2023年3月31日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その78)

 


「(今時、『男同士のコト』で、気色悪いとか云うと問題になるのかもしれないが、ボクが気色悪くて堪らないのは、『男とのコト』ではなく、『アイツとのコト』なんだ)」


と、誰にも訊かれもしないのに、それに、誰に対してかも不明ながら、ビエール・トンミー氏は、言い訳をする。


だが、ふと気付き、アイツこと、友人のエヴァンジェリスト氏に、今度は、自分の方から抗議のiMessageを打った。



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「なんで、ワテ、気色悪いアンタの裸、想像させらなあかんねん?」

「ワシが、『橘高』君は凛々しい男の子じゃったあ、云うたら、アンタが、『柑橘類』の話を始めたけえよ」

「ああ、せやったな。そうなんや、『橘高』君は凛々しい男の子やったかもしれんが、『橘』は、本来、女のもんなんや」

「いや、『橘高』君のアソコは見たことはなかったけど、『橘高』君は、どこからどう見ても男の子じゃったで」

「ホンマ、面倒臭いやっちゃなあ。『橘高』君のことやのうて、『橘』いう『氏』のことや。『橘』いう『氏』は、女帝から女官に賜下されたもんなんや」

「女官が、『橘』いうお菓子を女帝からもろうたん?女の子同士は、お菓子のやり取りするもんじゃからかのお」




「ボケはいらへん。…でもや、話を逸らせとうはあらへんのやが、ちょこっと、アンタの戯言に付合うてやろか」

「え、アンタ、ワシと『付合い』たいん?さっきも云うたように、ワシ、アンタとは、友だちのままでいたいけえ、『付合う』ことはできんのんよ」

「ふん!アンタ、ボケをかましたつもりが、実は的を射たことを云うたこと、知らへんやろ?」

「え!やっぱり、ワシ、アンタと『付合』わんといけんのん?!」

「『橘』はやなあ、お菓子(和菓子やな)の元祖や、と云われとんのや」


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「(どうだ!エヴァよ、思いもしなかった展開だろう!?)」


と、ビエール・トンミー氏は、鼻先を上向けた。



(続く)






2023年3月30日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その77)

 


「(ああ、また、『乗って、乗って、乗りまくって』みたいもんなんだが…)」


と、淋しさを頬に浮かべ、ビエール・トンミー氏は、自らの股間に視線を落とした時、友人のエヴァンジェリスト氏から抗議のiMessageが届いた。



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「そりゃ、ワシが、『etc.』云うたのに、アンタが、『ETC』云うて、クルマの話をしてきたからじゃないねえ」

「ああ、そや、そや。そもそも、なんで『etc.』なんや?」

「アンタが、『源平藤橘』の中で、『橘高』君だけを、その他(etc.)扱いしてきたからじゃないねえ」

「ああ、『橘』やな。まあ、『源氏』、『平氏』、『藤原』に比べたら、『橘』は、パッとせんいうか、あんまし有名やないやろ」

「『橘高』君は、凛々しい男の子じゃったけどのお」

「もう『橘高』君はエエ。でも、『橘高』君は凛々しい男の子じゃった、とアンタ云うたが、『橘』って何か、アンタ、知ってんのか?」

「へ?」

「ちゃう、『屁』やないで」

「クダラン言葉遊びはやめんさい」

「『柑橘類』は知っとるやろ?」

「おお、勿論、知っとるで。ワシ、みかんも好きじゃけど、シークワーサーのジュースが好きで、沖縄に出張したら、いっつも飲んどったんよ。それにのお、うふっ」

「なんや、気色悪いで」

「社会人になった頃のお、資生堂のBRAVASのオーデコロン付けとったんよ。柑橘系のエエ匂いじゃったんよ。その頃、アンタとはあんまり会っとらんかったけえ、あの柑橘系の匂い嗅いどらんかったじゃろう。嗅いどったら、アンタ、ワシにイチコロになったかもしれんよ」

「ウゲーっ!」

「上半身裸になって、柑橘系のBRAVASを胸にパンパンーっ、と打ち付けとったんよ。どうねえ?男らしいじゃろう?クラクラするじゃろう?」




「ああ、想像させられただけでも気色悪うて、クラクラするで」

「ワシに惚れんさんなよ。アンタとは、友だちのままでいたいけえ」

「アンタ、オゲレツ通り越して、グログロやでえ」


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「(アイツ、云うにこと欠いて、ホント、気っ色悪いこと云ってきやがる)」


