでも頼めるし、全世界統一やさかい不安もないんや」
「もしくは、現地のマックの注文カウンターで美女店員から、『Take out me?』とでも云われたん?いや、『Take me out?』なんじゃろうか」
「そーぞーに任せまっせ」
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「(ああ、またオゲレツ路線だあ)」
と、ビエール・トンミー氏は、iMessageの先で、友人のエヴァンジェリスト氏が下品さ丸出しの笑顔を浮かべている様を思い描いた。
(続く)
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