2024年9月17日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その614)



「(アイツ、ボクに、『生粋の栃木の人が広島弁を喋ったらおかしい』、と云われて窮しながら、映画の『クレオパトラ』を思い出して、誤魔化すどころか、デジタル・ハンターの腕を生かして、逆襲してきたんだ)」


と、ビエール・トンミー氏が、一転して窮地に追い込まれた蚊のようになっている己を自覚していると、意外にも、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から、反省の弁のiMessageが入ってきた。



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「ワシ、間違うとったみたいじゃね」

「なんや、殊勝やないか?」

「いや、ワシの名前、『フミオ』じゃないで」

「『殊勝』で『首相』か。くだらん!」

「じゃあ、『シンジロー』の方がええ?」

「もっとくだらん!『今のままではいけない、だからこそ日本は今のままではいけないと思います』てか!」

「いやの、問題は、首相じゃないんよ」

「当り前や」

「問題は、英語なんよ。英語いうもんができたんは、なんか、西暦5世紀頃らしいんよ。今のデンマークやドイツ北部からゲルマン系の人たちがブリテン島に移り住むようになって、その人たちの言葉が元になって、古代英語いうんかの、それができたらしいんよ」

「それも、デジタル・ハンターか」

「での、『クレオパトラ』が生きとったんは、紀元前じゃけえ(紀元前69年生で、紀元前31年没なんじゃと)、『クレオパトラ』が英語を喋れるはずはないんよ。じゃけえ、『エリザベス・テーラー』の『クレオパトラ』が、英語を話しとったんは、『エリザベス・テーラー』じゃったけえ、じゃろう思うんよ」

「『じゃろう』と思わんでも、そうや。アンサン、反省しとると思うたが、それはフリだけやな」

「んんや、『エリザベス・テーラー』の『クレオパトラ』の英語のことは、ワシの勘違いじゃったんじゃろうけど、映画の『誰がために鐘は鳴る』をワシ、途中まで見たままになっとるんじゃけど(大昔には見たんじゃけど)、これも、現地スペイン人たちが流暢な英語を話しとるんよ。じゃけえ、生粋の栃木の人が、広島弁を喋ってもええんじゃないん?」

「ああ、もうアンサンの戯言には付合わへんで。けどな、『エリザベス・テーラー』なんかの『クレオパトラ映画』とか、『ベンハー』や『十戒』ちゅう大型派手派手時代錯誤ハリウッド時代劇モンは究極のマガイモノや。皆、英語を喋っとるし、『なんちゃって」時代劇や」



「個人の感想です」

「ふん!」


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「(最近のテレビは、出演者が何か云うと、すぐ『個人の感想です』とテロップを出す。それで、テレビ局とかCMを出す会社は、自身の責任を回避しているつもりなんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、日頃、テレビを見ていて不満なことを、口の中で呟いた。


(続く)






2024年9月16日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その613)

 


「(『ロジェなんとか』って、フランス人みたいな名前だから、アイツ、この後、『SNCF』でもまた持ち出してくるんだろう)」


と、ビエール・トンミー氏が、『その手に乗るか!』と思っていた『その手』の主である、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の企みに乗りかけていると、まさにその『SNCF』に関係するような、関係しないようなiMessageをエヴァンジェリスト氏が送ってきた。



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「『ロジェ・マルタン・デュ・ガール』(Roger Martin du Gard)が、『SNCF』じゃのうて、『JR東日本』の電車に乗って、宇都宮辺りに行ったら、地元の人から、『ええ名前しとりんさるのお』云われるじゃろうのお」