と、ビエール・トンミー氏は、寒気を感じたかのように、両腕で自らの体を抱き、身を震わせた。



(続く)






2023年3月29日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その76)

 


(クレジットカード会社に文句を云おうと考えて、電話番号調べようと、そう、クレジットカードケースを調べたら、そこには、ちゃんと新しい『ETC』カードが鎮座していて、有効期限は2028年3月になっていたんだ」


と、ビエール・トンミー氏は、独り赤面した。


「(長い有効期限だし、頻繁に使うものではないから、早めに更新カード送って来たのを、無意識のうちにちカードケースにしまって忘れていたんだろう。もし、『アホンダラ!何で直前まで更新カード送られんのや!』と文句云ってたら、ボクは完全な自分勝手なトンデモクレーマーになるところだった…アイツは、どうして、ボクの『ETC』カードの失態を察したんだ?妙に勘のいい奴だ)」


と、友人のことに思考が行った時、その友人エヴァンジェリスト氏から、その勘の良さを証明するようなiMessageが届いた。



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「あれ?ひょっとしたら、新しい『ETC』カードはもう来とったん?来とったんを忘れとったん?」

「トッタン、トッタン、とトタン屋根の上で暴れとるみたいに、五月蝿いやっちゃなあ。ああ、ワテはちゃんと新しい『ETC』カード持ってんでえ。有効期限は2028年3月やさかい、まだまだ使えんのや」

「更新カードがもう来とるのに、まだ来とらん、と思うたんじゃね。なんか心配じゃのう。アンタあ、ボケんさんなよ。70歳間近いうても、まだなんとか60歳台なんじゃけえ。でものお、『ETC』カード、アンタ、いつまで使うん?ちゅうか、遠からず免許返納するん?」




「ワイは幾つになっても乗って、乗って、乗りまくったるでェ」

「アンタが、『乗る』云うと、なんか卑猥な感じがするのお」

「ワテもそー思うたでェ」

「今は、オゲレツなんは、ワシじゃのうて、アンタじゃねえ。グイグイ『乗る』んじゃろう」

『グイグイ』やて、あん姿、想像してまうで」

「何、想像しとるん?」

「やっぱりアンタん方が、オゲレツやで。せやけど、なんで、そないなオゲレツ話せんとあかんのや?」


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「(ああ、アイツのオゲレツが伝染ってしまった)」


と、ビエール・トンミー氏は、『乗って、乗って、乗りまくったるでェ』と云った自らを恥じた。



(続く)






2023年3月28日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その75)

 


「(そうなんだ。ボクは、アイツに『源平藤橘』のことを話そうとしていたんだ。もう、話を混ぜっ返させないぞ)」


と、意を強くし、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏へのiMessageを続ける。



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「エエか。も一度云うたるけど、『源平藤橘』や。その『平』、『源』、『藤原』は、『氏』(うじ)ちゅうて天皇が与えた一族の名称やんやて」

