2023年2月19日日曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その38)

 


「(とはいえだ。アイツは、『どうしてお腹が減るのか』なんて訊いてきたんだろう?)」


と、思うビエール・トンミー氏は、『ChatGPT遊び』に呆け、友人エヴァンジェリスト氏とのiMessageの脈絡を忘れていた。


「(ボクは、ChatGPTのように、アイツの質問に、科学的な理由やメカニズムを知りたい意図なんかがある、なんてことは思わないが、では、アイツにどんな意図があるというのか?)」


と、思ってしまったビエール・トンミー氏は、自らの頭を振った。


「(いや、いかん、いかん。アイツの質問の意図を考えるのは、何らかの意図がある、ということを前提としてしまっている。アイツには、何の意図もない可能性だったあるんだ。或いは、あったとしても、考えるに足りない程の、本当にクダラン意図に決っている)」


と、考え直していると、その『アイツ』、エヴァンジェリスト氏からのiMessageが届いた。



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「アンタは、AI以上じゃ」

「ま、そやな」

「ワシは、AI異常じゃ」

「ほほお、そうきたか。では、ちょっと待ちいな。…ふふ、『AI異常』が何か訊いてみたで。


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According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [AI 異常”という用語自体が明確に定義されているわけではありませんが、一般的には、機械学習や人工知能において、想定外の結果や振る舞いが起こることを指しています。


機械学習では、大量のデータを用いてモデルを訓練することで、データの特徴やパターンを学習し、新しいデータに対して予測を行うことができます。しかし、訓練データに含まれなかった新しいデータが与えられた場合、モデルが正確に予測できないことがあります。これが“AI異常”の一例であり、このような問題は、データの欠損、ノイズ、異常値、外れ値、複雑なデー夕の構造などの要因によって引き起こされることがあります。


また、人工知能が自己進化的に学習することがある場合、予期せぬ振る舞いを示すことがあります。これも“AI異常”と呼ばれることがあります。


AI異常を回避するためには、データの品質の向上、異常値の検出・修正、適切なモデルの選択、モデルのチューニング、監視などが必要となります。また、機械学習モデルの説明性や透明性を高め、モデルがなぜそのような予測を行ったのかを理解することも重要です]


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ふん、シャレの分からん奴や」

「おお、高度な文学的レトリックいうかイロニックを理解できんのんじゃね」




「フランス文学修士様には敵いまへん、ちゅうとこやな」

「ChatGPTには、『François MAURIAC』は、到底理解できんじゃろう」

「ついでに、イロニックを訊いてみたで。


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According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [イロニック (ironic)」とは、意図的に言葉や表現を使い、その意味を正反対の意味に解釈できるようにする修辞技法のことです。つまり、言葉の裏にある意味を逆転させ、皮肉や嘲笑を含んだ表現をすることを指します。


例えば、雨が降っているのに「いい天気ですね」と言うのは、普通の感覚からすれば真反対の意味となっており、イロニックな表現となります。また、ある人が失敗した際に「おめでとう、あなたの計画が完璧に失敗したわね」というのも、実際には「おめでとう」が祝福の言葉であるにもかかわらず、失敗に対しての皮肉や嘲笑を含んだ言い回しとなっています。


イロニックな表現は、語量力や文化的背景、さらには論理的思考力を必要とするものであり、しばしば文学や詩、音楽、映画などの芸術作品で使われます。しかし、日常生活でも使われることがあります]


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コイツ自分の言っている意味を真に理解しとんのか」

「アカンのお」

「せやねんけど、ワテ、『ChatGPT遊び』に嵌ってもうたで」

「ええー!」



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「(相変らず、大袈裟な奴だ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏の反応に呆れながらも、警戒心を抱いた。


「(アイツ、一筋縄ではいかん奴だからな)」



(続く)




2023年2月18日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その37)

 


「(GoogleはChatGPTに最大限の危機感を持っている、というが、今のレベルでは使い物にならないだろう)」


と思いながらも、ビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏のリクエストに応じ、ChatGPTに、『喧嘩をするとお腹はへるのか』と訊き、その回答結果をiMessageにコピー/ペーストし、エヴァンジェリスト氏に送信した。



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According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [喧嘩をすると、ストレスや興富によって身体が緊張状態になります。この状態では、交感神経が刺激され、血糖値が上がり、消化器官への血流が減少するため、食欲が低下することがあります。