「意味不明。いや、ちょっとまたんかい。宇都宮辺りの人いうか栃木の人が、『ええ名前しとりんさるのお』と、なんで広島弁を喋んのや?」

「栃木の人が、広島弁を喋ったらいけんのん?」

「そりゃ、広島出身の栃木の人やったら、広島弁を喋るかもしれへんけど、生粋の栃木の人やったら、広島弁を喋ったらおかしいで」

「でも、『クレオパトラ』は、英語を喋っとったで」



「んなことある訳ないやろ。『クレオパトラ』が英語を喋っとったいう文献なんかあらへんやろ」

「でも、ワシ、『クレオパトラ』が英語を喋っとるんを観たんじゃけえ」

「アンサン、『クレオパトラ』に会うたとでも云うんかい?」

「会うとらんけど、テレビで観たんよ。『エリザベス・テーラー』の『クレオパトラ』の英語は、上手かったで」

「なんや、映画かあ、くだらん!」

「一緒におったエジプト人もローマ人も皆、英語を流暢に喋っとったんよ」

「アンサン、真顔で云うてんのか?と、訊くんもアホくさいし、これ云うんもバカみたいやけど、ほんまもんのエジプトの『クレオパトラ』が英語を話す訳あらへん」

「でものお、『クレオパトラ』は、何ヶ国語も話せたらしいで。エジプトの『クレオパトラ』いうけど、『クレオパトラ』は、『プトレマイオス朝』の女王で、『プトレマイオス朝』はギリシャ人の王朝じゃけえ、確か、『クレオパトラ』以外の王は、ギリシャ語しか話しとらんかったけど、『クレオパトラ』は、ギリシャ語だけじゃのうて、エジプト語も話したし、エチオピア語、ヘブライ語、アラビア語、シリア語、メディアン語、パルティア語なんかも話せたいう説もあるらしいで」

「ふん。また、デジタル・ハンターかいな」


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「(チクショー!おかしいと思ってたんだ。バカバカバカ!)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏の戯言にまたまた付合ってしまっている自分を責めた。


(続く)






2024年9月15日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その612)

 


「(『岸洋子』が悪いんではないんだ。『♩きぼ~というなのお』という歌は、『希望』という曲だったか、しっとりしたいい歌だと思う。でも、『岸洋子』が、『希望』が、なんだ?というんだ。『希望峰』に引っ掛けてきただけなんだろうけど)」


と、ビエール・トンミー氏が、頭の中で、『♩きぼ~というなのお』という歌を聴きながら、アフリカの地図を思い浮かべていると、その音と映像を見たかのようなiMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。



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「アンタあ、まだ分っとらんのじゃろ?『♩きぼ~というなのお』を、『キボーホー』に引っ掛けたくらいにしか思うとらんじゃろ?」

「それだけやろに。ほんまクダランで」

「『♩きぼ~というなのお』は、『希望』いう歌なんじゃけど、『キボーホー』とは関係ないんよ」

「ああ、関係ないやろな」

「でも、ワシ、『希望峰』の『希望』いうんが分からんけえ、『希望』いう歌みたいに、『希望』はどこに行ったか、どこに行ったらあるんか、分からん、云うとるんよ」

「ほんまゴチャゴチャと。意味不明や。エエ加減にしいや!」

「『エエ加減』にして欲しいんは、ワシの方じゃけえ。ワシ、アンタが云う、<『バスコ・ダ・ガマ』が、インドへの航路を開拓した際に通った南アフリカの岬>の『キボーホー』は、知っとるけど、『希望峰』は知らんのんよ」

「へ?アンサン、論理破綻やで。『希望峰』は、知っとるけど、『希望峰』は知らん、てな」

「ワシ、そういうこと云うとらんけえ」

「お、開き直りか?」

「アンタあ、<『バスコ・ダ・ガマ』が、インドへの航路を開拓した際に通った南アフリカの岬>の『キボーホー』が、『希望峰』じゃ、なんて、ワシ、『東京ぼん太』な気分にもなるでえ。あ!間違えんさんなよ、『東京ぼん太』いうても、『イロイロあらあな』じゃのうて、ワシじゃけえ『エロエロあらあな』じゃ、思いんさんなよ」

「また勝手に、『間違えんさんなよ』やな。間違えるかいな、『東京ぼん太』いうたら、『夢もチボーもないね』や。そのくらい、ワテかて知ってまんねん。丁度、広島に引っ越してきた頃、活躍してたんや」