「あのお、すまんが、『橘高』君を忘れとらん?」

「はあ?『橘高』君のことは、どうでもええ、んやなかったんやないんか?」

「ほいでも、ワシの大事な同級生を『etc.』扱いしんさんなやあ」

「『ETC』!」

「あれ、どしたん?アンタも、ワシの真似しとるん?」

「は?何が、何を、ワテがアンタの真似なんかすんねや?」

「ワシは『etc.』云うたのに、アンタあ、『ETC』云うとるじゃないね。ワシが、『モーツァルト』じゃのうて、『モーツアルト』に拘ったんとおんなじじゃないん?」

「アホか?もう、そないなどうでもエエことなんか覚えとらへんかったで」

「あれ?まさか『ETC』のことなん?」

「な、なんや、『ETC』のことちゅうて?」

「『ET』の『Cクラス』のことじゃあないけえね」




「どこの誰が、そう思うんや」

「『ET』の『Cクラス』のことじゃのうて、『ETC』カードのことよおね」

「ひぃえ!」

「なんねえ!?そうように驚いてえ。アンタ、まさか、アンタのベンツ『Eクラス』に、『ETC』の有効期限が切れとる、と注意でもされたんじゃないんじゃろうねえ」

「ち、ち、ちゃう、ちゃう。ワテの『ETC』の有効期限は、まだ後6日あるんや」

「ああ、『ETC』の有効期限が後6日と注意されて、焦ったんじゃね。アンタ、『ETC』カードは、クレジットカードの付帯にしとるんじゃろ?」

「クルマ持っとらへんアンタが、なんでそないなこと知ってんのや?」

「ああ、やっぱりそうじゃったんじゃね。で、クレジットカードと一緒で、何も云わんでも、『ETC』カードを送ってくるはずじゃのに、送って来とらん!、と怒ったん?」


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「(ああ、そうなんだ。『ETC』カードは、クレジットカードと一緒で、更新カードを自動的に送ってくるはずなのに、『コンチキショウ、まだ更新カード送って来いへんな。早よ送れえや、と文句云うたろ』と思ったんだ)」


と、ビエール・トンミー氏は、心中ながら、珍しく素直に、友人エヴァンジェリスト氏の言を認めた。



(続く)






2023年3月27日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その74)

 


「(アイツ、今度は、『源平藤橘』(げんぺいとうきつ)で、どうボケをかましてこようとしているんだ?)」


と、ビエール・トンミー氏が、友人のエヴァンジェリスト氏の所業を読んだその通りに、エヴァンジェリスト氏はiMessageを送ってきた。



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「『橘高』(きったか)君のことも気にはなるんじゃが…」

「はああ?『橘高』君?誰やそれ?」

「アンタ、知らんのん?『皆実小学校』6年10組の同級生よおね」

「そんなん、知る訳ないやろ。ワテは、宇部の『琴芝小学校』やったんやさかいな。それにしても、『源平藤橘』の『橘』で、小学校の同級生を持ってくるんは、ちょっと強引過ぎるで」

「じゃけえ、『橘高』君のことはまあ、どうでもええんよ。でものお、『藤平』さんのこと持ち出されたらのお」

「なんや『藤平』?今度は、『源平藤橘』の真ん中の『平藤』をひっくり返してきたんやな

「違うけえ、『ふじだいら』じゃないけえ」

「アンタ、それにしても、音声メッセージじゃのうて文字メッセージで読みまで分るて、凄い技持ってんなあ」

「アンタ、今度は、『ふじひら』じゃあ思うたじゃろう?でも、それも違うけえね」

「アンタ、適当に云うとるだけやろが、まあ、確かに、『ふじひら』かとは思うたなあ。そやけど、ワテの人生で『藤平』いう名前の人と会うたことはあらへんさかい、どう読むかは知らんねん。で、アンタの云う、その『藤平』はんも、『皆実小学校』6年10組の同級生やったんか?『さん』と付けたことからするとオナゴで、アンタ、惚れたんやな」

「違うで。6年生の時は、『東京』の『川崎』から来た『福原』さんじゃったあ…ああ、何、云わすんねえ!」

「どうでもエエんやが、何を独りで勝手に照れてんのや?でも、『東京』の『川崎』から来た、いうたら、あれか?」

「ああ、止めてえや!」

「止めるも何も、『プロの旅人』に書いてあったで。『福原』はんは、『トウキョウ』子さん、やな?」



(参照:【ゲス児童】『くしゃれ緑』な『ウンギリギッキ』(その24)[M-Files No.5 ]



「個人のプライバシーに関わることですので、回答を控えさせて頂きます」

「なんで、そこだけ標準語になんねん。小学校5年の時の『帰国子女』子さんか?」

「あ、それは、『矢..』、おっと、やはり、個人のプライバシーに関わることですので、回答を控えさせて頂きます」

「小学校の頃やないとしたら、高校以降のアンタの『女遍歴』は大体は知っとるさかい、ああ、中学の時やな、その『藤平』はんは」




「うっ…」

「『クッキー』子はんか?『パルファン』子はんか?『肉感的』な少女か?」

「個別の質問にはお答えしかねます」

「『藤平』ちゅう個別の名前出してきたんは、アンタの方やないけ」

「アンタあ、いい加減、『藤平』さんのことをちゃんと『とうへい』と読みんさいや。「『ふじだいら』とか『ふじひら』、『ふじへい』、『とうひら』と読む名前の場合もあるみたいじゃが、『藤平』さんは、『とうへい』さんよおね」」

「なんや、『とうへい』はん、なんか」

「アンタ、名前の研究しとる割に、『藤平』もちゃんと読めんのんじゃね。『藤平』は、『藤原』の『藤』と『平氏』の『平』からきとるんかもしれんよ」

「なにい!」


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「(ああ、またアイツのペースにはまってしまっていた)」


と、ビエール・トンミー氏は、自らが名前の研究の成果を披露しようとしていたことを思い出した。



(続く)