しかし、個人差があり、喧嘩をしても食欲が増す人もいます。また、喧嘩によって身体が疲れたり、ストレスが解消されたりすることで、逆に食欲が増す人もいます。


したがって、喧嘩をすると必ずしもお腹が減るわけではありませんが、身体の状態によっては、食欲が増減することがあると言えます。]」

じゃ、お腹がへったら、お腹と背中がくっつくんか、訊いてえや」

According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [お腹が減った場合、身体はエネルギー不足を感じて食物を欲するようになりますが、お腹や背中がくっつくことはありません。


ただし、飢餓状態に陥ると、身体はエネルギー不足を補うために、脂肪を分解してエネルギーを作り出します。そのため、長期間の飢餓状態によっては、体脂肪が減少して、お腹や背中が引き締まったように感じられるかもしれません。


しかし、短期間での飢餓状態では、お腹や背中の形状にはほとんど変化が起こらないと考えられます。また、お腹と背中がくっつくという現象は、飢餓状態とは直接関係がないため、お腹が減っても起こることはありません。何やそれっぽい回答やな。一応、マトモな回答に思えてまうで

AIちゅう奴は、つまらん奴じゃのお。人間の感情の機微を理解できとらんのお。それに、関西弁、いや、カーネーション弁を喋らんのが致命的じゃ」



(参照:【ビエール、まだまだ怒る!】何してんねん!?[後編]



「ほな、『カーネンション弁』変換でいくで。エエか、




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According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [『お腹が空く』とは、身体がエネルギー不足を感じるために、食物を摂取する必要性を伝えとるサインの一つやで。具体的にはやな、空腹時に胃酸が分泌されることで、食欲が刺激されるんや。


お腹が空く理由は、身体の代謝に欠かさへんエネルギーが不足しとるためやで。体の細胞や臓器は、栄養素からエネルギーを作り出しィに必要な分量を消費するんや。エネルギー不足になると、身体の機能が低下し、疲れや倦怠感などの症状が現れるんや。


せやから、お腹が空くことは、身体が正常に機能するために必要なエネルギー不足を感じとることを示しとんのや。そのため、ようけの人がどないな栄養素が必要なのか、食事のタイミングやバランスなどについて知りたがるのやと思われるんや


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どや?

「アンタには遠く及ばんのお」

「アンタが何で、『どうしてお腹がへると思うのか』と訊いてくる意図を訊いてみたで」

「おお、ええのお」

「いくで。


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According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [お腹が減るというのは、私たちの身体が食物を必要としているサインの1つです。


質問者が『どうしてお腹が減るのか』と尋ねてくる意図は、この身体のサインがどのように発生するのか、身体内でどのようなプロセスが起こっているのか、という科学的な理由やメカニズムにつして知りたいと思っている可能性があります。


また、食欲や栄養摂取に関する知識を深めたい、食事や栄養管理についての情報を得たい、という意図もあるかもしれません。


….コレは嘘やな。アンタに、科学的な理由やメカニズムを知りたい意図なんかないわな」

「ワシの質問に何らかの意図が、そう、何やら怪しい意図があると気付くアンタと、アンタの質問にもワシの怪しい意図を感じもせん奴との違いじゃのお」



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「(確かに、アイツの云う通りだ。アイツが、ただただ『どうしてお腹が減るのか』なんて訊いてくる訳がないことに、ChatGPTは気付かない)」


と、オゲレツでクダラナイことしか云ってこない友人エヴァンジェリスト氏であるが、彼は馬鹿ではなく、いやむしろ、相当な知的レベルの持ち主であることは、認めざるを得なかった。



(続く)




2023年2月17日金曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その36)

 


「(『アホの坂田』は誰かなんて知りたくもないが、でも、『阪田寛夫』なんて奴のことだって、別に知りたい訳じゃないのに…)」


と、またまた友人エヴァンジェリスト氏に翻弄されていることに、口を歪めていると、iPhone 14 ProのiMessageの画面がスクロールし、エヴァンジェリスト氏からのメッセージが着信した。



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「おお、分ったで。『アホの坂田』が、吉本興業の芸人『坂田利夫』のことで、本名は、『地神(じがみ)利夫』で、『坂田』を芸名にしたんは、将棋の『坂田三吉』に因んだらしいが、でも、本人は将棋が苦手らしい、いうことは説明せんけえ」