「アンタ、まさか、『夢もチボーもないね』を『ロジェ・マルタン・デュ・ガール』(Roger Martin du Gard)関係の発言じゃあ、思うとらんじゃろうねえ?」

「思うとらん!」


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「(『間違えるな』、『関係ない』の連発だ。その手に乗るか!)」


と、ビエール・トンミー氏は、企み顔で凝視めてくる友人のエヴァンジェリスト氏の像を思い浮かべ、その像に向かい、鼻であしらうように顎を斜めに少し上げた。


(続く)






2024年9月14日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その611)

 


「(アイツのボケに付合うつもりはないが、『岸洋子』て、えーと…誰だったかなあ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、迂闊にも、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏のボケに乗りかけていると、エヴァンジェリスト氏から、更に意味不明で、翻弄してくるiMessageが入ってきた。



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「あ、『岸洋子』いうてもアンタと同い年じゃった男のお母さんのことじゃないけえね」

「ふん!ワテの同級生は勿論、知り合いにも、『岸』いう人間はおらへんで」

「『デンデン』(云々)よおねえ」

「『デンデン』(云々)...あ、あの男か!あの男は、『岸』いう名前やあらへんかったやないか」

「お母さんは、昔、そう、結婚前は(要するに、旧姓は)、『岸』じゃったじゃないねえ」

「ああ、そういうことなんやな。相変らず回りくどい云い方やで。なんにしても、ワテは、あの男やあの男に関することは、話しとうあらへん」

「ワシも、あの男やあの男に関することは、話したいんじゃないんよ。『岸洋子』いうてもあの男のお母さんのことじゃないんじゃけえ。『ニキカイ』とも関係のあった『岸洋子』のことを云うとるんよ」

「『ニキカイ』?」

「でも、『林家三平』とは関係ないけえ」

「またや。また、『関係ない』云うて、『関係ない』話に持ってくんや」

「『ニキニキニキニキ二木の菓子』とは関係のうて、『どうもすみません』」

「ふん!くだらんちゅうか、『二木の菓子』で『ニキカイ』は、相当無理があんで」

「そうらしいんよ。『岸洋子』は、『ニキカイ』続けるん、無理があったらしいんよ」

「意味不明や」

「『岸洋子』は、東京藝大声楽科の出身での、在学中に『二期会』の研究生になって、オペラ歌手を目指したけど、病気で断念し、シャンソン歌手となったんじゃと」

「ああ、歌手やな。歌手の『岸洋子』のことやったんやな。せやったら、端からそう云うたらエエんや。けど、歌手の『岸洋子』が、なんやちゅうねん?」

「じゃけえ、ワシ、『岸洋子』な気分になるんよ」

「またまた意味不明や」

「じゃって、アンタ、ワシに、<『希望峰』を知らん訳ないやろ>と云うたじゃないねえ」

「ああ、云うたで。で、アンサン、『希望峰』を知らんと云い張ったんや」

「じゃけえ、『岸洋子』みたいに、『♩きぼ~というなのお』いう気分なんよ。汽車に乗って『希望というアナタ』を訪ねようかあ、思うんじゃけど、『希望というアナタ』はどこに行ったか、分からんのんよ」



「はあああ~ん?」


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「(ああ、回りくどいし、説明もくどいし、本当にイライラさせる奴だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、iMessageの文字で『♩きぼ~というなのお』と唄って来た友人のエヴァンジェリスト氏へのイライラから、iPhone14 Proを持たぬ左手で、頭をゴリゴリと掻いた。


(続く)






2024年9月13日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その610)

 


「(あの娘と何回も偶然に会ったのは、考えてみれば、運命的とも云える。なのに、どうしてボクは『行動』に移さなかったんだろう?『行動』に移すには、あの娘は清純過ぎたのかもしれない)」


と、ビエール・トンミー氏が、今更ながら、若干の後悔の念を抱いていると、友人のエヴァンジェリスト氏から、『「会うたんやから、しゃあないやないか」』という言葉尻を捉えるiMessageが入ってきた。



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「ええ!?アンタ、『ヴェリテ』さんに電車で会うんを『しゃあない』と思うとったん?」