2023年3月26日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その73)

 


「(こっちが折角、為になる話をしてやろうとしていたのに、『モーツァルト』 か『モーツアルト』かと、どうでもいいようなことを云い出し、ボクが忘れたい時代のことを無理矢理に思い出させやがって!)」


というビエール・トンミー氏の収まらない怒りを増幅させるIMessageが友人エヴァンジェリスト氏から届いた。



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「オモロイこというんは、『逃亡浪人』のことなん?」

「もうその話はエエ!オモロイこというんは、名前の研究の成果や、と云うたやろが」

「『住込み浪人』もセンスのええネーミングじゃったけど、『逃亡浪人』もそれに負けんなかなかのネーミングじゃあ思うで。『住込み』とか『逃亡』とか、『浪人』いう言葉とは本来、結びつかん言葉を持ってくるんは、アンタ、天才的じゃあ」

「もう『住込み浪人』も『逃亡浪人』もエエ。ワテが研究しとる『名前』は、『話』のタイトルとか『人物』のキャッチフレーズなんかのネーミングやあらへん。人の『名前』そのもんなんや」

「あのお….ワシの名前のことは触れんでくれるかのお…」

「心配せんでええ。『エヴァンジェリスト』いう名前が、『氏名』の『氏』の方なんか『名』の方なんかとか、せやなかったら、『エヴァンジェリスト』のどこまでが『氏』でどこからが『名』かとか、云わへん。日本人らしゅうない名前じゃ、とも云わへんさかい、安心しいや」

「アンタ、性格悪いのお」

「それ、アンタに云われとうないで。まあ、エエわ。ワテが名前の研究始めたんは、真面目に日本史を学んでて、今、鎌倉時代にはまったからや、云うたやろ」

「はまったんが、肥溜めじゃのうて、よかったのお」




「また話を混ぜ返してくんやなあ。肥溜めなんか、今時、あらへんで。あったら、アンタ、はまってエエから、聞きいな。『平清盛』、『源頼朝』、『藤原道長』、コレを声を出して読んでミイ。みんな『の』が付くやろ。今度は、『北条時政』、『足利尊氏』、『徳川家康』や。コレを声を出して読んでミイ。みんな『の』が付かんやろ」

「ほうじゃ『の』」

「ふん!その『の』は要らへん。『の』が付かん名前が出て来たんは、鎌倉期からや。これは読み癖ではないで。何でや?『源平藤橘』(げんぺいとうきつ)ちゅう用語があるねん」

「ひゃあーっ!」

「な、な、なんやあ!????」


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「(アイツ、本当に不思議な奴だ。文字のメッセージなのに、まるで音声メッセージで叫んだように思わせてくる)」


と、ビエール・トンミー氏は、今更ながら、50年来の友人エヴァンジェリスト氏の奇怪さに驚いた。



(続く)






2023年3月25日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その72)

 


(アイツが『OK牧場大学』に入学し、自分独り、浪人を続けることになった時のボクの孤独感、アイツには分るまい)」


と、ビエール・トンミー氏は、両肩を落とし、『井荻』を出て行ったとの自分の姿を思い出し、今更再び、暗澹たる気持ちに襲われたその時、アイツこと友人のエヴァンジェリスト氏は、無邪気にも追い打ちをかけるiMessageを送ってきた。



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「アンタ、『井荻』からどこかに行っとったん?」

「『下関』」

「は?なんねえ?『下関』、云うて。単語だけ送ってくるなんて、ワシの娘と似とるのお。娘は昔、自分の部屋に虫がいたら、iMessageでワシに『虫』とだけ送って、ワシに虫退治しに来いと命令しとったけえ」




「ああ、『虫娘』に『奴隷オヤジ』やな」

「おお、そうかあ。アンタ、『井荻』から、当時、下関にいらしたアンタのご両親のところに逃亡したんじゃね?」

「『逃亡』、云うんやない!!!!!」

「おお、『!』5個じゃね。すまんかった。云い過ぎじゃった。冗談じゃけえ」

「ああ、ああ、せや。ワテは、『逃亡浪人』やったんや」

「え!アンタ、『住込み浪人』の前に『逃亡浪人』しとったん!?」



(参照:住込み浪人[その4]



