2024年6月30日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その535)

 


「(『天窓』から、セールスマンでも泥棒でも、入って来れるもんなら入って来い、だ)」


と思うビエール・トンミー氏の表情は、『天窓』から侵入してくるセールスマンか泥棒か、はたまた友人のエヴァンジェリスト氏にむけたものは、極めて厳しいものになり、その厳しさそのままなiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。



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「ウチには、『天窓』が2つあんのや。一つが、リビングの『天窓』、もう一つが、階段廊下の『天窓』や。両方の『天窓』とも2階から3階の吹抜部分にあるさかい(普通の家の2階の天井の高さやな)ムチャ高い場所やで。訪問セールスの営業が飛び込んで来れるかいな」

「ああ、サンタさんじゃったら、入って来れるかもしれんね」

「サンタさんやったら、『天窓』から入ってきても歓迎するで。アンサン,サンタさんになって、『天窓』からクリスマス・プレゼント持ってきいな。けどな、ウチの『天窓』は、脚立を使ってもとても届かん高さや。地面に落っこちて怪我しても、知らへんで。自己責任ちゅうやっちゃな」



「アンタあ、冷たいのお」

「ああ、ワテは冷徹な人間や」

「その冷たさが、オナゴたちにゃあ、堪らんのじゃろうのお」

「オナゴたちは、ワテの冷たさに、逆に熱うなってまうようなや」

「冷徹なアンタも、アソコだけは凄い熱いらしいけえ、ソレに触れたんじゃないん?」

「コラッ!エエ加減にしいや。話を戻すで」


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「(アイツ、ちょっと隙を見せたら、図に乗ってきやがって!)」


と、ビエール・トンミー氏は、鼻腔を大きく、大きく膨らませた。




(続く)






2024年6月29日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その534)

 


「(アイツ、ボクの『松ベンツ』の話をまともに聞く気がないんだ。でも、いい。語るぞお!)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のチャチに負けない覚悟を自らの胸に膨らませ、ついでに鼻腔も膨らませながら、エヴァンジェリスト氏向けのiMessageを続けた。



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「『松・竹・梅』のどのグレードの車両も、『理想のE』の装備にするんには。オプションが必要なんや。例えば、スライディング・ルーフはどの車両もオプションになってんねん」

「おお!『スライディング・ルーフ』!そのオプションだけで、新車のコンパクトカーが買える位なんじゃろ?」

「せやで。よう知ってんやないか」

「確か、どっかのBlogに書いてあったんよ」

「ああ、あのオゲレツBlogやな」



(参照:【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その14]



「『スライディング・ルーフ』は、クルマの『天窓』じゃろ?」

「そないに思うたことあらへんけど、まあ、そう云えんこともないなあ」

「アンタあ、家(自宅)にも高価な『天窓』付けとるんじゃろ?」

「ああ、せやで。あれは、『若気の至り』やったんや。『何でコナイなヤヤコシイ奴付けたんやろか』と、老人になって反省や」

「ああ、『何でコナイなヤヤコシイ奴(オナゴ)とシタんやろか」みたいな感じじゃったんじゃね」

「いや、ワテ、ヤヤコシイ女子と付合うたことないし、オナゴとはヤヤコシイことなってへんねん。そこは、人徳ちゅうとこやろな。けど、『天窓』は、人徳では解決せえへん」

「ああ、『天窓』がヤヤコシイいうんは、『天窓』から訪問セールスの営業が飛び込んできたりすることなん?」



「アンサン、ほんまアホなんとちゃうか?」


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「(アイツ、『天窓』のこと、全く分ってない)」


と、ビエール・トンミー氏は、今いる自室には付いていない『天窓』を見上げるように、上目遣いになった。


(続く)






2024年6月28日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その533)

 


「(いや、違う、違う。ボクたちの高校生時代のことなんか話してるんじゃないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏のオトボケで、思わずタイムスリップしそうになっていた自分の目を覚ますように、頭を左右に振ると、再び、友人の罠にはまらぬよう、やや強い口調のiMessageをエヴァンジェリスト氏に送った。



