「(アイツ、ボクから聞くまでは知らなかった記事を急いで検索して、あたかも自分も知っていたかの如く云ってきやがって!)」
と、ビエール・トンミー氏が、惚けた顔ばかりしているものの、その顔の裏には、自分に劣らず負けず嫌いを潜めているアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏への敵意むき出しの表情を浮かべていると、それを察知したかのようなiMessageが入ってきた。
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「あののお、勘違いしんさんなよ。ワシ、その『尿活』の記事、アンタに教えてもらうまでは知らんかったんよ」
「でも、アンサン、直ぐにデジタル・ハンターして、如何にも知ってましたで、いう顔してんのやないか」
「違うんよ。ワシ、ほれ、文學修士じゃろ。じゃけえ、『出典』の記載いうことに敏感なんよ。修士論文に限らす、学部の論文でもそうなんじゃけど、他の人の論なんかを引用したりする時にゃ、『出典』をちゃんと記載せんといけんじゃろ。修士論文になると、そこんとこは余計に気を付けんいけんのんよ。じゃけえ、アンタが、『尿活』の記事としか云わんかったけえ、そのままにしておくと、外部から批判を受けるかも知れん、思うたんよ」
「『外部』?アンサンとワテとの極めてプライベートなiMessageの交換のどこに『外部』があるんや?...いや、あ、アンサン、暗に認めたんやな。ワテらのiMessageを勝手にBlogで公開しとることを」
「何、云うとるんか分らん。それよりも問題は、『座って排尿』なんよ」
「は?『座って排尿』の何が問題なんや?」
「ワシ,『座って排尿』しとるんよ。アンタは、どうなん?」
「ワテかて『座って排尿』しとるで。さっきも云うたように、『残尿感』及び『終了後の残尿感』の解決策として、『座って排尿』が、その『週刊現代』の『2022年10月29日号』の記事で、効果的と分って始めたんや」
「おお、もうちゃんと『出典』に注意を払うようになったんじゃね。さすがじゃ」
「そりゃ、文學修士様の御助言は尊重せなアカンさかいな」
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「(いやいや、そういうことじゃないだろう)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏からの賞賛の言葉に喜ぶ自分を諌めた。
(続く)
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