「『住込み浪人』は、クダランBlogの『お話』に過ぎん。要するにや、ワテは、1974年は、『下関』におったんや。せやから、『モーツアルト』ちゅう広島の洋菓子屋ことなんか知らへんかったんや。….あ?でも、なんで『モーツアルト』なんや?なんで、『モーツアルト』のことから、ワテの黒歴史まで話さなならんねん?」

「アンタが、『モーツアルト』のこと云い出したんじゃねいねえ」

「え?なんでやろ?...あ、アンタや。アンタが、『鎌倉殿の13人』の『K13』の『K』を『ケッヘル』やない、とか云い出したんやないか!」

「でも、『モーツアルト』の名前は出しとらんし、『K』は『ケッヘル』じゃない、とちゃんと云うとるじゃないねえ」

「いや、そもそも『K13』を持ち出して来んでもエエんやないか!」

「ほいでも、アンタが、鎌倉時代にはまっとる、云うたけえよ」

「おお、そうや!ワテ、真面目に日本史を学んでて、今、鎌倉時代にはまっとってやな、名前の研究してんさかい、その成果のオモロイこと教えたろとしてたんやないか」

「ほうよねえ。なのに、アンタ、全然、オモロイこと教えてくれんねえ」

「なにいー!」


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「(他人を散々、振り回しておいたくせに!)」


と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、そんな友人エヴァンジェリスト氏に振り回されている自分を恥じた。



(続く)






2023年3月24日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その71)

 


(そういえば、『井荻』の下宿の『便所』は、汲み取り式だったのに、2階にあり、流石に便槽を2階に取り付ける訳にもいかなかったんだろう、2階から管を通して落とすという、珍妙な造りだった。だけど…)」


と、ビエール・トンミー氏が、あることを思い出しかけた時、その記憶の想起を更に促すiMessageを友人のエヴァンジェリスト氏が送ってきた。



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「ほうかのお。ワシは、自分の『分身』が、なんかブラックホールに引きずり込まれるような感じがして、物凄う怖かったんじゃけえ」

「ブラックホール?それやったら、アンタの『上井草』の下宿の『便所』の方やないけえ。ワテ、もうちょっとのとこで、気いを失うてまうとこやったんやで」



(参照:【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その15]



「上井草は、ああ、アンタが、初めて犯罪を犯したとこじゃのお。井草は井荻の隣じゃけえ、アンタ、動揺しとったん?なんか、井荻のこと嫌いみたいじゃけえ」



(参照:【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その19]



「エエ加減にしいや。『井荻』のことなんか知らへん、云うてるやろ!1970年から1974年、ワテは謎の5年を過ごしてたんや」

「いや、1970年から1972年は、アンタ、『広島皆実高校』の生徒じゃったじゃやないねえ。1年7ホームでワシと一緒で、2年3年は、クラス、いや、『ホーム」は違うとったが、アンタ、牛田から広電バスで翠町のワシの家まで来て、一緒に『広島皆実高校』まで通学したじゃないねえ」

「やからあ、今はもう有名大学への進学者も殆どいーへん『カイジツ』高校なんて知らんて!」

「アンタ、やっぱり『広島皆実高校』のこと、詳しいのお。愛校心を持っとるんじゃね。で、『広島皆実高校』を卒業した後、1973年は、アンタ、東京でワシと浪人生活送ったじゃないかいねえ。アンタ、『井荻』の下宿からようワシが次兄の『ヒモ』くんと住んどった南柏のアパートによう転がり込んできたよのお。で、2人でよう『東光ストア』に『豚の細切れ』を買いに行ったよのお」

「おお、懐かしいでえ、『東光ストア』!」

「アンタ、分っとるじゃろうが、『東光ストア』は、『今東光』のスーパーじゃあないけえね」

「アホか。誰が、あの坊さん作家のスーパーやと思うねん。『東光ストア』は、今の『東急ストア』やないけ。今でも『東急ストア』は、ワテの御用達のスーパーや」

「『今東光』のスーパーじゃったら、ワシ、買いモンに行かんかったけえ。『今東光』はどうでもエエが、弟の『今日出海』は困るけえ」




「なんか知らんが、どうでもエエことや」

「確か、『田園交響楽』じゃったあ、思うんじゃが、アンドレ・ジッドの小説を『今日出海』が翻訳しとったんじゃが、その最初の1ページ目を読んでも意味が通じんのんよ。で、原作を読んだら、誤訳しとったんが判ったんよ。『今日出海』は、東大の仏文を出とったはすなんじゃが」