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「あんなあ、ワテの話す『ディーゼル』は、ベンツの駆動方式の一つのことで、『宇品線』とは関係あらへんねん」

「『丹那』とも関係ないんじゃろ?」

「あらへん!『当り前だ』や。もう一遍、云うけど、新型『Eクラス』の駆動方式は、こうなってんねん。


・松→「プラグインハイブリッド」(ガソリン駆動+電気駆動)

・竹→ディーゼル駆動

・梅→ガゾリン駆動


となってんのや。で、今のワテの『Eクラス』は、『ガソリン駆動』や。せやさかい、『ディーゼル駆動』は、馴染みがないし、『ガソリン駆動+電気駆動』は。オーバースペック。よって新型『Eクラス』もガソリン駆動がエエ、ちゅうことになんのや」

「アンタ、同じ説明何回もして、くどいで」

「アンサンが、話を逸らしていくからやないか。で、それでやな。車両価格は当然 、『松>竹>梅』やねん。で、この段階で梅が購入候補となるんや。『竹』は、想定外。『松』は、高価で問題外。『松=梅+94万円』やさかいな」

「その『94万円』はもう聞いたで。アンタ、くどいのお」

「今のワテの『Eクラス』の装備は、『理想のE』、つまり、『オプション全部入りE』や。せやさかい、新型『Eクラス』も先代と同じく『理想のE』を目標としたんや」

「『う~ん!最高にE(イー)わああん!』ちゅう感じなんじゃね」



「ほんま、E(イー)加減にしいや」


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「(うっ!しまったあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、思わず友人のエヴァンジェリスト氏並みのダジャレを口にしてしまったことを悔いた。


(続く)






2024年6月27日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その532)

 


「(アイツが、ベンツの駆動方式に興味があろうとなかろうと構わん!さあ、語るぞお!)」


と、ビエール・トンミー氏が、ベンツのマフラーを強く吹くように、自らの鼻から強く強く息を吹き出し、その勢いそのままのiMessageを、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏に送った。



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「今のワテの『Eクラス』は、『ガソリン駆動』なんや。せやさかい、『ディーゼル駆動』は、馴染みがないねん」

「ワシは、『ディーゼル』、懐かしいんよ。『丹那』知っとるじゃろ?」

「は?『丹那』?」

「アンタあ、『牛田』から、青バス(広電バス)で『翠中』(翠町中学校)のとこまで来とったじゃろ?」

「ああ、『翠町』のアンサン家(ち)によって、そこから、アンサンと一緒に、『皆実高…』、いや、高校に行くようになったさかいな」

「アンタあ、『皆実高校』に行くんに、そうような面倒なルートをとることにしたねえ。よほど、ワシのことが好きじゃったんじゃね?」

「アホ、誤解生むようなこと、云うんやあらへん。アンサンと仲は良かった、ただそれだけのことや」

「よう『間違い』が起こらんかったもんじゃ」



「バカか!『間違い』なんか起きへん!」

「でも、アンタが青バス(広電バス)で降りたバス停は、『中国自動車学校前』じゃったじゃろ?それは、『間違い』ないじゃろ?」

「あんなあ、態と紛らわしい言葉遣いするんやないで。でも、確か、そないなバス停やった、と思うで」

「自動車教習所の『中国自動車学校』の横の土手上にあったんが、『宇品線』の『丹那駅』なんよ。ワシん家(ち)は、ワシが幼稚園の頃まで『宇品』の長屋に住んどったけえ、ワシの父親は、『丹那駅』から『宇品線』で『トーヨー』(東洋工業)まで通っとったんよ。その頃はまだ、『トーヨー』の宇品工場から『向洋』の本社までの『東洋大橋』ができとらんかったけえ、『広島駅』まで行って、乗り換えて『呉線』で『向洋』まで行かんといけんかったんよ」

「そりゃ、えろう遠かったやろな」

「での。『宇品線』は、大昔は勿論、蒸気機関車じゃったと思うけど、ワシが物心つく頃にゃあ、確か、『ディーゼル車』じゃったんよ。父親は、『ディーゼル車』で『トーヨー』まで通うとったんよ。じゃけえ、『ディーゼル』は懐かしいんよ」