「この『アホのエヴァ』めが!」

「『阪田寛夫』さんは、詩人、小説家で、童謡の詩もようけ書いとりんさるんよ。例えば、『♩どうして おなかが へるのかな』じゃ」

「おお、知っとる、知っとる」




「え!?本当に、知っとるん?」

「はあ?何、云うてんねん。当り前や」

「へええ、どうして、お腹はへるんか、知っとるん?どうしてなん?」

「また、話、逸らすんやな。まあ、エエわ。教えたろ。ちょっと待ちいな」

「んんもう、待ちきれないわあ。早く来てエエ。うっふん」

「アホンダラ!エエか、回答は、こうや


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お腹が減るのは、私たちの体がエネルギーを必要としているからです。具体的には、食事摂取しなかった場合に、血糖値が下がり、それが脳に伝わることで、脳が「エネルギーが要だ」と感じ、腹部の中枢神経系に信号を送ります。この信号が、空腹感を引き起こすカニズムです。


また、胃の中に食べ物がない場合、胃の壁にある神経細胞が、胃の内壁が収縮することで活動を始め、脳に「胃が空っぽだよ」という信号を送ります。この信号も、脳が空腹感を引き起こすためのメカニズムの一つです。


空腹感は、生命を維持するために必要なエネルギーを補充するために発生する正常な生理現象です。したがって、適切な食事を摂ることで、空腹感を満たすことができます。ただし、過剰な食事や栄養失調など、食事に関する健康上の問題がある場合には、適切な医療や栄養管理が必要になることがあります。


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「アンタ、『AIビエ』になったん?」

「完璧(と思われる)答えやろ。このまま、大学のレポート出せそうやで」

「ChatGPTを引用する時には、『According to ChatGPT (OpenAI, 2021), [』と書かんといけんのんよ」

「大学の教授には、ChatGPT使うたことないやろから、分からんやろ」

「喧嘩をすると減るのか?も訊いてみんさい」


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「(ふん。クダランが、まあ、いいだろ。丁度、ChatGPTに何を訊いたものか、と思っていたところだからな)」


と、ビエール・トンミー氏は、iPhone 14 Proを最近、登録(Sign in)したばかりのChatGPTの画面に切り替えた。



(続く)




2023年2月16日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その35)

 


「(『前田のクラッカー』のことは、よく覚えているけど、食べたことはあったんだったか…)」


と、ビエール・トンミー氏は、『前田のクラッカー』を食べたことあるのかという、友人エヴァンジェリスト氏の質問に、自問した。


『あたり前田のクラッカー!』と云う『てなもんや三度笠』の『あんかけの時次郎』こと『藤田まこと』のフレーズが、強く頭に残っており、なんとなく食べたことのあるような気がしていただけのような気もするのであった。


エヴァンジェリスト氏に、その記憶の混沌と曖昧さを突かれたような気がしたビエール・トンミー氏は、肯定はしきらず、話を逸らすような返事をiMessageで返した。



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「さあ、あるんやろな。『渡辺のジュースの素』は飲んどったで」

「ああ、エノケンの『♪渡辺のジュースの素です。もういっぱい!』じゃね」

「あの頃、ワテらが小学生やった頃は、ジュースは粉末ジュースくらいしかなかったさかいなあ」

「アンタ、『ソーダラップ』も飲んどったじゃろ?」

「なんや、それ?知らんのお」

「ええ!?本当に知らんのん?」

「ああ、『渡辺のジュースの素』しか知らんで」

「粉末のメロンソーダよおね。レモン、イチゴのんもあったみたいじゃが、ワシは、メロンのしか記憶にないけえ」

「ワテが知っとるんは、『渡辺のジュースの素』だけや」

「『♪そうだ村の村長さんがソーダ飲んで死んだあソーダ』いう歌、歌わんかったん?」

「何、唄うとるんや?」

「あれ!?聞こえた?iMessage、音声メッセージで送信しとらんのに、ワシが、唄うたんが聞こえたん?アンタ、やっぱりタダもんじゃないのお」

「またアホ抜かしおって。そないな妙な歌、聴いたことないで。勿論、唄うたこともない。ソーダ飲んで死ぬ、なんて、意味分らへん。どうせ、ガキどもの戯歌じゃろ」




「なんの、なんの、『阪田寛夫』の作詞なんじゃけえ」

「誰や、その『阪田寛夫』いうんは?」

「『アホの坂田』じゃないけえね」

「アンタこそ、アホやないか。『阪田』と『坂田』、字からして違うやないけ」

「おお、さすが慧眼じゃのお」

「慧眼でもなんでもエエが、『アホの坂田』も知らんで。でも、その説明、いらんで」


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「(こう注意しておかないと、『阪田寛夫』が誰か、という話から、『アホの坂田』は誰か、と、話はまたまた逸れていくんだ)ふーっ…


