「(『播磨屋』と聞いて、高知と云ってしまったのは迂闊だった)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏という『火』に飛んで入ってしまった自らの不用意を後悔していると、エヴァンジェリスト氏から、また飛び込ませられそうな『火』が飛んで来た、いや、意味不明なiMeesageが入ってきた。
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「そう、「『ピッチャン』の頃はもう、『きんのすけ』は、『播磨屋』じゃのうて、『ヨロズヤ』じゃなかったかあ思うんよ」
「『ヨロズヤ』?懐かしい響きやなあ。現代はもう、見かけんようになってもうたなあ。食べもんも雑貨もなんでも、いうか、種々雑多色んなもんを売っとる『ヨロズヤ』なんちゅう店は、もうあらへんなあ。まあ、コンビニが現代の『ヨロズヤ』いうたら、そうかもしれへんけど」
「なんか、Wikipedia的な発言じゃねえ。今は、なんでも売っとる店いうんは流行らんのよねえ」
「そやさかい、デパートがどんどんあらへんようになってもうたんやろなあ」
「じゃけど、『きんのすけ』の『ヨロズヤ』は、なんでも売っとるんじゃのうて、元は『茶屋』じゃったんよ」
「ああ、最初はお茶を売っとったんが、他のもんも取り扱うようになって『ヨロズヤ』になったんやな」
「は?『きんのすけ』の『ヨロズヤ』は、お茶を売っとったん?まあ、お客さんにお茶は出すじゃろうけど。お茶より、アンタじゃったら、よう売れたじゃろうねえ」
「はあ?なんで、ワテが売られなあかんねん?」
「そりゃ、決っとるじゃろお。アンタが、魅力的じゃけえよねえ」
「まあ、その点は、否定はできへんなあ」
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「(会社の他の部署の女性たちが、よくシステム部に用もないのに来ていたものだった…)」
と、ビエール・トンミー氏は、自分が所属するシステム部の部屋の入り口から覗き込むようにしてこちらを見ている女性社員たちのことを思い出した。
(続く)