「はあ~…」


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「(アイツ、『ディーゼル』という言葉だけで、ベンツとは何も関係ない、自分の思い出を語りやがって。でも、『牛田』からアイツの家経由で『皆実高校』まで通ったのは確かで、それはそれで懐かしい)」


と、ビエール・トンミー氏は、まだ穢れを知らなかった高校生の自分の姿を思い出していた。


(続く)






2024年6月26日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その531)

 


「(問題は、『94万円』という数字ではないんだ。『94万円』でも『93万円』でも『90万円』でも、はたまた、もう少し低い金額で、例えば、『80万円』でもいいんだ。追加で払うには、そういった金額は、ちと大き過ぎるんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、『梅ベンツ』と『松ベンツ』との価格差についてそう思っていたが、友人のエヴァンジェリスト氏は、『94万円』、『93万円』という数字に拘ったiMessageを送ってきた。



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「『94万円』いうたら、『93万円』の壁を超えとるじゃないねえ」



「『93万円』の壁?なんや、それ?あ、それ、どないでもエエ。答えんでエエ」

「自治体によって違うかもしれんけど、パートの主婦なんかが、『93万円』を超えたら、住民税の均等割を払わんといけん『かもしれん』壁じゃないねえ」

「どうでもエエがな」

「アンタあ、パートの主婦にとっちゃ、重要なことなんよ」

「ワテ、『93万円』なんて云うとらへんで。『94万円』云うたんや」

「『94万円』も大変な金額でえ。東京都の職員の去年(2023年)の冬のボーナスの平均額が、『94万円』なんじゃけえ」

「また、デジタル・ハンターしたんやな。でも、そやねん。『94万円』はでかい金額なんや。で、ワテ、『梅』を選ぼうとしたんや。でも、価格だけやなかったんやで。先ず、『駆動方式』の問題もあったんや」

「ああ、『ヤナセ』で対応してくれたんが、『工藤』さんじゃったんじゃね。『工藤』さんが、『梅』を勧めたん?」

「ふん!くだらん。真面目に聞きいな。エエか、新型『Eクラス』の駆動方式は、こうなってんねん。


・松→「プラグインハイブリッド」(ガソリン駆動+電気駆動)

・竹→ディーゼル駆動

・梅→ガゾリン駆動


となってんねん」


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「(ようやく、『松ベンツ』を語れるぞお)」


と、ビエール・トンミー氏の目尻と頬とは、ようやく緩んだ。


(続く)






2024年6月25日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その530)

 


「(尤も、今回のボクのベンツ選びも、アイツと同じようなものだったんだ、最初は)」


と、ビーエル・トンミー氏は、自然に、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の呪縛を逃れ、本来のテーマへと立ち戻り、エヴァンジェリスト氏にベンツ選びの経緯の解説を始めるiMessageを送った。



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「ああ、アンサン、ひねくれもんやさかいなあ。でも、ワテのベンツ選びも同じようなもんやったんや」

「あれ?アンタの『アレ』も捻れとるん?ワシのは、ちょっと『右旋』な感じなんよ。『BS松竹東急』、『BSよしもと』、『BSJapanext』なんかと同じかもしれん。アンタの『アレ』は、『左旋』なん?」



[参照:チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その417)



「またオゲレツかいな。アンサン、どこからでもオゲレツに持って行くんは、ある意味、大したもんやけど、ワテ、今、真面目に話してんのや。ちゃんと聞きいな」

「ああ、アンタ、金持ちじゃけえ、迷わず、ベンツも『松』にしたんじゃね」

「ちゃう、ちゃう。ワテも、最初、選ぼうとしたんは、『梅』やったんや。一応、確認の為、説明しとくけど、ベンツの新型『Eクラス』には、3種類のグレードがあんねん。『松・竹・梅』で、『松』が勿論、最上級なんや。あ、ここで、『勿論』ちゅう言葉に拘ったらアカンで。兎に角、『松』が最上級やねん。で、ワテが選ぼうとしたんは、最初は、『梅』やったんや」