と、ビエール・トンミー氏は、自らが取った予防策への満足と、とめどなく、とりとめなく展開していく友人の話への辟易とが混在した息を漏らした。



(続く)




2023年2月15日水曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その34)

 


「(あ、いかん、いかん。また、アイツのペースに嵌ってしまった)」


と、ビエール・トンミー氏は、頭を振って、『乙姫』話から我に返り、友人エヴァンジェリスト氏に対して、クレームのiMessageを打ち始めた。



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「エエか、『乙姫』のことなんかどうでもエエんや」

「でも、『乙姫』のことは、アンタが云い出したんじゃないねえ」

「それは、アンタが、『北条政子』の娘の『乙姫』と浦島太郎の『乙姫』のことを混同して、訳の分らんこと云うから、解説してやっただけや」

「ああ、要するに、アンタ、奥様のことは、『乙姫』とは呼んどらんと云いたいんじゃろ?」

「ん?それはそうやけど…なんで、『北条政子』、『乙姫』の話してたんやったか…?」

「ワシは、女房に対して、たまに『マイ・ハニー』と呼びかけるんじゃが、激怒されるで」

「当り前や」

「ほうかのお?」

「巫山戯とる」

「いやあ、『マイ・ハニー』じゃけえ、『マイ・ハニー』云うだけなんじゃがのお」

「アンタ、今晩、奥様に、『マイ・ハニー』云うてみんさいや。で、奥様の反応を教えてえや」




「気色悪うてよう云わんわ」

「試してえや」

「嫌じゃ」

「奥様に、『なにー!?』云われたら、ワシが云うてみい、云うたけえよ、と云うたらええ」

「アンタのことを出すと、益々ヤヤコしくなるで」

「え、そうなん?どうせ、ワシ、奥様に、変な人と思われとるんじゃろ?」

「あたり前田のクラッカー」

「また、『前田のクラッカー』なん。もう、『平参平」の話はしとらんのんよ」

「クドさの権化のアンタに、『またか』と云われとうないで」

「そういうたら、『前田のクラッカー』は、食べたことあるん?」


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「(うっ…アイツ、たまに急所を突いた質問をしてくる)」


と、ビエール・トンミー氏は、『広島皆実高校』の1年7ホームでの授業での友人エヴァンジェリスト氏の姿を思い出した。


「(頭が良かったことは確かだ)」


『牛田中学』では、誰にも負けることのない秀才であった自分が、初めて、『負けるかも』と思った相手であった。教師の質問に、躊躇なく、そして、的確に答えていたのだ。数学の問題も、黒板に、文字通り、チョークをスラスラと滑らせて解答するのであった。



(続く)




2023年2月14日火曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その33)

 


「(アイツは、オゲレツだが、ボクの知識を遠慮なく吐き出せるのは、アイツだけだからなあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、友人エヴァンジェリスト氏の痴呆の気配を心配する。


「(家内は、一応、ボクの説明を聞いて、『へええ、そうなのお』と感心したそぶりは見せるが、内心では、『また始った』と思っている)」


と、若い頃程には、自分の話をまともに聞かなくなった妻のことを考えていると、エヴァンジェリスト氏から、その妻に関するメッセージが着信した。



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「アンタ、奥様からどう呼ばれとるん?」

「は?そないなこと、どうでもエエやろ」

「あ、そうじゃ。『アータ』じゃったのお」

「何、云うてんのや」

「『プロの旅人』で、いつもそう呼ばれとったん思い出したけえ。『あら、アータ、もうイッチャッタの?』とか云われとったじゃないねえ」

「ああ、ヤメレ、ヤメレ!やから、あの妄想系Blogのことなんか真に受けるんやないで、云うとるやろ。いや、そもそも、アレ書いてんのは…」



(参照:「MacBookProですか?」(その15=最終回)



「で、アンタは、奥様のことをどう呼んどるん?」

「名前は呼ばん。何となく気配で伝えるんや」

「『乙姫』じゃないん?」

「は?はあ?また何、云うてんねん?」

「奥様は、アンタより10歳も下なんじゃろ?」

「ああ、そうや」

「で、可愛んじゃろ?」

「あんな、10歳下いうても、もう58歳やで。オバハンや」

「でも、まだまだ可愛んじゃろ?奥様に、『今夜、風呂上がり久しぶりに君の部屋に行こうかと思ってね。バスローブを着て』と云うたりしとるじゃないねえ。知っとるんじゃけえ」