「いや、そういう訳やあらへん」

「じゃあ、嬉しかったん?」

「そらまあ、なかなかイイ娘はん、感じのエエお嬢はんやったさかい、会えて、悪い気はせんかったで」

「え?会うて、『悪い気』を起こしたん!?」

「今度は、言葉尻を捉えるんやのうて、聞いた言葉を捻じ曲げるんか!」

「でも、『パスコだ!ガマンできん』かったんじゃないん?」

「それや!そもそも、そこから捻じ曲げてきてんのや、アンサン」

「どこの『底』から捻じ曲げたあ、云うん?『底』いうんは、アンタのお尻のことなん?ワシ、アンタのお尻、触りとうないし、触って捻じ曲げとうないけえ」



「ああ、ワテも触られとうない。アンサンがそもそも捻じ曲げてきたんは、『バスコ・ダ・ガマ』や。『バスコ・ダ・ガマ』を『パスコだ!ガマンできん』と捻じ曲げてきたんや」

「何、云うん!ワシ、『バスコ・ダ・ガマ』で『パスコ・ダ・ガマンデキン』とボケるつもりもないけえ、云うたで」

「それが、アンサンのいつもの手や。『~するつもりはない』と云うて、でも、それは言葉だけで、実際には、『~するつもりはない』ことに話を持ってくんや。『バスコ・ダ・ガマ』とは、全く関係あらへん『パスコ』に話を持ってったんや」

「違うけえ、ワシ、『パスコ』に話を持ってくつもりなかったのに、アンタが、<『パスコ』!?>云うて、懐かしみ始めたんよ。『ヴェリテ』さんのこと、懐かしかったんじゃろ?」

「まあ、『ヴェリテ』はんのことは、懐かしい思い出や。あ、ちゃう、ちゃう!もう、『パスコ』のことは、どうでもエエんや。問題は、『バスコ・ダ・ガマ』や。『希望峰』や。アンサン、『希望峰』のことを、知らん、とボケてきたんや。フランス文學修士様のアンサンが、『希望峰』を知らん訳ないやろ」

「知らんもんは、知らん。ワシ、『岸洋子』な気分じゃ」


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「(来た、来た、来た!また、来たぞ!懲りずに、また、ボケをかましてくるつもりだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、戦闘意欲を脳内での腕捲りで示した。


(続く)






2024年9月12日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その609)

 


「(あの『パスコ』の娘とは、本当に何もなかったんだ。まあ、『その気』が全くなかったと云えば、嘘になるかもしれないが)」


と、ビエール・トンミー氏の視線が自然に股間に落ちた時、友人のエヴァンジェリスト氏から、懲りない疑念のiMessageが入ってきた。



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「ふ~ん。偶然のお。で、その偶然の後、『もう少し静かに話せるところにでも行きませんか』と云うたんやな」

「妄想はいらん」

「ああ、そう妄想せんで、直ぐ行動に移したんじゃね!」

「ちゃう、行動には移さへんかったんや。いや、ちゃう、ちゃう。そもそも妄想なんかしーへんかったんや、確か]

「『確か』?」

「五月蝿い!妄想してんのは、アンサンや。ワテと『ヴェリテ』はんは、ただ電車中で隣になって、話しただけや。『津田塾大学』英文学科の学生で、KDDで海外通話の交換手のアルバイトもしてる、と話くれたんや」



「ほんまに、それだけなんか?」

「まあ、その後も、何回か、電車で一緒になったことがあって、その内の一回は、ワテが帰省の為に岡山から新幹線で帰って来て、その時の電車で会うたんや」

「奥様は、アンタと『ヴェリテ』さんの『逢瀬』のことは、知っとってんねえ?それとも、内緒にしとるん?」

「家内は、知らへんで。結婚前のことやし、『ヴェリテ』はんとは、別に何もなかったんやさかい、家内には話すも話さないもないんや。内緒話にするまでもないことや」

「それにしても、そうように何回も偶然に会うもんかのお」

「会うたんやから、しゃあないやないか」


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「(確かに、アイツの云うことにも一理はある。あんなに何回も、あの娘と偶然に会うものだろうか?)」


