「(いやいや、おかしい、おかしいぞ)」
と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏との会話(実際には、iMessageの交換)に、どこか納得しかねるものを感じていると、エヴァンジェリスト氏から、今度は、感情的にも怒りを思させるようなiMessageが入ってきた。
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「でものお、アンタ、ようよう『チロルチョコ』のことを思い出してくれたけど、問題は、『チロルチョコ』そのものじゃないことも思い出してえや」
「けっ!なに抜かすねん!」
「ワシ、『ライスチョコレート』のことを話そうとしたけど、アンタが、『ライスチョコレート』を知らんけえ、『チロルチョコ』のことに触れたんよ」
「やからあ、その『ライスチョコレート』となんの関係があんねん、『チロルチョコ』は?」
「おお、おお、ようようそこを説明させてくれるんじゃね」
「興味あらへんけど、アンサン、説明させんと煩いやないか」
「『ライスチョコレート』は、『東京産業』が、ワシらが生れる前年の1953年に発売して、全国でようけえ売れたんじゃそうじゃけど、1963年に福岡の『松尾製菓』が、『チロルチョコ』を売り出すようになったら、西日本は、『チロルチョコ』の牙城で、東日本は『ライスチョコレート』の牙城いうような感じになったみたいなことがネットに書かれとったんよ」
「ああ、またデジタル・ハンターしたんやな。ご苦労さんなこっちゃ」
「なんねえ、アンタ、関心ないような云い方じゃやないねえ」
「『関心ないような云い方』やのうて、『関心ない云い方』やで」
「ワシも『ライスチョコレート』のこと知らんかったし、それが全国で売れようと東日本で売れようとどうでもええんよ」
「せやったら、話さんでエエやないか」
「でも、『ライスチョコレート』のこと知らんかったけえ、『ライスチョコレート』いうてどんなんかは気になったんよ。アンタ、どんなんか知っとる?」
「知る訳あらへんやろが。あ、説明せんでも…」
「ほいじゃったら、教えてあげんといけんね」
「いらん、いらん!」
「『ライスチョコレート』を、ご飯にチョコレートをかけた『ライスカレー』みたいなもんと思うたらいけんよ」
「思わへん!」
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「(どこの世界に、ご飯にチョコレートをかけた食べ物があると思うんだ!?おえっ…)」
と、ビエール・トンミー氏は、『ライス』(ご飯)と『チョコレート』という異質なものの組合せを喉で感じてしまい、思わず、えづいてしまった。
(続く)
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