「ああ、アンタ、恥を知る男じゃけえね。金持ちが、『松』を選ぶんは、如何にも感じで、下品いうか、成金のすることみたいに思うたんじゃろ?」

「まあ、考えてみたら、確かに、無意識裡かもしれへんけど、『恥を知る』ワテやさかい、そないな要素もあったかもしれへんな。でも、意識下では、ワテは、車両価格のいっちゃん安い『梅』を選ぼうとしたんや。何しろ、『松』の価格は、『梅+94万円』なんやで」

「おお!『94万円』!『93万円』を超えとるじゃないねえ」

「なん、当り前のこと云うねん」


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「(アイツ、『93万円』で何を云いたいのか知らないが、こうやっていつも他人の話の腰を折ってくるんだ)」


と、口中で呟いたビエール・トンミー氏は、唇を歪め、不快さを表した。



(続く)






2024年6月24日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その529)

 


「(アイツ、ここで何を云っても、結局、自分の云いたいことを云ってしまわないと気が済まないんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと50年らいの友人であるエヴァンジェリスト氏の性向を見抜いていると、まさにその通り、エヴァンジェリスト氏は、デジタル・ハンターして仕入れた知識を構わず披露し続けるiMessageを送ってきた。



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「そう、老婆でも少女でもええけど、『ゴルディロックス』は、クマさんの家に入って、そこに置いてあったお粥3つの内、一番熱いんでもなく、一番冷たいんでもないんを食べ、3つあった椅子の内、固すぎるんでものう、柔らかすぎるんでもないんを選んで座ったんじゃと」

「要するに、人間は、なんでも真ん中の無難なんを選びがちや、いうことやろ。そんなん、知ってまんがな」

「ほうよね。ほいじゃけえ、アンケートなんかでも、3段階評価とか5段階評価があったら、真ん中のを選びがち、いうか、少なくとも一番ええんとか一番悪いんとか選ばん人が多いんよね」

「ワテもせやで」

「ワシは、ええもんはええ、と一番ええんを選んだり、悪いもんは悪いと一番ダメなんを選ぶようにしとるで」



「ああ、アンサン、確かに、『極端の回避性』やのうて『極端の選択性(選択性向性)』があるで。アンサンのオゲレツは、『極端』や」

「この『極端の回避性』、『ゴルディロックス効果』を利用して、真ん中のもんを選ばせるように仕向けたり、真ん中んが一番売れるじゃろうと、そこのとこんを一番用意しとくようにする商売を『松竹梅商法』いうんじゃと」

「ああ、ようある商売の方法やな」

「でも、ワシは、そうような誘導には乗らんで。ワシは、金がないけえ、『松・竹・梅』とあったら、迷わず、一番安い『梅』を選ぶけえ」


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「(そうだ、アイツには、昔から、『普通』というものは通じないんだ)」


と、ビーエル・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏が、50年余り前、『広島皆実高校』1年7ホームで、『何会』という何をするのか不明な会を主宰し、自分を強引に会員にしてきて以来の、彼の奇怪な言動の数々を思い浮かべた。


(続く)






2024年6月23日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その528)

 


「(そういえば、お酒の『松竹梅』のCMは今、誰がしているんだろう?あ、いかん、いかん。そんなことどうでもいい)」


と、ビエール・トンミー氏が、危うく友人のエヴァンジェリスト氏の術中に嵌りそうになっていると、エヴァンジェリスト氏からは、思いがけず、やや学術的なと云えなくもないiMesageが入ってきた。



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「『松・竹・梅』が、その順番での序列があるんは、確かに、その方が云いやすかったけえ、いう説もあるらしいんよ。でも、松は仙人が食べるけえ一番じゃ、とか、縁起物とされるようになった歴史の順じゃあ、いう説もあるらしいんよ。松が縁起物になったんは平安時代で、竹は室町時代、梅は江戸時代からなんじゃと」