と、ビエール・トンミー氏は、普段は馬鹿にしているアイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の論を、ふと認めてしまっていた。


(続く)






2024年9月11日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その608)

 


「(ただ、『パスコ』は懐かしい。パンも美味しかったし、あの娘のことも懐かしい思い出だ)」


と、ビエール・トンミー氏が、口の中と心の中に、健全な甘いものを感じていると、そこに苦味をぶち込んでくるようなiMessageが、友人のエヴァンジェリスト氏から届いた。



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「そうなんよ。そこは、どうでもええんよ、『リサとガスパール』は。ワシを誤魔化しんさんなよ」

「何を誤魔化すいうねん?」

「『食べた』んじゃろ?」

「そら、当り前やないか」

「『パスコだ!ガマンできん』かったんじゃね!?」

「その云い方は、気に入らへんけど、美味しいもんやったさかいな」

「そうように美味しいかったん?」

「ああ、美味かったで」

「齧り付いたん?」

「んん?ちょっと気になる云い方やけど、齧り付いた、いうたら、まあ、そういうことになるんやろな」

「どこから齧り付いたん?」

「どこから?そりゃ、端からやろ」

「ええー!『ヴェリテ』さんの手か足の指からいったん?アンタあ、本当に変態じゃねえ」



「はあーっ!そういうことか!アンサン、また、話をオゲレツに持ってってたんやな。ほんまエエ加減にさらせよ!『ヴェリテ』はんは、清純なお人やったんや。ワテ、『ヴェリテ』はんとは、な~んもあらへんのや。お馴染みになってオマケにパンをくれるようになって一言二言話すようになっただけなんや、と云うたやろ」

「本当にそれだけなん?」

「あ、ある日、電車で偶然、隣りになってよく話したこともあったで」

「偶然?」

「ああ、偶然や。アンサンとはちゃうで」


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「(そうだ。アイツは、好きな女の子が、大学まで通学するのに乗っていたバス路線を調べ上げ、その娘が乗ってきそうな時間を狙って、バスに乗ったんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の若き日の所業を批判的に思い出した。


(続く)





2024年9月10日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その607)

 


「(じゃあ、アイツ、どう方向転換するんだ?あ、いかん、いかん)」


と、ビエール・トンミー氏が、自身が疑問を抱いたことを失態と認識した時は既に遅く、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から二の矢のiMessageが飛んできた。



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「アンタ、勘違いしんさんな。ワシ、『バスコ・ダ・ガマ』で『ガマガエル』とボケるつもりもなけりゃあ、『バスコ・ダ・ガマ』で『パスコ・ダ・ガマンデキン』とボケるつもりもないけえ」

「『パスコ』!?」

「おお、思い出したん?」

「『パスコ』て、パン屋やな?」

「我慢できんかったんじゃろ?」

「また、意味不明や。あ、でも、説明いらへん」

「と、誤魔化すつもりなんじゃね」

「何を誤魔化すちゅうんや?」

「『ヴェリテ』さん、いうんじゃったかのお?」

「『ヴェリテ』….はっ、『ヴェリテ』はん?!」

「ふふ。懐かしいん?『パスコ』の店員じゃったんじゃろ?」

「ああ、あの娘か。スゲー可愛い娘で、ワテが会社の帰りにいつも買うてると、お馴染みになってオマケにバンをくれるようになって、一言二言話すようになったんや」

「オマケにもろうたんは、パンだけなん?」

「『パスコ』には、特別なグッズ、ノベルティちゅうんか?そないなもんあらへんかった、と思うで。『不二家』なら、『ペコちゃん』があるんやろけど」

「今、『パスコ』は、『リサとガスパール』いう、『ゲオルク・ハレンスレーベン』いう絵本作家の絵本に出てくる動物をCMに使うたり、キャラクター・グッズにしとるみたいで。で、『リサとガスパール』は、何の動物なんか、知っとる?」