「そりゃ、東大の仏文やったら、『OK牧場大学』のフランス文学修士のアンタよりレベル低いやろ。『OK牧場大学』の大学院のフランス文学専攻には、東大からもぎょうさん受験してくるが、あんまり受からかったんじゃろ、アンタが修士に入った頃は」

「あ!そうじゃ。ワシが『OK牧場大学』に入学した1974年は、アンタ、とこにおったん?アンタ、2浪目じゃやったが、なんか、アンタと殆ど会っとらんかった気がするんよ。アンタ、1974年は、どしたんじゃった?まだ『井荻』におったんじゃったかのお?」

「う…」


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「(アイツめえ!他人の傷に塩を塗り込んできやがる!)」


と、ビエール・トンミー氏は、強く、強く歯軋りをした。



(続く)






2023年3月23日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その70)

 


(ああ!『井荻』の頃のことなんか思い出したくない!『モーツアルト』とも『モーツァルト』とも関係ないじゃないか!)」


と、ビエール・トンミー氏は、『井荻』の下宿の部屋で独り項垂れる大学受験浪人の自分を思い出しながらも、友人エヴァンジェリスト氏が、『モーツアルト』という広島の洋菓子屋のことを話していたことを思い出した。



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「あの便所は、なんなんねえ!?」

「だからあ、『井荻』のことなんか、どうでもいいだろう!」

「あんな怖い便所は、あれが初めてじゃった。いや、後にも先にも、あんな怖い便所は知らん。あれは、『トイレ』ではのうて、まさしく『便所』じゃ」

「『トイレ』でも『便所』でもいいから、『井荻』のことはもういい」

「アンタ、どしたん?イナゲな関西弁使うん止めたん?」

「あ!...や、ちゃう、ちゃう。止めれ、云うのに、アンサンが分らんようやから、ちょびっと標準語で云うたったんや」

「いや、止められんでえ、ああような怖い『便所』を経験したんじゃけえ。『奈落の底に落ちる』とは、あの『便所』のことじゃね」

「あの下宿のトレイのことは覚えとらん。トイレだけやあらへん。『井荻』のことは、ぜ~んぶ忘れてもうた」

「2階に、汲み取り式の『便所』があるんは、おかしい思うで」

「おかしゅうても、おかしゅうのうても、どうでもエエ」

「2階のあの『便所』で出したワシのウンコは、管を通って落ちて行って、どっかに消えたんじゃけえ。ウンコの奴、便器に落ちた後、水に流されて行くんなら、本望いうんか、まあ、普通のことじゃけえ、驚かんかったじゃろうが、ワシのケツの穴から出たあ、思うたら、そのまま、真っ暗な管の中を、どこに行くんか分らず、落ちて行くことになったんじゃけえ、そりゃあ、不安じゃったんじゃろう思うんよ」




「そないな汚い話止めれえや!アンサンのケツからウンコが出てくるとこ、想像してもうたやないか!エエか、云うまでもあらへんが、ウンコが、怖いとか怖くないとか思うわけないやろが。ワテは、ホンマ、何も覚えとらへんが、アンタのウンコは、2階から管を通って、1階いうか地中のタンクいうんか便槽いうんか知らんが、その中に落ちだだけやないか」


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「(しまった!本当にアイツのケツの穴からウンコが出てくるところを想像してしまった!)」


と、ビエール・トンミー氏は、自らの脳裏に焼き付いた『像』を振り落とそうとするかのように、頭を左右に振った。



(続く)






2023年3月22日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その69)



「(だけど、何故、アイツは、『モーツァルト』のことを『モーツアルト』、『モーツアルト』と云ってくるんだろう?惚けているのではなく、何か、アイツ特有の確信犯的な話の持って行き方のようにも思える)」


と、ビーエル・トンミー氏が、あらためて心に警戒の紐を強く締めた時、その警戒相手エヴァンジェリスト氏から、ようやく謎解きを始めるiMessageが入ってきた。



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「『モーツアルト』が作ったんじゃあないけえね。『くじっこ海女ちゃんスイートクッキー』とか『三陸じぇx3チーズクッキー』を作ったんは、『岩手久慈っこ本舗』なんじゃそうじゃけえ」

