「(『豊登』に関係したものなんだろうから、『羅山』もプロレスラーのことだろうか?いや、『力道山』も元は相撲取りだったはずだし、ナントカ『山』って、相撲取りの名前のような気もするが…)」
と、ビエール・トンミー氏が、本来、どうでもいいはずの『羅山』について、知らず識らずの内に囚われていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、もっともっと遠い記憶にあるようなないような言葉を告げるiMessageが入ってきた。
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「あ?アンタ、まさか『羅山』のこと、『オソラカンザン』みたいな山じゃと思うとらんよねえ?」
「『オソラカンザン』?また態とカタカナで書いてきたな。アンサン、なんか誤魔化すか、誤解させよ、という時に、漢字やのうて、カタカナやひらがなで書いてくんのや」
「いやの、漢字じゃと、アンタが怖がるんじゃあないかあ思うたんよ。アンタあ、怖うてオシッコをちびるかもしれんけえね」
「アホか、子どもやあるまいし、オシッコちびるかいな」
「ワシ、子どもの時(そう、小学生の時)、時々、授業中に、オシッコちびるんじゃのうて、席に着いたまま、ザーっとお漏らしして、教室の床に地図を描いたんよ。気が小そうて、『先生、オシッコ!』と云えんかったんじゃった、と思う」
「アンサンがオシッコお漏らししたことなんか、いらん情報や」
「アンタあ。そうやって、自分がオシッコちびること、誤魔化そうとしとるんじゃろ」
「やからあ、ワテ、オシッコちびらへんて。どっちゃかというと、『尿活』が必要なくらいなんや」
「『尿活』?なんねえ、それえ?」
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「(ふん!アイツ、『尿活』を知らないのか。ふん)」
と、ビエール・トンミー氏は、このところ、自分以上に知識をひけらかしてくるアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に対する優越感に、鼻息を吐くと同時に、左頬を斜め上に引き上げた、
(続く)