「知るかいな」

「画像を見ると、犬みたいでもあるし、でも、耳が長いけえ、ウサギみたいに、ワシには見えるんよ」

「どうでもエエがな」


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「(ふん!くだらん。まあ、アイツの話は、いつもくだらんが、『リサとガスパール』か何か知らないが、犬だろうとウサギだろうが、本当、どうでもいい)」


と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、犬のような、でもウサギのような動物はどんな動物なのか、思わず、想像してしまっていた。



(続く)






2024年9月9日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その606)

 


「(いや、だけど、どうして、アイツから、『おお、アンタともあろう者があ』と云われないといけないんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、あらためて、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏からの批判を思い出していると、エヴァンジェリスト氏から逆襲のiMessageが入ってきた。



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「そもそも、アンタが、ワシに『おお、アンタともあろう者があ』と云わせるようなことを云うたんじゃないねえ!」

「そこや。なんで、ワテが、アンサンからそないなこと云われなあかんのや?」

「アンタ、『アフリカの希望峰やで。希望峰!バスコ・ダ・ガマの世界や。大航海やで』云うたん、忘れたん?」

「忘れるかいな。そや、ワテがそう云うたら、アンサン、『おお、アンタともあろう者があ』と云うてきて、『一日千秋』から『千秋』だの『アストンマーティン』の話に、持ってってもう鍛冶」

「ああだこうだ、云いんさんな。要するに、アンタ、『アフリカの希望峰やで。希望峰!バスコ・ダ・ガマの世界や。大航海やで』云うたじゃろ?」

「ああ、云うたで。それがなんやちゅうねん?」

「『希望峰』て、なんねえ?」

「アンサン、『希望峰』知らへんのか?」

「知らん」

「アンサン、オゲレツで『痴的レベル』高いだけやのうて、認めとうはないけど、どこぞやの『シンジロー』と違うて、『知的レベル』も高いやんか。『希望峰』を知らん訳ないやろ。『バスコ・ダ・ガマ』が、インドへの航路を開拓した際に通った南アフリカの岬やないか。あ、アンサン、ここで、『バスコ・ダ・ガマ』で『ガマガエル』とか、ボケるつもりやな」



「ボケとるんは、アンタじゃないねえ」

「なんやてえ!」


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「(アイツ、絶対、『ガマガエル』とボケるつもりだったんだ。それを見破られたから、方向転換してきたんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、慧眼な眼で、自室の壁の向こうに、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の姿を凝視した。


(続く)






2024年9月8日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その605)

 


「(ダメだと云っても、それに、誰や、『千秋』て、と聞かなくたって、結局、アイツは、『千秋』について説明してくるんだ」


と、ビエール・トンミー氏が、諦念から。自室の椅子に座ったまま項垂れていると、垂れた頭を上げさせない、予想通りのiMessageが、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏から入ってきた。



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「『千秋』云うたら、『ウッチャンナンチャン』の『内村光良』と『キャイ~ン』の『ウド鈴木』と作ったユニット『ポケットビスケッツ』(今は、活動休止中)のボーカルなんかもしとるタレントじゃないねえ」

「やからあ、ワテは、『松ベンツ』の納車を首を長~うして待ってんのや。それを『一日千秋』と表現しただけで、そのタレントが、『アストンマーティン』乗ってようが乗ってまいが、な~んも関係からへんのや」

「それじゃ、『アストンマーティン』と『千秋』が可哀想じゃ」

「また、余計な情報を云おうとしてんのやろけど、いらへんで」

「『ベンツ』は、『アストンマーティン』にAMGのエンジンを提供しとるし、出資もしとるじゃないねえ。それに、その『アストンマーティン』に乗っとる『千秋』じゃけど、お父さんは、『日本板硝子』の社長じゃっったんじゃけど、『日本板硝子』は、住友グループらしいけえ、アンタにゃ、余り関係ないじゃろうが、叔父さんは、『三菱電機』の社長、会長やった人なんじゃと」