「当り前やないけ。『モーツァルト』は、曲は作ってもクッキーは作らへんで」

「ほりゃ、ほうじゃ。アンタの云う『モーツァルト』は、そうじゃろうのお。アンタ、何年か前に、ワシが広島からのお土産をあげたんを覚えとらんの?缶に入っとったやつじゃ」

「あ、そういうたら、そんなん貰うたなあ」

「あれが、『からす麦の焼きたてクッキー』じゃったんよ」

「ああ、あれかあ。美味かったことは、よう覚えとるで」

「あのからす麦の焼きたてクッキー』を作って売っとるんが、『モーツアルト』なんよ。会社名が、『モーツアルト』で、『バッケンモーツアルト』は、商号で、お店の名前なんよ。クッキーだけじゃのうて、ケーキやパンも売っとるし、なんか最近は、もみじ饅頭も売っとるみたいなんよ。喫茶店になんとる店もあるしのお。クッキーもケーキも美味しい店じゃ」

「アンタにもろうたクッキーは確かに、美味かったで。でも、ワテが広島にいた頃にはなかった店やな」

「最初の店ができたんは、1974年じゃそうじゃけえ、そん時はもう、アンタあ、20歳で、もう広島におらんかったけえ、『モーツアルト』と聞いて、作曲家の『モーツァルト』と思うても無理ないのお」

「ああ、そやで」

「1974年いうたら、ワシも、『OK牧場大学』に入学して、『都立大学』いうか、『都立大学』駅のある目黒区八雲の下宿に住むようになった年で、もう広島にはおらんかったけえ、『モーツアルト』のことを知ったんは、もっとずっと後になってからじゃ。アンタは、1974年はどこにおったんじゃったかいねえ?」

「え?そないなこと、どうでもエエ」

「あ…確か、『井荻』じゃったかねえ?」

「どうでもエエ云うてるやろ!」

「あ!『恐怖の便所じゃ!」




「ひゃっ!」


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「ア、ア、アイツ、何を云い出すんだ!『井荻』の頃のことなんか、どうでもいいじゃないか!」


と、ビエール・トンミー氏は、自分が思いをそのまま口に出していることも気付かない程の動揺を全身に示した。



(続く)






2023年3月21日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その68)

 


「(本当に日活ロマンポルノって見たことないんだ。….でも、ひょっとしたら…)」


と、ビエール・トンミー氏は、ここ最近は『枯れて』しまい、もう見ることはないが、しばらく前、もっと『元気』だった頃、ネットでエロ動画を少なからず見ていたことを思い出した。


「(あの中に、ひょっとしたら、日活ロマンポルノも…)」


と、その必要もないのに、独り赤面したビエール・トンミー氏に歯軋りさせるIMessageが、エヴァンジェリスト氏から届いた。



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「『あまちゃん』よおね」

「え?『宮藤官九郎』のか?あのNHKの朝ドラのか?あ、アンサン、さっき、『じぇじぇじぇ』云うたな!」

「ほうよ、『じぇじぇじぇ』の再放送が、4月3日から始まるんじゃと」

「おお、そりゃ、また全部見んとアカン。いそがしゅうなんなあ。  実は、この前の土曜日(2023年3月18日)から、女子カーリングの世界選手権が始まってんのや。一週間あんねや。日本の試合が、毎日2試合ライブで(たいてい午前3時と午後5時)中継されるさかい、必ず毎試合見んとアカンのや。1試合は録画して見るとしても、カーリングちゅうのは1試合3時間近くかかるさかい、毎日6時間は試合見なならんねん。で、4月からは、『あまちゃん』の再放送かいな。ワテ、益々、忙しくなるで」




「カーリングは、途中、『モグモグ』しながら見るん?間違えて、『んぐっ!んぐっ!』しながら見たらダメじゃけえね」

「アホか!『モグモグ』すんのは、選手や。それにや、選手もワテも、間違うても『んぐっ!んぐっ!』なんかせーへん」

「選手は、『モーツアルト』を『モグモグ』するんじゃろうか?」

「『モーツァルト』を聴くんやのうて、『モグモグ』するんか?」

「でも、『モグモグ』するんが、『くじっこ海女ちゃんスイートクッキー』とか『三陸じぇx3チーズクッキー』じゃったら、そりゃ、『モーツアルト』じゃないけえね」

「はああ?」


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「(アイツ、ますます云うことが、支離滅裂になってきている。大丈夫か?)」


と、ビエール・トンミー氏に眉間に皺ができた。



(続く)