「またデジタル・ハンターしたんやな」

「でものお、『松・竹・梅』にゃあ、元々、序列はなかったんじゃと。『鶴亀』も、『鶴』と『亀』とで、どっちも目出度いけど、どっちが上いうことないじゃろう?『鶴』は千年で『亀』は万年じゃけど、『亀』の方が上いうことはない…あ、アンタにゃ、『亀』の方が大事なんじゃろうけど。アンタの『亀』さんは、最近、ちょっと元気ないんじゃろうけど」



「ちょっと油断すると、またオゲレツや」

「ほいじゃけど、現実には今、『松・竹・梅』には序列があって、商売じゃあ、それを利用したりするんよねえ。『うな重』注文するんも、『松』でも『梅』でものうて、『竹』を注文する人が多いじゃろ?」

「ああ、せやな。ワテも『竹』を注文するで、普通」

「そういうんを『極端の回避性』とか『ゴルディロックス効果』とかいうんじゃと。『ゴルディロックス効果』の『ゴルディロックス』は、イギリスの童話の『ゴルディロックスと3匹のくま』に出てくる少女の名前なんじゃそうなんよ。『ゴルディロックス』(Gold『金』にlock『髪』いうことらしいけど、なんでか、よう分からん)は、元々は老婆じゃったけど、その童話が段々、子どものしつけ向けになるようになって、少女になったらしいんじゃけど」

「なんや、また、ごちゃごちゃと。どっちでもエエがな」


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「(おいおい。アイツ、また、どうでもいい話を始めやがったぞ)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏からの退屈なiMessageが映ったiPhone14 Proの画面から視線を外した。


(続く)






2024年6月22日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その527)

 


「(アイツだって、『松・竹・梅』くらい知ってるだろうから、そこからまた無理矢理、『うな重』とか『寿司』の『松・竹・梅』かなんかの話に持って行こうとしているのか?)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の出方を想像していると、その想像通りと思われるiMessageが、エヴァンジェリスト氏から送られてきた。



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「確かにのお、『寿司』なんかじゃったら、『松・竹・梅』の『松』が最上級じゃあ、思うんよ」

「当り前や」

「おお、そこなんよ!『当り前』いうところなんよ」

「なんや、またなんか文句いいかいな」

「なんで、『松』が最上級なん?」

「え?」

「なんで、『梅』が最下級なん?」



「あ…」

「『松』より『梅』の方が背が高いけえなん?いや、『松』より『梅』の方が背が高いとは限らんじゃろ?『松』の方が『梅』より綺麗なん?花は、『松』より『梅』の方が綺麗なんんじゃないん?まあ、綺麗いうんは主観の問題じゃけえ、一概には云えんけど」

「あんなあ、アンサン、またぐちゃぐちゃ云いよるけど、せやったら、『松・竹・梅』(しょうちくばい)は、素直に受けれいられるけど、例えば、『梅・竹・松』(ばいちくしょう)じゃったら、なんか文句云うとるみたいで、収まり悪いで」

「おお、アンタあ、さすがじゃねえ!」

「確かに、『裕さん』や『渡さん』が(云うか、『裕さん』や『渡さん』のCMは)、『松竹梅!』(しょうちくばい!)じゃけえ、エエよね。若い『裕さん』にゃあ、『憎いあンちくしょう』いう映画もあったけど」

「まだ『石原プロ』かいな。もう『石原プロ』は解散したんやろに。でも、『松竹梅!』(しょうちくばい!)やさかい、エエやろが」


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「(また、『石原プロ』か。もう賞味期限切れだろうに)」


と、ビエール・トンミー氏は、頬にうんざり感を出しながらも、久しぶりに出てきた『石原プロ』にどこか懐かしさを感じていた。


(続く)






2024年6月21日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その526)

 


「(そうだ、語るぞー!ボクは、新しいEクラスが待ち遠しくて堪らないんだ!)」


と、ビエール・トンミー氏が、意気込みを両肩を上げることで示した時、友人のエヴァンジェリスト氏から、その意気込みをやや削ぐような無礼なiMessageが入ってきた。