「え?『三菱電機』の?」

「まあ、個人情報になるけえ、言及はせんけど、どうねえ?」

「まあ、関係全くないとは云えへんけど….けどや、誤魔化されへんで。ワテは、もう一遍云うけど、『松ベンツ』の納車を首を長~うして待ってんのや。『首を長~うして』いうんを、『一日千秋』と表現しただけやさかい、『千秋』も『アストンマーティン』も関係あらへんのや」



「おお、意志堅固、『高良健吾』(こうら・けんご)じゃね」

「その手には乗らへん。そのなんとか『健吾』の説明なんかするんやないで」

「なんちゅう、意志堅固、稲妻レッグラリアートの『木村健悟』!あ、『木村健悟』のことをプロレスラーじゃと思うとるじゃろうけど、もうプロレスは引退して、今は、品川区議会議員じゃけえ」

「五月蝿いで。兎に角、2月に注文した車が、ドイツのジンデルフィンゲン工場で完成して、自動車輸送専用船に乗せて、スエズ運河が通れず、アフリカの希望峰(!)周りで、インド洋、マラッカ海峡を越えて、地球を半周して日立に陸揚げされ、芝浦ヤナセまで陸送されて、そこから横浜のワテんちまで来るんやで。ええか、なんとアフリカの希望峰やで。希望峰!バスコ・ダ・ガマの世界や。大航海やで。ワテは、それを一日千秋の思いで、つまり、首を長~うして、待っとんのや」

「じゃけえ、『おお、アンタともあろう者があ』と、ワシ、云うたんよ」

「おお、せやった。で、ワテが、『なんや、文句あんのか!ワテはなあ、一日千秋の思いなんや』と云うてから、話が変になって行ったんや」


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「(そうだったんだ。『一日千秋の思い』と云っただけなんだ。でも、そこから『千秋』なんて何か知らないタレントや『アストンマーティン』に無理無理、話を持って行きやがって。アイツが『一日千秋』という言葉を知らないはずはないんだ)」


と怒りながらも、ビエール・トンミー氏は、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏の惚けた顔のその裏に潜む知性を思った。


(続く)






2024年9月7日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その604)

 


「(『遠藤周作』は、『狐狸庵先生』として惚けていたが、その実、『沈黙』で解る通り、『純文学』な作家であることは、『遠藤周作』に影響を強く受けたアイツは、誰よりも知っているはずなんだが…)」


と、ビエール・トンミー氏が、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏は、『遠藤周作』に影響を強く受け、『OK牧場大学』文学部に入り、更には、その大学院修士課程にまで進んで、『遠藤周作』に影響を強く与えた『モーリアック』の研究をしたことを思っていると、エヴァンジェリスト氏から、その思いを茶化すかのようなiMessageが入ってきた(まあ、いつも茶化しているのではあったが)。



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「あののお、『遠藤周作』は、子どもの頃、アンタみたいに花に水をやっとったんじゃと

「へ?ワテ、まあ、庭の花に水をやりはするけど、それがなんや、ちゅうねん?」

「まあ、アンタ、道端の花に『水』をやっとったらしいじゃないねえ」

「意味不明や」

「『プロの旅人』に書いてあったけえ」

「『あの男』(『プロの旅人』氏いうか、アンサンやろに)が何書いたか知らへんけど、どうせ碌でもない妄想や」

「アンタが道端の花にやっとった『水』は、普通の水じゃのうて、アンタの『凶器』から放った『水』じゃったんじゃろ?」



[参照]


【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その11]


【緊急衝撃特報】ナンパ老人、危機一髪![その12]



「アホか」

「そうよねえ。そうようなことするんは、アホなんよ。『遠藤周作』が花にやった水は、アンタの『水』と違うて、普通の水じゃったんじゃろうけど、『遠藤周作』は、子どもの頃、雨の日にも花に水をやっとんじゃと」

「そりゃ、ほんまもんのアホやな」

「じゃろ、『水』の種類は、違うけど、アンタも『遠藤周作』もアホじゃないねえ」

「ワテ、確かにアホやったんやけど、なんや、『遠藤周作』はんと同じにしてもらうんは、『遠藤周作』はんに申し訳ないでえ」

「でも、もうええよね。ワシ、もうあんたのオシッコの話なんか聞きとうないし、読者も聞きとうないじゃろ。アンタが、『キャロル』のプラモデル作ったことを懐かしんだりするけえ、話が逸れて行ったんよ。ワシは、『キャロル』のことじゃのうて、『アストンマーティン』のこと、話しとったのに」