「エエ加減にせえよ!あの妄想系Blogのことなんか、もう口にすんやないで!」



(参照:バスローブの男[その102=最終回]



「これ、iMessageじゃけえ、口にしはしとらん。指じゃけえ。あ、なんかこの云い方、オゲレツじゃねえ」

「アホンダラ!」

「あ、そうか、久しぶりに奥様に部屋に行く、とは云うたもんの、アンタ、もう『原宿の凶器』ではなく、『昔、原宿にいた今は、小器』になっとるけえ、後悔したんじゃったよおのお」

「アンタな、口から手を突っ込んで奥歯をガタガタいわしたろか!」




「でも、まあ、要するに、奥様は、アンタより10歳下で可愛いけえ、『乙姫』いうことになるじゃないねえ」

「あ~、そういうこと云いたかったんか。話が長い、くどいで、今更やが」


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と、云いながらも、ビエール・トンミー氏は、会社のマーケティング部で初めて妻(というか、のちに妻となる女性)を見た時のことを思い出した。


「(可愛かったあ…そうだ。竜宮城に行き、初めて『乙姫』を見た浦島太郎も、そう思ったんだろうなあ)」



(続く)




2023年2月13日月曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その32)

 


「(あ、いかん、いかん!)」


と、ビエール・トンミー氏は、我に返って、書店のレジの娘の匂いを嗅ぐべく、鼻を近付けていった本『アーミッシュの老いと終焉』をベッドサイドのテーブルに戻し、友人エヴァンジェリスト氏へのiMessageを続けた。



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「あ、そやそや、その詫間町ちゅうとこには『乙姫』もおるんか?ああ!せや、『乙姫』の話ししてたんや」

「おお、『乙姫』さんのことも忘れんとったげてえや」

「エエか、『浦島太郎』の『乙姫』は、『頼朝』と『北条政子』の娘の『乙姫』とは、関係あらへんのや。『乙姫』は多分やが、元々は、『弟姫』と書いとってやな、『弟』いう言葉から連想で蹴るように、それに、さっきも云うたようにやな、姉妹の姫の内、歳下の、つまり妹の方の姫ちゅう意味やったみたいなんや」




「え、ほうなん?ほいじゃったら、『竜宮城』には、お姉さんの『大姫』もおったん?」

「やから、『浦島太郎」は関係あらへん、云うてるやろ。けど、『竜宮城』に『大姫』がおったいうような話は聞いたことあらへん。『乙姫』には、歳下やさかい、若うて可愛い、いうような意味もできたみたいなんや」

「アンタ、言葉の歴史にも詳しいんじゃねえ。じゃけど、ちょっと話が長いで」

「アンサンに云われとうないで」

「ワシが云いたいんは、要するに、『北条政子』さんには、『よっくん』と『さっくん』に、『大姫』、『乙姫』いう子がおったんじゃけえ、『お母ちゃん』と呼ばれとったんじゃないん?、いうことよね」

「ああ、その問題やったな。でも、よう考えてみい、『鎌倉殿』の家で、『お父ちゃん』、『お母ちゃん』みたいな庶民的な呼び方するわけないやろ。もういっぺん云うけどやな、『政子』が普段は何と呼ばれていたかは不明なんや。『政子』ちゅう名前も、三代将軍『実朝』の後継者の将軍を朝廷に頼みに行く場面が大河ドラマであったんやけど(頼朝が亡くなって19年後やな)、その時に従三位の位を与えられるさかい名前が必要、ということで父の『時政』から一字とって政子にしたんやて。せやから、『頼朝』に『政子』という名前を出したら『誰やそれ?』と尋ねられるはずやで」

「ほいじゃったら、『頼朝』は、『政子』さんのこと、どう呼んどったん?」

「やから、不明や、ちゅうてるやろ」


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「(アイツ、ちょっとボケてきたのか?何回も同じことを訊いてきて。アイツももう一年余りで70歳になるからなあ)」


と、ビエール・トンミー氏は、iPhone 14 Proの画面の友人エヴァンジェリスト氏の惚けた顔が、作ったものではなく、痴呆から来るものではないか、と心配になってきた。



(続く)