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「ええよ。ワシ、我慢するけえ」

「我慢!?なんが、我慢なんや!こっちが、どんだけ我慢してきたと思うてんのや?」

「でも、ワシ、アンタを舐めとらんよ」

「何、云うてんのや。アンサン、ワテのこと、舐めまくりやないか!」

「アンタこそ、何、云うとるん?ワシ、ベロ(舌)でアンタの体、舐めとことなんか、『広島皆実高校』1年7ホームで出会うてから一度もないけえ」

「へっ!ベロ(舌)でワテの体、舐めるっ!?」

「でも、アンタあ、ベロ(舌)で、しかも、『超長舌(ベロ)』で、ワシの体、舐めよういうんじゃろ、今から?」



「ど、ど、ど、ドアホめがあ!」

「気持ち悪いけど、アンタ、大事な友だちじゃけえ、ワシ、我慢するで。でも、舐められて、間違うて『その気』にならんよう、なんか別のことを考えるようにするけえ」

「我慢せんでエエ。いや、間違うても、誰がアンサンの体なんか舐めるかいな。くだらんこと云うとらんで、エエから、ワテの『松ベンツ』話聞きなはれ」

「『松ベンツ』?」

「せや、『松ベンツ』や。新型Eクラスには、3種類のグレードがあんのや。『松・竹・梅』で、『松』が勿論、最上級やねん」

「『勿論』?」

「んん?」


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「(なんだ、なんだ?ようやく、こっちが『松ベンツ』を語ろうとしているのに)」


と、ビエール・トンミー氏は、出鼻を挫かれた不機嫌を、まさに鼻を歪めることで表した。


(続く)






2024年6月20日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その525)

 


「(そうだ、そうだ。アイツの身代金を払う、払わない、というクダラン話をしていたんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、ようやく動揺から脱却できそうでいると、友人のエヴァンジェリスト氏から、挑発的ながらも、むしろ結果として、ビエール・トンミー氏を『生き返らせる』iMessageが入った。



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「アンタあ、ベンツを買い換える程の金はあるんじゃろ?新しいベンツと世界でただ一人の友人のワシのどっちが大事なん?」

「そら、決まってるやろ。新しいベンツや!」

「アンタあ、そうように冷たい人間じゃったん!?ああ、『凍結』したけえなん?」

「五月蝿いで。もう、『凍結』の話はエエ。ワテ、2月に新しいベンツを注文したんや。納車は、8月やねんねどな」

「外観が新しゅうなって、強力なターボ・エンジンを搭載し、車内のシートがより快適になり、一流のクルマとなっとるん?」

「なんや、またデジタル・ハンターしたんやな」

「2月に、ヤナセの芝浦に行ったんはこの為じゃったんじゃね」

「そーや。試乗したんけど、内装は宇宙船みたいやったで」



「EVじゃないんじゃね?『MBUX スーパースクリーン』はええん?」

「ワテ、今回のEクラス購入は、『冷静に血迷って』決定したんや。ワテ、長年の念願であった新型のEクラスを購入してもた。今興奮しとる。せやから、アンサンは、今からワテの超長舌を聞かんとアカンで」

「ええー!アンタの『超長舌』!」

「なんや、文句あんのか?!いつも、アンサンのくだらんオゲレツ話に付合うたってるやろが」

「そう云われたら、ワシ、弱いのお。しょうがないのお」

「おお、観念したか」


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「(いや、観念も何も、アイツも少しは、こっちの話に付合ったってバチは当たらんだろう)」


と、ビエール・トンミー氏は、『凍結』状態が解かれた、再び、体に温もりを感じた人間のような笑みを頬に浮かべた。


(続く)






2024年6月19日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その524)

 


「(不整脈にはなっていないが、ドキドキは収まらない)」


と、ビエール・トンミー氏が、不安に駆られたままになっていると、その不安をさらに掻き立てるようなiMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。



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「アンタが、いや、騙されてしもうた男が、電話した銀行の『緊急番号!』がほんまもんじゃったら、大丈夫じゃろう」

