2020年5月2日土曜日

【ビエール、怒る!】その数字に何の意味があるっ!?[その5]






「プププン、プププン」

リビングルームのテーブルに置かれたビエール・トンミー氏のiPhone X が鳴った。iMessgeのホルンの着信音だ。

「なんだ、なんだ」

ビエール・トンミー氏には、そのiMessageが友人のエヴァンジェリスト氏からのものであることは、iPhone X のロックを解除するまでももなく分っていた。iMessageのやり取りをしているのは、エヴァンジェリスト氏たっだ一人であったからだ。そして、その友人のメッセージの内容がどうせまたろくでもないことも分っていた。いつものことなのだ。

「ボクもそう思う」

エヴァンジェリスト氏のiMessageは、いきなりそう始っていた。

「ボクも、君がテレビのコメンテーターになったらいいと思う」

続くメッセージは、まるで、トンミー夫妻のやり取りを聞いていたかのようなものであった。

「君はどうしてボクたち夫婦の会話を知ってんねん?」

ビエール・トンミー氏は、いつもように関西弁で返信した。

「監視カメラさ」




「くだらんことを抜かすな!」
「とにかくボクも、君がテレビのコメンテーターになったらいいと思う」
「いやや、ワテは『高等遊民』やさかい、仕事なんかせえへん」





「またスターになれるぞ」
「またやて?」
「ああ、まただ。『テイトー王』の時のようにな」
「ええ!『テイトー王』の時のように、やてえ!」
「そうだ。『サトミツ』がまた、君に『んぐっ!』しちゃうぞ」




「ええ!『サトミツ』が!んぐっ!

と、その時、ビエール・トンミー氏の手からiPhone X がひったくられた。


(続く)



0 件のコメント:

コメントを投稿