「ああ、『アストンマーティン』や。けど、なんで、『アストンマーティン』の話になってたんや?」

「じゃって、アンタが、『一日千秋』云うたけえよね」

「ああ、それは云うたで。でも、 『一日千秋』がどないして『アストンマーティン』になんのや?あ、『千秋』が『アストンマーティン』に乗っとるけど、それは、『ちあきなおみ』じゃない、とか云うてたな。なら、誰や、『千秋』て?」


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「(あ、違う、違う!そういう問題じゃないんだ!)」


と、ビエール・トンミー氏は、誰も見ていない一人いる自室で、首を左右に振った。


(続く)






2024年9月6日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その603)

 


「(高速道路のオシッコのことは兎も角、さすがにプラモデルの『キャロル』にオシッコをかけたりはするもんか!)」


と、ビエール・トンミー氏は、違和感を覚えた尻をまた椅子につけ、言葉尻ばかりとらえてくる友人のエヴァンジェリスト氏に向け、怒りのiMessageを送った。



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「エエか、聞いとくんなら、ワテが、プラモデルの『キャロル』にオシッコでもかけたら良かった、云うたことをちゃんと覚えとくんや。それは、つまり、プラモデルの『キャロル』にオシッコでもかけてへん、ちゅうことやで。実際にはかけてへんさかい、『かけたら良かった』ちゅう表現になんのや。フランス文學修士様なら分るやろ?」

「そうなんよ、フランス文學修士じゃけえ、そこんとこ、よう理解できんかったんかもの」

「はあ?理屈に合わんこと云いよるで。フランス文學修士やさかい、言葉の理屈ちゅうもんがよう解るんやないか」

「じゃけえ、ワシ、日本文學修士じゃのうて、フランス文學修士じゃけえ、フランス語で云うてくれたんじゃったら、理屈理解できたかもしれんのんよ」

「ああ云うたら、こう云う、いう奴っちゃな。でも、、アンサン、東京日仏学院の『ディクテ』を逃亡した男やろが」

「うっ....うっ....問題は、そういうことじゃないんよ。アンタ、クルマのプラモデルの『キャロル』にアホしたんじゃろ?どうようなアホしたんか、いい加減説明しんさい!」

「おっ、せやった。それや、それやで、ワテが、勿体つけながら云おうとしたんは」

「ゴジラみたいな怪獣になったつもりで、プラモデルの『キャロル』を踏み潰したんじゃあなかったよのお」

「と、アンサンがボケてきたさかい、ボケてたんは、小学生のワテなんや、と云うてもうたことから、ワテが、寝惚けてトイレに行ったつもりでプラモデルの『キャロル』にオシッコでもかけたとか、かけんかった、とかくだらん話になってもうたんや」

「アンタあ、いい加減、勿体つけるんやめんさいや」

「ほなら、云うで。ワテ、プラモデルの『キャロル』を七輪(!)の上ち何故か置いてて溶かしてしもうて、『しもた!』と後悔したことがあんのや。何で七輪の上に置いたんやろ。ワテはアホやったんやろか。そや、アホやったんや」



「うーむ。アンタ、『遠藤周作』並みのアホじゃったんじゃね」

「は?ここで、なんで『遠藤周作』なんや?」


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「(また、話を逸らしてきたな。でも、本当、『遠藤周作』に何の関係があるんだ?)」


と訝りながら、ビエール・トンミー氏は、スコセッシ監督の映画『沈黙』を思い出していた。勿論、その原作者が、『遠藤周作』であったからだ。



[参照]


「あなたは『教祖』なのか?」【週刊聞醜・緊急質問状】


『沈黙』を『遠藤周作』を語る【エヴァンジェリスト氏、怒りの全文公開】




(続く)