「『ほんまもんじゃったら』?え!?あの電話番号も偽モンなんか?」

「あの電話番号?」

「いや、『その』電話番号や。そう、その『緊急電話番号!』に、直ぐに停止の連絡して今は、銀行の『ダイレクト』が使えん状況になっとるから、大丈夫や。あ、大丈夫や、と思うんやないか?」

「まあ、盗られてもせいぜい26億円くらいじゃろうけえ、心配いらんじゃろ」

「今のワテには冗談は通じんで。いや、騙された男の身になって考えたら、のことや。明日、朝9時に、銀行の対応デスクに電話や。とりあえず無事なことを確認したいし、被害を報告したいやろ、と思うんや。騙された男は、オータニさん程の大物やあらへんやろから、『26億円』は痛い..はずや」

「いや、オータニさんも驚く程の『大物』じゃろ。何しろ、『原宿の凶器』じゃ。『黒い巨砲』、『スゴい巨砲』じゃ」

「冗談は通じんて」

「まあ、アンタの、まあ、その口座は大丈夫じゃ」

何でわかるんや?」

「直ぐに凍結したんじゃけえ、問題ないで」



「そやな、誤って入力して、直ちに『オカシイ』と判断して、直ぐに銀行に連絡して止めた、んやろから大丈夫やな。悪人が大量のメッセージを出して、そ結果を確認して罠にかかったモノを回収するには時間がかかるよな。コレ気が付かんでそのままにしてたら確実に盗まれてたな」

「ほいじゃったら、ワシの身代金、払う余裕はあるじゃろう?」

「あ!せやった!」


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「(あ、そうだ!『あのこと』を危うく知られるところだった)」


と、ビエール・トンミー氏は、『あのこと』が既にバレていることに気付かない程、未だ動揺しているのであった。


(続く)






2024年6月18日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その523)

 


「(普通だったら…普通だったら…)」


と、ビエール・トンミー氏の頭の中で、繰り言が木霊していると、友人のエヴァンジェリスト氏から、その頭の中に入り込んでくるようなIMessageが入った。



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「でも、ワシのお客さんにゃあ、心配なメッセージが来て、どうしても気になる場合は、そのメッセージにあるURLをクリックするんじゃのうて、その銀行なりの公式HPから入って、対応するもんよ、と注意しとる」

「ソレは、百も承知、二百も合点のことやったんや…やろうけどな」

「詐欺を仕掛けてくる連中は、万に一の偶然に掛けてくるんよ」

「つい、『ああ、○○生命のことやな』と何も考えんでクリニックしてしまったんや…しまうんやろうなあ。恐ろしいで」

「アンタあ、もう立派なひっかりやすい高齢者の仲間入りじゃ」

「え?ワ、ワテはちゃう、ちゃう。ワテは絶対にそんなアホメッセージには引っ掛からん、と思うてた….と思うてたし、引っ掛からへんで。でも、銀行の『緊急電話番号!』に電話して、直ちに停止処理した…らエエんや」

「今日は、土曜日でえ。土曜日に入金とかの処理はされんで」

「そうやな。銀行は休みやな。こんな夜にこんな内容の知らせがメッセージでくる訳ないよな….と思わなな」

「やっぱり、ついさっきの話なんじゃね?」

「え?いや、土曜日の今日のことやったら、おかしいと思わなアカンちゅうことや。けど、ホンマに恐ろしいで。さっきは自動的に反応してしまった、ちゅう感じやろな」

「アソコも自動的に『反応』するようになったらええのにのお」

「今のワテには、いや、今のワテやったら、いやいや、アレがワテやったら、アンタのソレをイジる余裕はないで」

「アレとかソレとか、よう分らんけど、アンタあ、不整脈は大丈夫か?」



「心配や、心配や、ワテやったら。まあ、不正脈は大丈夫や。でも、口座は大丈夫やろか、と思うやろな、ワテやったら」


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「(気付いて直ぐに停止してもらったから、大丈夫とは思うが…)」


と思うビエール・トンミー氏の眉毛は、『への字』になっていた。


(続く)